表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

地上の明日

「現在、午前5時30分、日の出まであと15分です」


通信が行われる


「第1部隊、最前線部隊全員台場地区に進入、これより通信を切断する模様とのことです」

「第2.第3部隊配置につき、爆薬セット完了」


各部隊の最終状況チェックも完了していく


「了解、これより第4部隊も通信切断、潜水艦の攻撃開始とともに突入する。必ず成功させるぞ」


俺の所属している第4部隊隊長の命令が聞こえた


「了解、通信、オフライン確認…」

俺自身の心臓の音がドックドック聞こえる。まぁ無理もないよな、人類より賢いヤツらに戦いを挑むわけだし


ーーーーーー


今から5年前、ヤツら…「リベリオン」と呼ばれる殺戮兵器が誕生した。というのも、ある程度の人工知能を持つAIに対し、人類を殺戮するために自ら思考、発達させるためのプログラム、通称「トレイウイルス」が拡散し、書き加えられていった。要はタチの悪いコンピューターウイルスが急速に世界中に広まったのである。


発達した現代社会において、そのウイルスは人類の脅威となった。人類は45年前行われた月面都市ポラウスの独立を巡る小規模核戦争、第三次世界大戦の時の地下核シェルターを改良し、そこへ避難した。


しかし、人類はその9割は収容し終える前にリベリオンによって拉致、殺害された。そしてウイルスが広がり始めて1年で人類は地上を失った。


このふざけたウイルスの根源はポラリスの軍事部が作り撒き散らしたものである、と国連によって人類が地下に定住し始めた4年前に発表された



そして今日、旧羽田空港及び台場地域奪還作戦が行われようとしていた。世界大戦時の要塞基地である台場地域を奪還すれば地上奪還の一歩になる、と上層部は考えたのだろう。


噂では人類最後の地上奪還戦らしいが


ーーーーーー


ドドーンッ、ドドーンッ


俺が操縦する「アマテラス」が一歩一歩進む


人類は対リベリオンのために2年前開発した操縦型二足歩行人型戦闘ロボット 通称「アマテラス」に2人一組で乗り込み戦う。このアマテラスはおよそ10メートルの高さの人型で頭の部分が操縦室になっており、前に座る人が操縦、後ろでミサイルや弾幕の発射を管理する。そして、腹の部分に武器を多数収納してあるのである。いわゆるロボットアニメに出てきそうな形をしているわけである


今回、俺、キョウが操縦、士官学校の時からの親友のダイチが兵器の担当であった


「ダイチ、正直この作戦上手くいくと思うか?」

「キョウお前何言ってんの?上手くいくかじゃなくて必ず成功させるんだよ、地上を奪還して俺はまた綺麗な星を眺めたいんだ」

「あぁ…すまん」


俺もダイチも地上に偵察及び訓練で何度か来ているがそのたびに仲間が必ず1組は死んでいくのを見てきた

それが今回地上奪還作戦なんて大きな作戦である。

俺は正直死を覚悟していた


午前5時40分、俺たちは旧フジテレビのあたりにて、一台のリベリオンと遭遇した


リベリオンは様々な姿をしているが俺たちが見つけたのは大きさは5メートル程度の人型、元々は車か電車か何かの乗り物だったと思われる部品が少し確認でき、腕は日本刀のような刀型をしていた


リベリオンを発見したと思ったら気がついたら全身にもの凄い衝撃が加わりそのまま気を失った



あれから何時間経ったのだろう

気がつくとあたりはもう暗かった。アマテラスは倒れて操縦室には穴が空いていた

ふと何があったのか思い出しダイチの方を見た


しかしそこには何もなかった


というより、人の形をしたものは残っていなかった

操縦室をよく見るとダイチの血で染まっていた


俺は親友を失ったというのに涙は出なかった。ただ恐ろしいものを見たことで吐き出してしまった


「落ち着け…落ち着け…ここは戦場だ…とりあえず基地に戻って報告しよう」


心臓が破裂する勢いでバクバクなっている。


「俺が見たものはダイチじゃない。ダイチじゃない。何か別の何かだよ…今はそう思えよ!、今は…」


今思うと俺はあまりにも気が動転していて親友の死を実感する余裕もなかった


「キョウ、お前には何ができる…何が…まずすべきことはなんだ…」


俺は自分自身に問いかけた


「とりあえず安全な場所に逃げよう、な、ダイチ…」


そして、俺は操縦室を出てただひたすらヤツらに気づかれないことを祈って1人で夜の「台場」を歩いた


地下への入り口の一つである旧東京テレポート駅はたった5分で着いた。恐らくアマテラスごとある程度の距離吹っ飛ばされて駅にたまたま近づいたのかな。


駅に着いた途端、張り詰めていた糸がプツンと切れるかのように俺はまた気を失った


後で聞いた話なんだけど、駅に着いて気を失った俺はアマテラスに刺さった際に欠けたリベリオンの刀の破片が刺さったダイチの腕を掴んでいたという…





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ