○昼休み、賑やかな笑い声○
〇吉昭side〇
亜利ちゃんなに言ってるの....
と思ってると、愛沙ちゃんが。
「ミートボール1つごときに....」
と、呟いた。
その後に続いて、綾ちゃんが。
「同感」
と、1つ卵焼きを食べながら返事をした。
「食べ物と女の恨みが怖いんだって、亜利の口癖よな」と后也くん。........確かに。
飛悟くんはそれとは違い一時期あまり話さなかった。人見知りらしい....?
でもそれからもあまり興味を示さなかった。
「あはは....」
と僕も苦笑い。それは心のもやもやを濁すかの様だった。
「平和だな」と呟いた声の主は飛悟くんだった。
「えっ」とついつい僕は聞き返した。
「ミートボール....いつか倍返しだ!」
「何言ってんのよ」
愛沙ちゃんがついつい突っ込む。
あるドラマの決め台詞にでもありそうだなぁ....と少し思った。
「ほら、昼飯食えば?時間無くなるぞ」
大稀くんが言って、また皆周りを囲んで座った。
僕の正面に舞夏ちゃんの右から后也くん、大稀くん、綾ちゃん、唯ちゃん、僕、飛悟くん、愛沙ちゃん、亜利ちゃんという感じで大体決まっていた。
「にしても、のどかだねー。ここも」
「唯ちゃん、いきなりどうしたの?」
僕が聞くと、クスッと唯ちゃんは一度笑って「なんでもないよ」と答えた。
「そう?ならいいや」
僕も釣られて笑った。
確かに平和だなぁと思う。
すると、いきなり
「うわぁぁぁぁぁあ!!!!」
と叫び声がした。
「あ、う、え?!!」
驚き方が曖昧だけどつい....(笑)
なんてことはどうでもいいけど!
また....「ラス1のトマトぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」と綾ちゃんが声を上げた。
皆につられさすがに大笑いをしてしまった。
あはは、と賑やかな笑い声がどこまでもどこまでも高く、青い空に響いた。
天にまで、届きそうなくらい大きな笑い声が、屋上の上に響く。
時間というのは容赦ない。
賑やかな昼休みはあっという間に過ぎていき、チャイムと同時に皆で教室に向かって走り出した。