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プロローグ

 ごきげんよう。初めまして。神です。絶世の美女こと神です。

 突然ですが、皆さんは、異世界転生についてどう思いますか?

 私こと神はとても面白く存じます。

 え? 何故かと聞かれますか?

 それは、これから皆々様がご覧になられる異世界を見ていただければ、すぐにお分かりになるかと思いますよ。

 それでは、お楽しみください。案内役は神である私が務めさせていただきます。


「すみません。さっきからどうしたんですか?」


 ――っとあらあら、目の前の少年が困った顔をしていますね。

 黒髪で特徴のない顔立ちは、まさに地味で冴えない非モテ男児!

 ですが、こんな彼も異世界に行けばモテモテハーレム間違いなしなんですよね。


「あの……聞いていますか?」


 トラックに跳ねられて即死の哀れな彼も今をもってして、異世界に転生するわけですが。

 果たして、どのようなドラマを見せていただけるのか、今からワクワクです!

 やはり、ハーレムを築くのでしょうか? それとも一匹狼でスローライフ?

 いやいや、知識を使って料理屋を営むのでしょうか。

 とりあえず、規格外の魔法やら能力やら適当に与えて、とっとと異世界送りしちゃいましょう!


「おーい! 聞いてますか!! 俺の声、聞こえてますかー!!」


 それにしても、さっきから煩いですねこの人は。

 なんなんでしょうか。声を発しないと死ぬんでしょうか?

 あ、この人は既に死んでいましたね。テヘ。


「すみません。では、遅れながら、貴方を異世界へと送ります。どうか、悔いのない良い人生を――」

「え、あ、はい。ありがとうございます」

「あ、それとくれぐれもお気をつけて下さい。何せ、あの世界は……――。いえ、何でもありません。どうか楽しんでください」


 と、それっぽいことを言ってちょっと濁します。

 なんだかすごい意味深な言葉を送りました。

 果たして、彼はどんな反応をするのでしょうか?


「えっと、良くわかりませんが任せて下さい!」


 ブフォ! 何言ってんでしょうね。笑えます!

 本当は何もないのに! 特に深い闇とか、重い設定とかないのに!

 いったい何を任せればいいのでしょうか?

 あれですかね。子作りですかね? 少児化問題に一手貢献でもするのですかね。

 だったら、死ぬ前にしてもらいたいところですよ。全く。


「ふふ、面白いお方」

「えっ」


 いや、本当に面白いですね。なんで赤面しているのか謎すぎますが。

 と、まあ、そろそろ異世界に送りますか。


「秘儀! 異世界送り!!」

「ぐほあ!?」


 我ながらの命名を叫び、勢いよく彼の溝にブロー!

 そのまま、意識を失った彼を天界から突き落とします。

 こうして、彼は約五十年後に異世界へと辿り着くことでしょう。

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