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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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人間国宝の正体

 「合田君!おはよう!体調大丈夫?」


 「店長!おはようございます!休んでしまい申し訳ございませんでした」


 「いやいいよいいよ。池田さんから聞いてね?なんでも相当辛かったんだってね?これから頑張ってね」


 「はい!」


 それから店長、田中さんや葛城さん、社長、池田さんと順番に挨拶と謝りに行き業務の開始だが、リューアルした後の仕事は・・・別に特段変わった事はなかった。


 強いて言うならば、新しいポップが貼られてたのと、若い夫婦や時間に余裕がありそうな人への農業体験への声掛けだ。


 まず、池田さんはお店の横に新設された農業専門のコーナーに居る事になっている。というか居る。

 

 そしてその横に鎮座するかの如く居るのが・・・例のいつかの池田さんのアトリエに居た見た目人間国宝さんだった。


 この人間国宝さん・・・名前を浦部蔵之介さんという方らしい。見た目、格好なんかまんま仙人に見えるがここら辺の大地主の人らしい。そして、畑をかなり持っているらしく、中途半端な半自給自足ではなく100パーセントに近いくらいの自給自足をしてるとのこと。


 「長良の北に養豚や養鶏場があるでしょう?合田君も名前くらい聞いた事ない?株式会社 浦部開発って?」


 「え!?聞いた事あります!もしかしてその会社の・・・」


 「いかにも。おいが浦部開発の会長じゃ!」


 いや初めて口開いたけど訛りが酷いな!?


 「そうだったのですね!よろしくお願いします!」


 「ふむ。まさかこの歳になって趣味に近い事を仕事に活かせられるとは思いもよらなんだ。おいは趣味に没頭するため大蔵山に小屋を建てたがまさかまた下町に降りて来てしまうとはな」


 いやいや変わった人か!?


 「会長!そんな事言わずに!会長の手腕を発揮するところですよ!」


 「ふむ。池田君の言うとおりだ。人と接する事を疎かにすれば閃きがなくなってしまった。会社は息子に任せている。おいはおいでまたみんなの役に立つ事をしようか」


 確定。この人は変人だ。いやあんな大企業の会長だから普通の人ではないとは思ってたけど・・・。


 後は、元農業大学やらの先生って人や専業農家さんの人達が居て挨拶を済ませた。


 毎日居るわけではなく、今日はオレと初顔合わせという事で来てくれてただけとのこと。オレなんかのために申し訳ないと思う。


 まずは体験者がいないと何も進められないとの事で、とにもかくにも人を見つけて希望者を募ってほしい。と社長に言われた。


 そんなこんなで復帰1日目の仕事が終わったわけだが、浦部人間国宝さんに帰り際にとある本を渡された。


 「武蔵君と言ったね?これを読みなさい。農業とはなにか。農業とは大地や天気との戦いだ。ただ土に植えて水管理するだけではない。そこを素人の者は履き違えておる。君も責任者たる者だから知っておきなさい」


 「は、はい!分かりました!」


 正直めんどくさいと思う。だが、これは大事な事だ。なんなら戦国の人達の方が畑仕事は詳しそうに思う。あっちでも誰かに聞いてみよう。



 残業もなく終わったこの日、オレは毎度の如く夜飯を購入して風呂に入りドアを潜る。その前に里志君に声を掛けられた。


 「武蔵!おつかれ〜!動画出来たからまた見てみてよ!凄いぞ!もう2000回も再生されてるんだぞ!」


 「嘘!?もう!?ってか早くない!?」


 「そうなんだよ!俺もびっくりしているんだ!だから向こうに行ったらまた動画撮ってほしいって伝えてくれるか?どんな動画でもいいんだ!編集でどうとでもするから!」


 「まぁ分かったよ!オレも見てみるから!」


 里志君は里志君で上手くやってるみたいだ。有沙さんは籠ってまた新兵器でも開発してるのかな?まぁいいや。とりあえず早くあやめさんに・・・


 「あやめさん!こんばーーはっ!?ここどこ!?」


 「おう!来たか!ここは岡崎の城だ!おう!今日はビールか!銀のビールは初めてだな!貰うぞ!」


 オレが考えている間に勝手にオレの手から袋を奪いビールを飲む慶次さん。


 「ちょっと!慶次さん!状況説明お願いします!」


 「うん?めいるとやらで教えただろう?お前の嫁さんは竹中殿に言われた任務に行ったぞ?詳しくは俺も聞いていない」


 「は!?何で!?」


 「何でってそりゃあ大殿の意向だ。文句があるなら岐阜に行って来いよ?プッハー!こりゃあ美味いな!どれ?ツマミはーー」


 「っざけんな!!竹中さんっ!竹中半兵衛さんっ!!」


 ドタドタドタドタ


 「慶次坊?合田様はなんであんなに怒っているんだ?」


 「小川爺は分からないのか?あいつはあやめの事に関してはああなるのだ。色々冷めたように見えて案外熱い漢だ。こりゃあ面白くなるぞ?残った甲賀の者に伝えておけ!俺達も特別任務があるかもしれないぞってな!」


 「ほぅ?分かった。伝えておこう」



 勢いよく飛び出したはいいが・・・部屋が分からん!


 「竹中半兵衛さん!!!」


 「な、何事か!?合田殿では!?小荷駄隊の者が城に居る事すら寛大な処置なのに大声を出すとは言語道断!」


 いやお前誰だよ!?


 「すいません。竹中さん居ます?」


 「ほほほ。私はここですが?」


 は!?ここですが?じゃねーよ!


 「話があります!なんであやめさんと伊織さんだけ特別任務に行かせたのですか!?なんの任務ですか!?いつ戻るのですか!?」


 「声が大きい。間者に聞かれればどうするのですか?あぁ。後はこちらの問題。其方は戻ってよい」


 「ふん。岐阜ではどうか分からないがここは我等の城。ある程度の事は目を瞑るが最低限の大声出さない廊下は走らないようにしなされ。御免」


 「ほほほ。さっきの人は夏目吉信。直に浜松へ移動となるでしょう。来なさい。理由を話しましょう」


 夏目・・・本来なら三方ヶ原で死ぬ人か・・・。


 いやそんな事よりこの人だ!ちゃんと理由に納得するまで聞いてやる!

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