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第0話:新人類

 ーー人は言った。「それ」らは化け物だと。


 ーー人は言った。「それ」らは触れてはならなかった存在だと。


 ーー人は言った。「それ」らは存在しないはずの化け物だと。





 すべての始まりは誰にも分からない。

 誰も覚えていない。



 「それ」ら地球の始まりから存在したのか、それとも人類誕生後に誕生したのか。

 分からない。




 歴史に刻まれた大小の歪みの中心には必ず、「それ」らが存在していた。




 「それ」らが表舞台に立ったのは25年前。



 人類は知った。



 昆虫や動物に天敵が存在するように、


 人類にも天敵が存在することを。



 「それ」らは人類にこう呼ばれている。


 新人類、と。




 これは人類が敵と見なした存在の物語。

 これは人類を餌と認識した存在の物語。




1


 

 新人類の数は人類の1000分の1ほど。



 25年前まで新人類は人類に紛れて生活していた。食事は1ヶ月に一回、お腹がすけば人類を殺して食べる。それが新人類の食事だった。


 新人類の餌となった哀れな人類は行方不明とされ捜査を打ち切られるが、それはただの警察だ。


 しかし、対新人類特殊警察は違った。

 彼らは新人類を滅ぼす事を目的とした秘密警察、だ。

 特殊警察は犯人を見つけることは出来たが捕まえられることはなかった。

 何故なら捕まえてしまったら、何らかの方法で世間に新人類のことを知られてしまう可能性が高くなるからだ。


 しかし今から25年前。ある事件がきっかけで人類のほとんどが新人類を認識した。

 その事件とは「新人類による人類殲滅計画」である。


 その日の午後2時00分。

 新人類の組織、[デスオアデッド]の戦闘員を名乗る2人組が東京都にある警察本部を襲撃。圧倒的な戦闘力で警察本部は僅か3分たらずで壊滅。

 その後、「新人類による人類殲滅計画」の声明動画を本部長の死体の上に置き、2人組は消えるようにして去っていった。


 その1日後、対新人類特殊警察は自分たちの存在を明らかにした上で、[デスオアデット]の「新人類による人類殲滅計画」の声明を公表。

 人類は、新人類や「新人類による人類殲滅計画」の事を知ると、恐怖に陥り、その存在を隠匿していた政府の上層部や対新人類特殊警察を批判した。


 政府や対新人類特殊警察はそれを正式に謝罪した。

 その後政府は東京を対新人類の都市とする事を公表し、東京は要塞と化した。


 しかし、新人類と人類を見分ける方法は、新人類が本来の姿に戻った時にしか無い。そのため、新人類が食事のために人類を殺害した時にしか新人類を見つける方法は無く、要塞と化した東京は意味をなさなかった。

 それに加え、新人類の戦闘力は人類に偽装している時でも人類を遥かに凌駕する。




 新人類は人類に偽装している時にも圧倒的な身体能力と再生力があり、人類の最大の武器と言ってもいい銃器はほとんど意味をなさない。

 それに新人類はある特殊能力を備えている。それは新人類が本当の姿になった時に限り発動出来る。


 その特殊能力とは体がある物に変化するのだ。

 変化する物は新人類によって違い、

 砂や鉄のような物質だったり、蜘蛛や猿のような動物に変化する。

 あくまで噂程度だが、強い新人類の中には液体や気体といった実体として捉えることが出来ないものに変化する者がいるらしい。


 そんな圧倒的な戦闘能力を持つ新人類にその当時の人類は対抗できなかった。

 しかし人類はある物質を発見する。それは新人類の死体である。

 新人類は死ぬと体が未知の金属へと変わる。それを加工し、武器にした結果その未知の金属は新人類の再生力を一時的に低下させる効果があることが判明した。


 しかしその金属は貴重であるために、銃の弾丸をその金属にしてばらまくわけにはいかない。

 そのため、使い捨てではなく何回も繰り返し使えるように剣や槍に加工し、対新人類の武器にすることで戦闘力不足を補うことに人類は成功したのだった。



 その武器により現在は新人類が正面から攻撃してくる事は無くなり、睨み合うだけの状態が続いた。




 しかし、ある1人の新人類の誕生によって、一時的に止まっていた新人類は再び動き始める。。

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