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第二十三話 心が殿下へ傾いていく

今日は初登校日だった。


部屋で紅茶を飲みながら、今日のことを思い出す。


いいこともあれば嫌なこともあった。


いいことは、殿下と一緒に昼食を食べ、おしゃべりができたこと。


嫌なことは、高貴な令嬢ノーナさんとその取り巻きに嫌味を言われたこと。


それにしても、ノーナさんが言った、


「あなたがそう言うなら、それ相応の対応をさせてもらうわ」


という言葉。


これは思い出す度に微笑みを誘われてしまう。


きっと明日から何らかのイジメをその取り巻きと一緒にするのだろう。


まあ、多分よくある話だと思う。


普通だったら、そう思うだけでも心に打撃を受けるところだろう。


もちろん打撃を受けなかったわけではない。


どんな人とも仲良くしていきたいと思っているのに、うまくいかないからだ。


しかし、わたしは、ラフォンラーヌ公爵家で既に、継母と異母妹との対応でつらい思いをしてきた。


そして、先日は、生命を失うところまで行く経験をした。


そうしたつらい経験をした人間からすれば、イジメがあってもある程度は耐えていけるだろう。


もちろん耐えるばかりではない。


度を越したと判断すれば、その時は戦うつもりだ。


ただそういうところまで行くのは避けたいと思っている。


とにかくわたしはみんなと仲良くしたい。


そう思いながら、わたしは、また紅茶を飲むのだった。




わたしは、その後も毎日、昼食を殿下と一緒に食べていた。


楽しい時間だった。


わたしの心は殿下に傾いていく。


殿下の方も楽しそうだ。


殿下の方もわたしのことを好きになり始めている気がする。


わたしは、生命を救けてくれて、楽しい時間を過ごさせてもらっている殿下の力になりたいと思うようになっていた。


しかし、婚約者になりたい、というところまでは到達していない。


どうしても、婚約を破棄された心の傷がある。


殿下と婚約したとしても、また婚約を破棄されてしまうのでは、と思ってしまう。


それが恋というところまで到達できない大きな理由になっている。


それでも、少しずつではあるものの、ただ力になるだけでなく、殿下のそばにいて、癒すことのできる存在になりたいと思うようになっていた。


それには様々な知識が必要になってくる。


そして、性格もよく人望の厚い殿下にふさわしい人間にある必要がある。


わたしは、もっともっと勉強しようと思った。


様々な知識をもっと身につけようと思った。


その中でも大切なのは、この王国についての知識。


今までわたしは、内政について学び、お父様に助言をしてきた。


その経験を生かし、殿下にこの王国の内政について、機会があれば助言をする。


それが殿下の力になれる大きな道の一つだと思った。


その為には、王国のことをよく理解することがあるが、わたしはまだこの王国のことを良く知らない。


殿下に助言をする機会があるかどうかはわからないが、その時、いつでも助言ができるようにしたい。


わたしは、この王国についての知識も、もっと深めていこうと思った。


そして、性格をもっといい方向にしていく努力も必要だ。


今までよりもさらに人にやさしい気持ちで接するようにし、心を穏やかにしていく。


そうすることによって、より一層性格をよくしていこうと思った。


しかし……。


こちらの方は、なかなかうまくいかなかった。


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