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醜悪

翌日


俺はアマノイワト社に向かい、再び最上階の会議室にいた


「答えが出たようだな」


アマノイワト社 社長のアゲハが聞いてくる


それにしても高圧的でどうもこの女は怖い

まぁだからこそ武器を開発するような会社の社長が務まるのだろう


「俺は、もう一度戦います

俺をリベウスにしてください」


声を張って俺は答えた


どんなきついことだろうと耐えてみせる

その覚悟で来た


「よかった。ありがとう

早速で申し訳ないが君には検査を受けてもらう

おそらく明日には手術を受けてもらうことになるだろう」


その後、俺は脳波の測定やら血液検査やらよくわからん検査やら色々受けさせられた


夕方、検査も終わり用意された個室でカナが小腹が空いた時用にと作ってくれたクッキーを食べていると


「キョウさん。急いで荷物をまとめて裏口へ来てください!

国連極東管区本部に移動です。手術はそこで明日行いますから」


いきなり研究員っぽい男が駆け込んできて怒鳴るように言って去っていった


全く、ノックくらいしろよな

そんな風に少しムカッとしたけど、そんな余裕もない理由がすぐわかった


パリーンっ


窓ガラスが割れることが聞こえてきた


ついにリベリオンが地下に侵攻を始めた…

というわけではなくデモが起きたのだった


「リベリオンを生み出したポラウスの人がのうのうと生きていることを許すな!


ポラウスの人間がここで暮らす権利はない!」


リベリオンの元凶はポラウスが開発したウイルスと言われている

ポラウスに住む一般人は騒動の中各々の故郷の国に強制帰還を余儀なくされ、この渋谷シェルターは特に日本出身のポラウスの人間が多いという


もちろん、ポラウスの人間は自分がポラウス出身であることは隠して生きてきた


だがそれゆえこういったデモが未だに起きることがある


そのやり場のない怒りは基本シェルターを管理する国連かほぼ属しているといえるアマノイワト社に向けられるというわけである


とりあえず俺は荷物をちゃっちゃとまとめて裏口へ向かった


その時


キャァァァァ


甲高い叫び声が聞こえたと同時ガス臭い臭いが漂い始めた


「おいっ、ここは天下のアマノイワト社だろ!

武器の一つや二つあるだろ?早く出さないとこの女の命はないし、ここで火をつけるぞ!今漂い始めたガスはよーく燃えるからな、ポラウスの人間もろともこの街は酸素がなくなっておしまいだぞ?」


デモの首謀者っぽい筋肉質な男が正面口に突入してきてわめき散らしている


どうやら受付の女を人質にとったらしい


ふざけてやがる、いま人類は人類同士が争う余裕なんて全くないのに


迷う暇もなく俺が男の方へ向かおうとした瞬間だった


ドカッ


うぐっ…背中に鈍い痛みが走り気がつくと俺は吹っ飛ばされて倒れていた


痛みに耐えながらさっきの男の方を見てみた


「このクソガキがっ」


男もうずくまっている


男の奥に少女が立っていた


女の子は見た目カナと同じくらいに見えたが茶髪のポニーテールでカナより大人びた体格をした少女だった


中高生の可愛らしさを残しつつ、大人の女性の顔をしていた


ただ、普通の中高生と大きく違うのはぴっちりしたボディスーツを着ている、ということだった


(アゲハさんに似ている…)


俺はそう思った


ボディラインが強調されて少し目のやり場に困っちゃうなぁとほんの一瞬考えてしまったが、そんな考えを吹き飛ばすような光景が一瞬で起きた


男がライターの火をつけようとした瞬間、その少女はライターを片手で掴み握力だけで破壊した


そして男の周りにいたデモ隊員が彼女に近づいてきた瞬間正しく彼女はそいつらをはっ倒した


多分全部で3秒くらいの出来事だった


そしてこの出来事と彼女の着ているものを見て俺は思った


「これがリベウス…?」



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