トイレットペーパーやティッシュが店から消えた日〜なぜ1970年代のオイルショック騒動のような事態が令和の時代に繰り返されたのか〜
先日の昼、スーパーや薬局に行ってみたら驚いた。
トイレットペーパーやティッシュがどこも売り切れになっていたのである。
コロナウィルスの影響で中国から原材料が輸入できなくなり、紙類が不足するというデマのせいで、あちこちでトイレットペーパーやティッシュの買い占めが起きている事自体は前もって知っていた。
ただそれは都会に限った話で、自分が住んでいるような片田舎には関係ないと高を括っていた。まして全国規模で広がるとは思ってもみなかったのだ。
もっとも自分は一人暮らしであり、備蓄もあるので当面は問題ないが、家族の多い方はさぞ大変かと思う。
すでにそこら中で指摘されているかもしれないが、日本の紙製品のほとんどは国産であり、中国で原材料が輸入できなくなったところで大した影響はない。つまり日本の紙生産は依然として安定したままなのである。
なのに、なぜ70年代のオイルショック騒動のような出来事が起きてしまったのか。
自分は当時の騒動を経験したわけではないが、調べてみるに、あの時は中東で戦争が起きていたようで、原油価格が高騰していたらしい。
結果、紙不足が懸念されたそうなのだが、それをマスコミが煽ったせいでさらに消費者を不安にさせ、みんなして買い溜めに走るという騒動が起きたようだ。
ちなみに当時も紙生産は安定しており、トイレットペーパーやティッシュが不足するなんて心配は一切なかった。しかしながらデマに流された消費者達が買い溜めに走ったおかげで、全国のスーパーからトイレットペーパーやティッシュが一斉に売り切れになったのが事の真実のようだ(むしろこの騒動で生産が増えたとも聞く)。
翻って今回のトイレットペーパー騒動だが、どうやらネットが端を発したようだ。現代らしいと言えば、らしい原因ではある。
しかし、あれだけオイルショック騒動当時の内容をテレビで紹介しているだけでなく、小中学校の教科書にも載っているような事が、なぜこの令和の時代に起きてしまったのか。
第一にコロナウィルスの鎮静化が一向に見えない状況に不安視した誰か──おそらくは主婦層だとは思うが、また聞きの情報を鵜呑みにしてそのままネットに流してしまったのだと思う。もしくはどこかで見聞きした情報を誤解釈した誰かが、慌ててネットに書き込んだという線もあるが。
第二に、三月二日から全国の小中高が一斉に休むになると聞いて、今のうちにトイレットペーパーやティッシュを買っておこうとする皆を見て、コロナのせいで紙が不足するかもしれないと深く考え過ぎたせいもあるだろう。
第三に、いつでもどこでもネットが利用できるこの時代──たとえデマだとわかっても、デマのせいでトイレットペーパーやティッシュが無くなるかもしれないと、ネットの情報を見た人達が慌てて買いに行ったがために、今回のような悪循環が生じてしまったのだろう。
そして第四に、人手不足の問題だ。在庫はありながら配送する従業員が少ないがために、満足に商品が行き届いていないという問題や、その他にも輸送する者がいない等の問題が起きている。
つまりところ、情報に流されやすい日本人の国民性が今回の騒動を招いたのは言わずがなであるが、喉元過ぎれば熱さ忘れると言わんばかりに過去の手痛い失敗──オイルショック騒動の件を忘れてしまうあたり、平和ボケの弊害がこういった形で出てしまったのも原因の一つではある。
何にせよ、今回の騒動がデマではあるのは確かだ。ゆえに消費者である我々は、必要以上の買い溜めをせず、周囲に迷惑が掛からないよう、冷静な対応すべきなのは言うまでもない。
三月四日 第四の原因を加筆修正。