狭いね...
新社会人として地元埼玉県を飛び出し。
薫はいよいよ会社の本社がある、福島県の郡山市へと引っ越す。
「次の郡山、出口です」
ナビの声に従って高速道路を降りる。
周囲はのどかな街並み。
俺は近くのコンビニで小便を済ませコーヒーとパン、歯ブラシを購入。
再び車で30分、ブルー自動車部品工業の研修センターに到着。
入り口で部屋の207号室の鍵を受け取り部屋を探す。
「みーつけた!!!」
部屋の扉開けてびっくり。
四畳の畳に二段ベット。
エアコンはないが、昔ながらのオイルヒータ(スキー場の宿とかについてるアレ)
「狭いねー(笑)相部屋ってマジかよー」
車から部屋に布団とカバンを運び、エントランスで一服。
すると、同様に研修生がやってきて話し出す。
「105号の鈴木です。ヨロシク。」
「201号の風間です。」
ってな感じで自己紹介タイム突入
「207号の鳴海です。」
自己紹介を終えるとさすが皆、自動車部品会社に就職しただけあって車の話を始める。
そんななか一つの質問が飛んできた。
「鳴海さんはこの会社で何がやりたいですか?」
...困った。やりたいことが具体的に出てこない。
俺は何となく大手企業に就職が決まり給料も安定するし、何となく来てしまっただけなんだが...
「...じっくり研修中に考えるよ。」
そんな、曖昧な返答をして俺はエントランスから部屋に戻って行った。
お昼時、俺は買ってきたパンを一人で食べていると部屋の扉が開いた。
相部屋の相方の到着。
「石田です。これから研修期間ヨロシクな♪隣座って良い?」
がたいの良いスポーツマンって感じの人。俺が体育座りしていた隣に座る。
四畳の部屋に二段ベット、野郎二人の体育座り
「......狭っ!!」
この物語の登場人物はフィクションです。
でも、っちょっと実話も盛り込んでいます。