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第二十五話 友達

それから二週間が経った。


ノーナさんたちは相変わらずわたしを無視しつづけている。


この二週間の間に、わたしについて、


「男好きで浮気症」


「贅沢好きで、わがまま」


「殿下を誘惑し、骨抜きにしようとしている嫌な女」


という嫌な噂が流れてくるようになった。


これは、ノーナさんが流しているということではなくて、自然発生しているようだ。


それだけ殿下と毎日昼食をとっているわたしのことに嫉妬する人が多いということだろう。


それにしても、ここまで事実に反していることを言われると、笑いたくなってくる。


浮気をされ、婚約破棄までされたのは、わたしの方。


贅沢はしないようにしているし、人にやさしくしたいといつも思っているのに、どうしてわがままだと言われるのだろう。


わたしは殿下のお役に立ちたいと思っている。骨抜きにしようと思ったことなど一度もない。


これらについて、いちいち相手をするわけにはいかない。


それにしても、我ながら「四面楚歌」に近い状況になっている。


もし殿下のお誘いを受けていなければ、多分、こうしたことはなく、平穏な生活をおくれたに違いない。


しかし、それはもう言ってもしょうがない。


こういう状況になった以上、乗り切っていくしかない。


わたしは、初登校以来、ずっと微笑みを絶やさないでいた。


わたしだって、無視されて、嫌な噂をたてられているのだから、腹も立つこともある。


それを我慢できているのは、殿下の存在が大きい。


殿下とおしゃべりをしている時は、すべての嫌なことを忘れることができる。


わたしは、殿下のことがどんどん好きになっていく。


殿下もわたしのことを好きになってくれているとうれしい。


クラスの方では、孤立をしていたわたし。


このクラスには、三つの大きなグループがある。


ノーナさんのグループが一番大きく、後の二つのグループは、ノーナさんの影響を強く受けている。わたしを無視することについて同調するなど、ノーナさん主導で共同戦線を張ることは多いようだ。


しかし、ノーナさんのグループが優位だとはいえ、決して従属的な関係にはなっていない。


反発し合うこともあるようだ。


プライドが三人のリーダーとも強いので、ノーナさんがこの三つのグループすべてを支配するのは難しそうだ。


こうした三つのグループが存在するわたしのクラスだが、どのグループにも属していない人もそれなりの数がいる。


この人たちからも、わたしは無視される状況になっていた。


しかし、毎日、微笑みを絶やさず、一人一人にあいさつを丁寧にしていた。


わたしは、このクラスの人たちと仲良くなりたいと思う気持ちは強かった。


その思いが通じ始めたのだと思う。


わたしは、まずその中のブルグラン公爵家令嬢クラディナさんとあいさつをし合うようになり、少しずつおしゃべりをするようになった。


わたしは、


「わたしとおしゃべりをして、クラディナさんも無視されたりしない?」


と言ったのだが、クラディナさんは


「このクラスは、ノーナさんたちだけのものじゃないし、わたしはセリフィーヌさんと友達になりたいと思っているからおしゃべりをしようとしているの」


と言ってくれた。


わたしは、力強い味方、そして力強い友達を得た気がした。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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