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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
99/174

甘味バンザイ!

活動報告にも書きましたが、いつもご愛読ありがとうございます。


色々、読者様からの意見を取り入れて話を修正していましたが、最初私が書いてみたかった内容に近づけたく思います。


よろしくお願い致します。

 〜現代武蔵の家〜


 「合田君大丈夫かな?」


 「なにが?」


 「だって、浜松に到着したなら多分、家康が出陣するよね?這う這うの体で戻ってくるよね?」


 「一言坂の事言ってるのか?」


 「うん」


 「そうだな。まあまあ厳しいかもな。あいつの事だから絶対に参加するだろうしな」


 「そうなんだよね。合田君は興味なさそうな顔して意外に戦に参加する人だからね。あぁ〜あ。こんな事なら実家にある昔買った時代別の本でも持ってくりゃ良かったぁ」


 「なんだそれ!?」


 「昔、その時代その時代の兵器の事が実物と一緒に書かれている本の事よ。私達が行けたら話が1番早いのにね」


 「そうだな。まさか行けなくなるとは思ってもなかったよ」


 「っていうかこのお札どこかで見た事があるような・・・」


 「うん?お札?あ!それか!確か武蔵が前にも行ってたぞ!なんでも、安倍晴明のお札でその昔、あの写真の武蔵の爺ちゃんと婆ちゃんがどうとかーー」


 「それだ!安倍晴明だ!私の実家でも見た事ある!五芒星は珍しいから覚えてたんだよ!」


 「そうなんだ」


 「ってかなんで、あんな高い所に祀っているんだろう?神様だから同じ目線はダメだけどさすがに天井はやりすぎじゃない?移動させようかな」


 「あ!馬鹿!人ん家のお札をーー」


 ピカーーーーーーーーーーーンッ


 「「うわッ!!!!」」


 「有沙!大丈夫か!?」


 「いてて・・・うん。大丈夫!だけど・・・今のはなに!?」


 「分からない。急に光ったように見えたけど・・・」


 「合田君の家だし超常的な事なのかも。うんきっとそうだ!あれは移動させるな!って合田君のお爺さんやお婆さんのお告げかも!」


 「確かに普通の家じゃないもんな。あれはあのままそっとしておこう」


 この有沙が安倍晴明の五芒星のお札に触れた事で武蔵の窮地を救う事になるが、それはまだ少し先の話。


 


 〜浜松城 本丸広場〜


 「これで全部か?」


 「そうです・・・ハァー ハァー 疲れた・・・」


 「ったく、情けない大将だぜ!」


 「武蔵様!濡れた手拭いです!お身体清めます!」


 「あやめさん!だ、大丈夫だから!自分でできるから!」


 「チッ!こんなところでも惚気るな!ここは他人の城だぞ!」


 クッソ!少しくらいいいじゃないか!


 オレは少し休憩した後、みんなに持って来たコーラとシュークリームを渡す事にした。

 

 まずは戸とポケットWi-Fiを持って来てくれた竹中さん支配内の一郎さんって人と二郎さんって人だ。この2人は顔を隠しているけどなんとなく分かる。


 「この度はありがとうございました。ってか2人って兄弟ですよね?目元しか見えないけど似てますよね!?」


 「「え!?」」


 いやいやそんな驚く事か!?


 「武蔵はそれだけで分かるのか?」


 「いや、慶次さんも分かるでしょ!?」


 「オレのまなこに映るのは戦と酒、女だけだ!野郎は興味がない!」


 聞いたオレが馬鹿だったわ。この本能丸出しスケベ男が!


 「まぁとにかく、食べて飲んでください!今はこれだけしか渡せませんがこれからもよろしくお願いしますね!」


 「あ、ありがとうございまする・・・これはどうやっていただく物で?某は初めて見る物でございますれば」


 カチャカチャ ペリ


 「こうやって袋を破きます。切れ目があるので簡単ですよ!あっ、この袋は回収しますね!それでこうやって食べるのですよ!ってか、美味ッ!あっ!これ・・ローズショップのシュークリームじゃん!あやめさんも前に食べたの覚えてる!?」


 「まぁ!?あのショートケーキが美味しかったお店ですか!?」


 「そうそう!シュークリーム初めて食べたけどめっちゃ美味いわ!」


 あっ・・・確かこれ里志君が・・・


 『これはコンビニのやつじゃないから武将とかお偉いさん用のシュークリームだからな!こっちはみんなに渡す方のシュークリームな?』


 と言ってたの忘れてたわ。まっいいか。オレはこの人達を労いたいわけだし。


 「合田様!大変美味しゅうございます!こんな甘い物初めて食べました!」


 「俺も初めて食べた!おい!武蔵お代わりだ!」


 「嘘ばっかり!慶次さんは食べた事あるじゃん!岐阜の家の冷蔵庫に入れてあった箱のシュークリーム無くなってたの知ってるんですよ!?'敢えて'なにも言わなかったですけど!!」


 「よし!腹も満たされた!コーラも飲んだ!見回りだな!おい!小川の爺!行くぞ!」


 逃げたな?調子のいい人だ。



 一応オレはそんな格は高いわけではないが、所謂・・・雑兵の人達よりかは上になるわけだ。


 そのオレが徳川家の足軽の人達が居る広場で織田家の伝令役や小荷駄の人、槍衾隊の人達、足軽の人にコーラやシュークリームを渡し、みんなが『美味い!』や『甘い!』『効くぅ〜』とか言えば自然と注目を浴びる。


 その中に居る、とある部隊の1人・・・


 「某、徳川軍 本多忠勝様の与力 河合政光 支配内の吉之助と申します。織田軍 小荷駄隊の合田様とお見受け致します。その黒い水はなんですか?上方の酒ですか!?」


 クッソ長い名前の説明をされたわけだが・・・。


 「はい。オレが合田武蔵です。これは酒ではなく甘くてシャワシャワする飲み物ですよ。お渡しする予定でしたので一杯どうぞ。あやめさん?伊織さん?紙コップに一杯ずつ渡してくれます?オレは城に行かないといけないので!」


 「「はっ!」」


 オレが城に行こうとしたがこの吉之助さんが・・・


 「美味い!口で暴れおるぞ!これはなんという飲み物で!?」


 「え!?それはコーラと言います!じゃあオレは城にーー」


 「ではこちらの、ふにゃふにゃした物は!?先程甘いと聞こえましたが!?」


 「それはシュークリーム!食べたら分かります!じゃあ失礼しまーー」


 「これとこれの形が少々違いますが意味はあるのでしょうか!?どちらを食べればよいのか・・」


 このおっさん・・・しつこい!行かせてくれないんだが!?


 オレとこの吉之助さん達が問答していると更に人が集まる。以前、岐阜で商いした2日目を思い出す。


 まぁそこから質問攻めだ。オレは基本誰であろうと質問されれば答える。何故か褌一丁のおっさんも居たが、見ただけでその人より格が上だと言い切れるがオレはちゃんと受け答えしている。


 「織田のお武家さんは中々美味い物を食べておるのぅ」


 「ははは。ここでしか食べられませんよ」


 もう人に揉まれて本丸に続く道は行けなくなった。


 すると立派な甲冑を着た人達が現れた。


 先に城に入っていた竹中さんや本多さん。そして・・・家康さんだ。

 

 「これは何事だ!?何をやっておるのだ!!!」


 「殿!殿もお食べください!合田のお武家さんがくれたしゅうくうりうむなる甘味が非常に美味です!」


 「馬鹿者!今は戦中だぞ!貴様河合家の者だったな!?後でキツく言っておく!反省しておれ!」


 ブラックすぎる。まぁあの中々解放してくれない吉之助さんは怒られてこい。それくらいがちょどいい。まぁ後でオレからも一言勘弁するようにくらいは言ってあげよう。


 「ほほほ。またまた見た事ない物をお持ちしましたか」


 「全員とは言えないかもしれませんが小休止にちょうどいい大きさの甘味と飲み物です。竹中様もいかがですか?」


 「ほほほ。徳川殿?ここは私の顔に免じてーー」


 「ならぬ!貴様!ここは徳川殿の城だろうが!なにを誰の許しを得てやっているのだ!」


 そう怒鳴るのは佐久間さんだ。


 オレはこの人が嫌いだ。おべんちゃらを言い、プライドの高い差別感情の高い人だ。


 「まぁまぁ佐久間殿もそう言わず・・・先の長篠では1射で3殺はするくらいやる男ですよ?この合田殿は」


 「ふん。ワシが見たわけではない!おい!今後勝手な行動はするな!お前はワシの下だ!覚えておけ!」


 クッソ!みんなの前で馬鹿にしやがって!決定だ!この人には一切未来の食い物飲み物渡してやらん!

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