3/4
3.ママ
「来てくれたのね…」
ママの変わり果てた姿に、私は呆気に取られてしまった。一気に衰え、ぐったりしていて、横に束ねられていた髪の毛も散乱している。菫色の瞳は潤んでいて、呼吸も浅い。今に消えてしまいそうなロウソクのようだった。
「「「ママ(母さん)…」」」
みんな呆気に取られているようだった。どうして一日でこんなに衰弱してしまったの?昨日までは元気だったのに。
「韻、碧音、雅琵。よく聞いて。心配しないで、私は大丈夫よ」
思ったよりも大きなはっきりとした声が出てきて驚く。ママは大きく息を吸った。
「あなたたちには、おとうさんがいるの」
「え?」
私達のパパは10年前、ママが雅琵を妊娠中に亡くなったはず。なのになぜ?
「あなたたちを、あいしているわ」
そう言い終わるとママはロウソクの日が消えるように目を閉じた。一瞬間があって何があったか理解し、涙腺が崩壊した。
「ママ!あああああ!」
何で?どうして私達を置いて行っちゃうの?ショック過ぎて耐えられなかったのであろう、「田村カノンさん、午後一時四十七分、原因不明の重度の貧血で輸血が足りず心配停止」という声がしながら私の体は意識を手放して行った。




