私とキミが出会った時
皆さんこんにちわん!美羽です。
初めましての方、初めまして。ここでの執筆活動は久しぶりですね。最近やってなかったので間違うことが多いですがすみません……。
今日も私は窓を眺める。
何の変哲もない普通の空。特に思い入れがあるわけでも、外を観察している訳でもない。けれど私が生きてきた中では1番心地が良かった。なぜかは自分でも分からない。
いや、他のものが全て居心地が悪いと言った方がいい。みんなが綺麗だという街並みも、色使いの綺麗な絵も、美しい写真も、別の世界へ行ける本も、勉強勉強とうるさい学校も、家も、車も、音も、光も、友達も、人間も、全部全部嫌いだ。
自然にため息が出た。
でも、朝になると足は学校と向かっていた。信号を超え、電車を乗り継ぎ、バスに乗った。ここまでして、学校に来る意味を私は知らない。でも、体が勝手に動く。何か大事なものがある訳でもないのに。
そして、今に至る。わざわざ知らなくてもいいものを覚えて、急に始まるテスト達。課題と題した”優等生”かどうか測る道具。なんでそんなものをやらせるんだろう。将来役に立つなら覚えるけれど、まだ夢が決まっていない私にとって、歴史や古文なんていらないと思う。
目はいつも窓に向いていた。耳は遠くに聞こえる小学生達の声を拾っていた。授業なんて意味の無いものに、心は向いていない。
「はぁ……。」
ため息は窓の外へと吸い込まれてゆく。
友達や楽しむものが何も無い私には、学校が憂鬱で仕方がなかった。けれど、足はなぜか学校へ向かうのだ。
なにか大事なものがある、と言っているようだった。
その時、ふと目線の先に複数人の男子がいることに気付いた。あの人達は確か同じクラスの人気者達だったはずだ。校庭でサッカーをしているようだったが上手い下手は分からない。別に興味は無い。
視線を上にあげた。今日は雲が少し暗い。けれど太陽は少し出ていて、日差しはサッカーをする彼らを照らしているようだった。
黒い雲の下でただぼーっと外を眺めている私とは、正反対だ。
「パス行くぞ、晃!」
「おう!」
「くそ、ボール取られた!」
「何やってんだよ結翔ー!」
サッカーをしている人達の声が聞こえてきた。
晃、という人は聞き覚えがないので違うクラスだろう。ただ、結翔という名前は聞き覚えがあった。
クラスの陽キャ代表、という感じの男子だった。親しみやすい感じで、優しくて、明るい太陽のような男子。
その時ちょうどチャイムが鳴った。
「よっしゃ、危なーギリ勝ったわ!」
「結翔ナイスー!まぁ最後は危なかったよな。」
「でも勝てたから結果オーライ。シュートナイス!」
楽しそうな会話。自分とは真逆だ。
教室が息苦しかったので廊下へ出る。すると、さっきの男子が居た。そう思った直後、
「なぁ、お前さっきのサッカー見たか?」
いきなり話しかけられた。私は多分彼と話したことがなかったはずだ。なのに、なぜ。
「見た、けど。」
そう言って私は言葉が返ってくるのを待った。すると、彼はとんでもないことを口にした。
「やっぱお前みたいな授業に興味なさそうな人も俺のファンかー!あはは、知らなかったわー!」
怒りが燃え上がるのを感じた。
これが、私と彼が初めて会話した場面だった。第一印象は、はっきり言って最悪だった。
いつも見て下さりありがとうございます!
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