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プロローグ
これはとある春の出会いと別れの物語である。その過程にあった様々な紆余曲折かつ複雑多岐、そして迷惑千万な神達の起こした出来事を無視してしまうとこのように簡潔になってしまうが、しかしこの物語のメインはやはり一人の人間と一人の神の出会いなのである。
事の発端は春のあの日である。太陽が燦々と煌めく中、中学入学から3年目となるこの通学路を僕は歩いていた。今日は四月だというのに気温がやけに高かった。地球温暖化、という言葉も最近少しずつ息を潜めてきたがやはり我々はエコロジーな生活を心がけねばならないのでは、と考えながら袖を捲っていると腕時計と目があった。時計は7時30分を示している。このまま学校にまっすぐ行ってしまうと8時20分ごろ学校に着いてしまう、という重大な事実に気付き急遽コンビニに行く事にした。通学路から道を外れ、路地裏を通りコンビニに到着したのだが、一つだけいつもと違うことがあった。コンビニの自転車置き場に、真っ白い人側が倒れていたのである。