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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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人を撃ったという事実

 「チッ。鉄砲を持ってやがったか。だが1発撃った!者共ッ!!あの男を先に殺せ!!」


 バァンッ!


 そんなゲームの如くヘッドショットを撃てる事はない。なんなら、あやめさんを捕らえようとしている男を撃ちたいが、あやめさんに流れ弾が当たるといけないので付近の敵を撃っている。


 まずはレミントンを2発撃った。装填に入りたいが隙を見せるのはよくない。だから、続けて田中さんから託されたベレッタを撃つ。


 バァンッ!


 「な、なんでじゃ!?何故鉄砲が連射できる!?まさか上方の最新の鉄砲か!?」


 「そんな事も知らずによくもオレ達に手を出したな?お前だけは許さんぞ」


 オレは自分でもビックリするくらいに冷静だ。この言葉を言ってる間に幾度となく練習した装填を2丁にする。そしてすぐに他の敵に銃口を向ける。


 「ま、待ってくれ!おいらは何もしていない!」


 バァンッ!


 オレが撃っているのは体に向けてだ。とめどなく撃った敵のお腹、肩、足から血が流れ出てきている。


 「合田様!今です!」


 あやめさんがそう言うと捕まえようとしていた男を振り解き屈んだ。その一瞬・・・


 バァンッ!


 少し他の奴より距離が離れていたせいか散弾のはずが肩を掠めただけになってしまった。


 「ウグッ・・・いってぇ〜!」


 「ヒィ〜 ヒィ〜 ヒィ〜」


 血の臭いだろうか・・・臭った事のない臭いがする。そして、最初に撃った奴は・・・


 「く・・ぐるしぃ・・・後生だ・・楽にしてくれ・・」


 オレが戸惑っていると小川さんがすかさずそいつの首を斬った。


 「いかん!退け!退け〜!」


 「逃すわけないだろう!」


 オレは逃げる敵を撃ちまくった。


 バァンッ バァンッ バァンッ バァンッ


 撃ち漏らした敵は太郎君、伊織さん、小川さんが接近戦にて斬っている。


 「ふぅ〜 ふぅ〜 ふぅ〜」


 「合田様!お辞めください!私は無事です!敵は追い払いました!!」


 「・・・・」


 カチャン カチャン バァンッ バァンッ


 「合田様ッ!!御免!!」


 バチンッ!!


 「痛ッ!え!?あ、あやめさん!無事ですか!?」


 「私は無事です!もうお辞めください!敵は背を向けています!もし、どうしても追撃なさるなら御命令ください!全員討ち果たします!ですが、合田様はそんな事望んでないはずです!」


 「いや・・オレは・・・」


 「合田様申し訳ありません。半分以上逃してしまいました」


 「すいません!足をやられてしまったようです・・・合田様?合田様ッ!?」


 オレは自分が倒してしまった敵を・・・人に向けて撃ったのは自分の意思でだが・・・それを見ると意識が遠のいてしまった。


 バタン


 「「「合田様!?」」」


 「伊織!急いでこの場を離れる!あなた運転できるわよね!?」


 「で、できるよ!」


 「私が合田様を運ぶ!伊織と太郎!小川様は露払いを!これから休みなく岐阜へ向かいます!」


 「あやめと言ったな!?ワシの事は呼び捨てでよい!先陣はワシに任せておけ!」


 「では呼びやすいように呼ばせてもらいます!あなたも足をやられたのでしょう!?荷台に乗ってください!合田様の鉄砲です!弾込めは私がしております!何かあれば引き金を引いてください!弾が出ます!」


 「分かった!」


 ガララン ガララン ガララン


 「ちょっと!あやめ!飛ばし過ぎよ!」


 「そんな事言ってられないの!見てよ!これはただ気を失っただけじゃない!」


 「ふぅ〜 ふぅ〜 ふぅ〜」


 「え!?相手にどこかやられたの!?苦しそうじゃない!?」


 「怪我はしていない!ただ、熱があると思うの!凄く熱いの!ずっと疲れた顔してたからそれもあるかもしれない!」


 「合田ざまぁぁぁぁ・・・・ワジのぜぃでずびまぜん!!!!」


 「小川様!?何故泣いておられるのですか!?」


 「ワジが小童に打ち負かされそうになったのがいけないのじゃぁ・・・・ワジのぜぃだ・・・」


 「小川様が泣いたところで何も変わりません!それより今は見張りお願いします!追手が来るやもしれません!」


 

 オレは夢か現実か分からないところに居た。起きてるようで寝ているような不思議な感じだ。道とも呼べるか分からないところを必死な顔をして運搬車を運転しているあやめさんを上から見ている。


 その荷台にオレが横たわっている。そしてもう一台は伊織さんが運転し、太郎君と、小川さんが正座している。小川さんは小学生でもドン引きするレベルで大号泣している。爺さんの涙とか見たくないんだけど!?


 「情っけない!」


 「え!?誰!?じ、爺ちゃん!?うん!?何で左頬っぺただけ赤いの!?」


 「これは婆さんとちょっとな?いや、そんな事はどうでもよい!お前は何をしている!?その歳で何で行こうとしているのだ!?わしゃ〜そんな事許さんぞ!」


 「は!?何言ってるの!?」


 「武蔵!そんなところでなにしてるのよ!」


 「婆ちゃん!?婆ちゃんこそなにしてるの!?何で会えるの!?」


 「気力体力とも限界だったのね・・・」


 婆ちゃん?なんで盛大に無視するんすか!?そりゃ疲れてはいたよ?睡眠も短かったと思うけど・・・うん?あれ!?爺ちゃん婆ちゃん・・・は!?オレ死んだのか!?


 「情けない顔するんじゃね〜!ワシの孫が疲れ如きで倒れるはずがねぇ〜!早く体に戻れ!お前の生き様を見るのが楽しみなんだ!あいて!婆さんや!?なんで叩くのだ!?」


 「ばか爺さん!もうちょっと、武蔵に優しくしなさい!武蔵?あなたはまだ早い!早く体に戻りなさい!いつでも私達は武蔵を見守ってるわよ!あやめさんだろう?あなたの好いた女の子は?幸せにしてやりなさい」


 「ちょ!婆ちゃん!爺ちゃん!オレ・・人撃ってしまったんだよ・・・」


 「馬鹿野郎めが!人を撃つ事はダメだ!だがここはお前の居る時代とは違う!ましてや、嫁さんを守ったんだ!誇りを持て!ワシからは以上だ!」


 バチン!


 「な〜にがワシからは以上だ!だよ!武蔵?未来で撃つ事はダメよ?けどここは法も何もない世界。自分の身は自分で守るのよ?じゃあね?あっ、もしまた爺さんが変な事言い出したら婆ちゃんに言いなさいね?」


 婆ちゃんが優しい声でそう言うと自然とオレの意識が荷台に居るオレに乗り移るような感覚になった。


 「うっ・・・寒い・・・」


 「合田様!?大丈夫ですか!?もう少しで岐阜に戻ります!もう暫しご辛抱ください!」


 「あやめさ・・ん・・・ありがとう・・・」


 「合田様ぁぁぁぁぁ・・・わ、ワジのぜぃです・・ずびばぜんでじた!!!死ねと言うならばずぐに、腹を斬りばず!!」


 「小川さん・・・勘弁して・・ください・・」


 「こらっ!クソジジイ!合田様は病んでいるのに何を言ってるのよ!!」


 オレはあやめさんが小川さんを叱る声を聞きながらまた意識が遠のいた。



 「あれ?もう帰ったの?任務完了な感・・・うん!?武蔵君!?どうしたんだい!?」


 「田中様!!申し訳ございません!!賊に襲われて・・・賊は問題ありませんが合田様が・・・合田様が・・・」


 「酷い熱だ!これはいかん!!いろはちゃん!今日は店仕舞いだ!」


 「え!?合田様!?大丈夫なのですか!?お姉ちゃんが居てなんでこんなことになってるの!?」


 「いろは!事情は後で!とりあえず早くなんとかしないと!」


 「おーい!田中様や?わっちの家の光なるものが弱いんじゃが・・・」


 「あちきの家も弱い気がするのじゃが・・」


 「おーい!田中様!ワシの荷台のさすぺんしょんとやらはいつにできそうだ?」


 「みなさん・・・今はちょっと・・・」


 「うん?何ですじゃ?うん?まさか!?店主殿かぇ!?咳病ですかぃ!?」


 「あっ、伝次郎さんお久しぶりです。合田様は・・・分かりません。今はとにかく休んでもらおうかと・・・田中様?合田様は私にお任せください。田中様は仕事を・・・」


 「いやそう言ってもだね・・・」


 「田中さ・・ん・・オレは大丈夫っす・・・」


 「田中様!任せてください!」


 「そ、そうかい。分かったよ。ちゃんと病院行くんだよ?いいね!?」


 病院・・・確か合田様の未来にある医者が居る施設だったはず・・・。私は戸を通れる・・・私が連れて行く!

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