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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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内乱の兆し

 9月29日・・・オレはこの日に到着するものかと思ったが勘違いしていた。この日に出発したということだ。


 しかも9月29日は金曜日・・・土曜日、日曜日と休みのオレは週末戦に参加となる。これまた凄いタイミングだ。


 どうやら、竹中さん含め佐久間さん、平手さん、オレ、水野さん。オレ以外はみんな後世に名前が残る人達が揃っている。


 現状、長篠城に居るのは竹中さんとオレ。ちなに当初は羽柴さん、森さんなんかもこちらに来る予定だったが、ファッキンサノバ浅井とファッキンサノバ朝倉が近江で軍事行動を始めたらしくそちらの対応になったのだ。


 佐久間さん、平手さんは浜松城詰め。特に信長さんは佐久間さんに家康さんが野戦を仕掛けないように見張るような役目も言われているらしい。


 そして水野さんは水野信元という人で、どうも尾張から三河にかけてそこそこの勢力を持つ総領らしくその一族総出で東美濃の岩村城を防衛しているとの事。


 やはり未来に伝わる説が本当のように思うが・・・だが・・・


 「報告します。武田本隊は昨日甲府を出発。総兵力8000は超えているかと・・・」


 「ふむ。どちらに向かっておるのか?」


 「はっ。青崩れ峠を越えるかと思われます」


 「う〜む。巧妙な陽動か。念入りに3年も掛けて準備した武田信玄公がよもや8000の兵で進軍はせんだろう。やはり駿河から遠江に入るか」


 竹中さんはその説の方も分かっているような口振りだが・・・


 「し、失礼します!」


 「はいはい。どうぞ」


 「山県昌景の旗印、約3000がここ長篠に向かっております。明朝に相対するかと・・・」


 「うむ。よろしい!私の思惑通りだ。お前は休んでおけ!長篠の伝令兵はいつでも発てるように言っておけ!下がれ!そして、其方は小休止した後、再び浜松に出向いてもらう」


 「はっ。伝える事はなんでございましょう?」


 「我等も浜松に向かいます」


 テキパキと竹中さんが2人の伝令役の人に指示を出していたが耳を疑った。オレは長篠を守るかと思ったんだけど!?


 「竹中様!?オレ達はここを死守するのではなかったですか!?」


 「ほほほ。昨日も申したでしょう?あなたは小荷駄隊ですよ?それが大殿に任務報告もせず一度は帰宅・・・おっと失礼。なにか大きな手柄を立てなければ叱責だけでは済みませぬよ?それに事ここに至ってはあの軍神と言われるお方と何度も死闘を演じておられる武田・・・大きな作戦を立てなければ遠江は武田に取られてしまいます。そうなれば大殿と武田は向かい合う形になります」


 いや確かに長篠には奥平さんを残してオレ達は別働隊とかなんとか竹中さんが黒い笑顔で言ってたけどマジで浜松に向かうのか!?


 「まぁ武蔵もそう言うな!相手にとって不足なしだ!間違えて武田の首でも取ってみろ!特大な褒美が貰えるぞ!あっ、俺は山先30年物を5本で良いぞ!がははは!」


 「いやいや慶次さん・・・」


 「ふっ。安心しろ!俺が必ずお前を守ってやる!こう見えて俺は約束は守る男だ」


 「ワシも同じです。暫く同じ釜の飯を食べさせていただきました。まだその御恩に報いていない。この小川三左衛門!合田武蔵様の盾となりましょう」


 「右に・・・俺、小泉伝七郎も同じです」


 「野田一蔵も」「黒川吉之助も同じです」


 「みんな・・・」


 「私も妻として武蔵様をお守り致します」


 「あやめさん・・・」


 「ほほほ。役者は揃いましたね。まずは明朝現れると思われる山県隊を少しでも減らします。1当ての時にありったけの一ノ瀬嬢特製のてるみっと爆弾なるものをお見舞いしてあげましょう。奥平殿にはくれぐれも背後を気をつけておくように進言しておきます」


 「後もう一つ・・・・大殿からの援軍は一切来ないものとお考えを」


 いやまぁそこはなんとなく分かってはいたけど。


 「がははは!血が滾るな!小が大に勝つところを見せてやるか!」


 うん。オレも腹を括るか。



 9月30日土曜日・・・昨日の昼は普通に未来で仕事していたわけだが・・・これから戦が始まる。


 城内は明らかに二つの勢力があるように思う。一つは奥平さんを旗印とした徹底抗戦派。もう一つは菅沼さん達内通派だ。


 本丸の大広間にてみんなが集まっている中その人は現れた。


 「武田方、山県昌景の先触れが来たようです」


 「来たか。通せ」


 え!?普通使者とかそういう人ってその場で追い返したりするもんじゃないの!?


 すると竹中さんが耳打ちしてきた。


 「これから先はいつでもこの長篠から移動できるように。1当てした後、菅沼は動きますよ」


 「武蔵様。必ず私がお守り致します。存分に」


 「ほほほ。さて・・・我等は援軍ですからな。持ち場に先に着いておきますよ」


 竹中さんがそう言って部屋を退出しようとした時、奥平さんと目が合い、軽く頷かれた。


 不覚にもハリウッド俳優かのようにカッコよく見えた。いつかオレも誰かにしてみようと思う。


 以前甲賀村の有名な鍛治の人に仕立ててもらった甲冑を着て、右手にはレミントンm870、弾は100発、弾薬ポケットに入れてある。更にあやめさんには今一度、田中さんから借りているベレットm686を渡している。


 オレの右に慶次さん、左にあやめさん、伊織さん達だ。


 外に出て木柵の前に並んだが・・・


 「ヤバッ・・・マジで3000人くらい居るんじゃない!?」


 「なーにを呑気な事言ってんだ?あいつ等を減らすのが俺達の仕事だろう?まぁ、先触れの使者が帰ってからだ。菅沼殿はもう決まっているだろうがな」


 「ほほほ。そういう事ですよ。合田殿?存分にてるみっと爆弾を頼みますよ」


 ダンボールに入れられた空き缶爆弾・・・通称テルミット爆弾。有沙さん特製だがその数、長篠だけで100個はある。ちなみに、例のダンダンダン♪ダンキー♪でお馴染みのお店で購入したスマホの三脚にてネット通話をしている。


 もちろん、里志君とだ。時代を越える2.4GHz。バンザイだな!


 『うわ!本当に敵が居るじゃん!』


 「そうだって!今から有沙さんが作った爆弾使うんだよ!?」


 『威力は申し分ないよ!ってか、長篠城ってそんな風になってたんだ?初めて見た!』


 そりゃあ初めてネットテレビ電話してるからな。


 「がははは!てれふぉんだったか?これは本当に凄いな!城と城で繋がるなら伝令が要らなくなる代物だな!」


 『慶次さん!これはドアから近いところしか繋がらないですよ!』


 「分かってるって!おい!漆原!刮目しておけ!武蔵の初陣だ!ちゃんと録画っちゅうもんもしてるんだろう?動画だったか?の配信して銭稼ぐんだろう?上手くいけば山先30年を送ってくれ!」


 『はいはい!分かりましたよ!』


 いやいや慶次さんは電話に慣れすぎだろ!?しかもなんでテレフォンなんだよ!?しかも録画までする気なのか!?オレが映ってしまうのか!?


 『武蔵!編集は上手くやるから派手に頼むぜ!』


 クッソ!他人事だと思いやがって!


 オレ達が束の間の談笑をしていると先触れ役の人がオレ達の方を見てかなり驚いた顔しながら戻っていった。そして間も無く・・・


 「開門!馬防柵を除けろ!長篠城開門致す!」


 「はぁ〜。やはりですか。合田殿?予想通りになりました。私達は私達で敵を1当てで減らしますよ?合図お願いします」


 「はい!?もう始まるのですか!?いいんですか!?」


 「先手必勝。さぁ!今です!」


 不覚にも竹中さんがグーゼを前に振った姿が某三国志ゲームの諸葛亮かのように見えた。後ろの城も騒がしくなっている。もし開城するようなら菅沼さんを斬るような手筈となっていたからだ。


 『武蔵・・・』『合田君・・・』


 後ろでは里志君と有沙さんで時代を超えた2.4GHz帯で見てくれている。


 「すぅ〜〜〜〜・・・・はじめます!まずは横一列から斉射を始める!構えッ!!!」


 甲賀村の人達と竹中さんの私兵、総勢70人。歴史にない戦が今始まる。


 「撃てッッ!!!」


 パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン


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