閑話休題:特別授業☆女神エレンのの“わかるような気がする異世界講座”
──バァァァンッ!!
「さーてさてさてっ、みんな元気ぃ!? 世界一キュートな女神、エレン先生のお時間だよっ☆」
──真っ白な教室(※神界製)に、謎の教壇。
そこに立つのは、ぴっちりスーツ&やけに短いスカート&開いた胸元という“セクシーインテリ風”にキメた──我らが問題女神である。
布の面積に対しての主張は皆無。そう、“まな板”の証明。
「おっとぉ~? 今“貧”とか“板”とか言った人ぉ~? 廊下でスクワット10000回ね!!」
いや、その格好で言うなよ。
「ちなみにこのスーツ、ユウくんに“セクシーアピール☆”のつもりだったんだけど~……」
\スライド:俺の過去発言『まな板ワロタ』/
「ゆ゛る゛さ゛ん゛っ!!! ユウくんには神罰あたえちゃいまーす☆」
『やっべぇぞ!? 女神のくせに怒るとマジで怖ぇ!!』
☆第1限目『リュステリアってなんだ?』
「ユウくんたちが冒険してる世界は“リュステリアにあるエーデン大陸”!」
「ざっくり五つの国と、封印された領域があって~……でも大丈夫、覚えなくてよし! 教科書には出ません☆」
「今いるのは“アルスレアン王国”。一番発展してるからって理由で、あたしがここ選んだの~!」
ノリで転生先決めるなよ!? 俺の人生かかってんだぞ!?
☆第2限目『魔法ってどうなってんの?』
「この世界の魔法はね、【火・水・風・土・光・闇】の六属性が基本っ!」
「それに加えて、《禁忌》として扱われてるのが──【死霊魔法】!」
「魂に触れちゃう系のヤバいやつ! だから超危険! だからロマン!!」
「で、ユウくんはなぜかドハマリしてま~す!」
『だからなんで事前に説明してくれなかった!?』
「いや~、使えると思わなかったんだよね~☆」
☆ 第2.5限目『ユウくんの魔法適性は?』
「そろそろ『この主人公、何ができるんだ?』って声が聞こえてきそうだから、まとめいくよっ!」
\スライド:ユウの魔法適性/
得意①:死霊魔法
→ 禁忌カテゴリだけど、超主力!召喚とか魂操作とか使える!
得意②:氷魔法(水系統)
→ サポート・妨害型! 冷却&視界妨害もいけるよ!
「逆に、火・風・土・光・闇は全滅!」
「──って言いたいところだけど、一回だけ火属性スクロールを無理やり発動して~……」
\スライド:ダンジョンの一角が吹き飛んだ現場/
「火起こし目的で、ダンジョンごと爆破しました!!」
『命がけの焚き火って何だよ!?』
☆ 第3限目『称号ってなに?』
「これはね~、あたしがユウくんを観察してて“付けたくなった”称号たち!」
\スライド:称号一覧/
異世界転生者
女神のお気に入り
触手系に反応が良い男
爆裂スクロール浪費者
ラッキースケベ
吸血姫の下僕
「うん、ぜんぶ愛情だから! 詰まりに詰まったやつ!」
『つまらせんな!! 俺の胃袋に!!』
☆ 第4限目『なんで死霊魔法が禁忌なの?』
「死霊魔法ってね、魂に干渉しちゃうから神の領域に触れるってことで──めっちゃ警戒されてんの!」
「で、それを特に嫌ってるのが《聖エレン教会》!」
「……うん、名前に“エレン”ってあるけど、あたし関係ないからね!? 勝手に使って! 勝手に像建てて! 勝手に盛って!!」
\スライド:教会の女神像(爆乳ver.)/
『もはや別人じゃねぇか!?』
「ていうかユウくん、それで捕まったことあったよね。ほんとひどい世界☆」
☆ 第5限目『ユウくんはなんで使えたの?』
「それはズバリ、“魂の資質”!」
「霊魂と共鳴できる特性を持ってたの! 転生前からなんか孤独だったじゃん? それが逆に魂を研ぎ澄ませてたのかも~!」
『おいおい、それはそれで悲しいやつだってば……』
☆ 第6限目『ユウくんとクロエちゃん?』
「ふふふ~~んっ、あたしの推しカップル、ついに動き出しましたね~~!」
「封印を解いたのがユウくんってだけでもう運命! 血の共鳴! 魂の相性! にやにや止まらんっ!」
「……でもねぇ、素直じゃない二人がまた、じれったくて……最高~~!」
『お前が混ぜっ返してるせいだろうが!!』
☆ 補習授業『女神エレンのリアルな1日』
「えっ? 気になってきた? 女神のプライベート?」
「……仕方ないなぁ~、特別に見せちゃう!」
\スライド:女神の1日/
【朝】──11時起床(※二度寝あり)
「時差の都合! 神界はそういうとこ!!」
【昼】──課金ガチャで爆死
「ユウくんのレア出ないってばぁ……!(涙目)」
【午後】──ポテチ&アニメ
「転生モノ、めっちゃ参考になるから見てるだけだもん!!」
【夕方】──転生候補を忘れて大慌て
「この前、魂を間違えてSF鉱山に転生させちゃって~……ま、いっか☆」
【夜】──ユウくんの様子をニヤニヤ見守る
「最近、クロエちゃんと同じ部屋で寝てるし、イチャイチャしてるし……ふふ、控えめに言って最高ですっ!」
『ポンコツすぎるだろこの女神ーーーッ!!!』
「ちがーう!! 世界一キュートで有能な“適当女神”ですからぁ!!」
「ってことで、今日の授業はここまでっ!」
「次回は“女神的ベストカップルの作り方”か“異世界転生にありがちな死亡パターンランキング”をお届け予定~☆」
「それじゃあ、またねっ! エレン先生でした~~~っ!」
──キーンコーンカーンコーン(神界ver.チャイム音)