第三十四話 内政についての提案 (フレナリックサイド)
セリフィーヌはわたしに、内政についての提案をしてきた。
税を下げるべきだ、というのは聞き飽きた提案で、彼女もそう言ってきたが、彼女はさらに。その分を埋める方策を提案してきた。
わたしは、王国の収入が減るから税を下げるのを反対していた。
収入が減るということは、それだけ贅沢ができなくなるということだからだ。
王室の支出を減らすというのが提案の主な内容だったが、特にわたし自身が困る提案ではなく、父王も大臣たちも賛成した。
わたしは、少し腹立たしい気持ちになったが、渋々了承した。
税が少し下がったことは、領民には歓迎された。
こうして、わたし自身の貴族と領民の間での評判は、少しずつ盛り返してきていた。
セリフィーヌを婚約者にしたことがプラスになってきていると周囲のものたちは言う。
今になって思うと、このままセリフィーヌを大切にしていれば、助言をたくさん受けることができて、名君として称えられるようになったかもしれない。
しかし、わたしはそれを認めるのは抵抗があった。
わたしは、彼女に少し心は動き始めていたが、一方ではうとましく思う気持ちも強くなっていた。
彼女の方は、わたしのところに来る度に、わたしの役に立とうしてくる。
それは決して心地のいいものではない。
最初からフィーリングが合わないと思ってはいたが、こうして数か月を過ごす内に、根本的に彼女はわたしのタイプではないと思うようになっていった。
普通だったら、女性と付き合って一か月も経たない内に、キスやそれ以上の世界に進んでいたわたしだが、セリフィーヌについては、そういう気になれなかった。
そんな時、わたしにとっては義理の母になろうとしているセリフィーヌの継母が、わたしのところを訪れた。
彼女の要望によって、執事たちには席を外してもらい、今は二人きり。
「わたしは忙しいのだ。お義母になる人だから二人で会うことを了解している。そのことはありがたく思ってほしいものだな」
「それはよく理解をしております」
うやうやしく頭を下げる彼女。
「それでなんだ? 話というのは」
「殿下、セリフィーヌとはうまくいっておりますか?」
嫌な話をいきなり持ち出してくる。しかも微笑みながら。
「その話か? そういう話だったら。話す気はない」
「まあそうおっしゃらずに」
「話す気はないと言っているのだ」
「ということは、あまりうまくいっていないということでは」
「だとしたらどうだと言うのだ」
わたしがそう言うと、彼女は、
「そこで、わたしが殿下のお役に立とうと思いまして」
と言う。
「なんだ、そのわたしの役に立つということと言うのは?」
「殿下はゴ-ジャスな女性が好きだと伺っております」
「その通りだが。それがどうしたというのだ」
「今の婚約者のセリフィーヌは全くそのタイプではありませんものね」
「それはそうだが、我慢をしている。タイプではなくても、やがて結婚しなければならないと思っている」
気に入った女性がいれば、その人と婚約したいと思っているが、それは彼女に言うことではないだろう。
「我慢をなさっているのですか? それはお体にも心にも影響いたします。我慢をなさらない方がいいとわたしは思います」
「婚約してしまった以上は、このまま我慢するしかないではないか。あなたはなにを言おうとしているのか? わたしにはわからない」
わたしは、少し腹が立ってきていた。
「面白い」
「続きが気になる。続きを読みたい」
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