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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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足下を見られる。

 「見えて来ました!見えて来ましたよ!」


 ふぅ〜長かった・・・・。


 「なんじゃ?おぉ!!武蔵君ではないか!?それに慶次か!?竹中君も居るじゃないか!?」


 驚きながら出迎えてくれたのは利家さんだ。そう。とうとうオレ達は目標の岡崎城に到着したのだ。


 到着したと言っても城下?とも言えるか分からない、岐阜とは程遠い感じの場所に織田木瓜紋旗がある場所に来たら利家さんが居た感じだ。


 「誰じゃ?うん?武蔵ではないか!よぅ参った!小荷駄だろう!?何を持って来たのじゃ!?武蔵の飯が恋しくてのう」


 今度は羽柴さんだ。


 「色々持って来ましたよ!」


 ってか、もうオレに慣れすぎたせいか運搬車に驚きもしないな。


 「な、なに奴か!?」


 「待て待て!この者は織田の小荷駄じゃ!そう騒ぐな!」


 少し毛色の違う人・・・多分岡崎の人だろうか。


 「なんじゃ?なんじゃ?」「なんか動きよるぞ!?」


 「その米俵を乗せておる大荷車はなんだ!?」


 「遅い!今か今かと貴様を待っていたのだぞ!はよう、あのてぬやきの缶詰とやらを渡せ!」


 「佐久間様すいません。これでも急いだ方です。それとてぬやきではなくてりやきです」


 この中で1番偉そうにしているのは間違いなく佐久間さんだな。


 まぁここからは大変だ。オレが来た事で、オレが持って来た物を食べた事ある人はこぞって荷物を剥ぎ取るように持って行ってる。それを制するのが佐久間さんだが佐久間さんまでもそれに参加してる具合だ。


 「あやめさん!慶次さん!荷物全部下ろしましょう!収拾つかなくなりました!」


 「そうだな!おい!皆の者!焦るな!皆に食わせるくらいは持って来ている!!叔父御!どうにかしてくれ!」


 「ふん!お前も小荷駄の1人であろう!自分でどうにかしろ!武蔵君!俺はこれを貰っていくぞ!!」


 クッソ!みんな好き放題しやがって!


 「ほほほ。まるで飛んで火になんちゃらのようですな」


 竹中半兵衛!!!涼しい顔して然も『あっ、俺は関係ないすよ?』みたいな顔すんなよ!!さり気に梅酒奪ったの見てるんだぞ!


 「お、織田方の!?これは何事じゃ!?」


 「これはいかん!皆の者!散れ!!!」


 佐久間さんがそういうと見事にみんなが散っていった。マジで賊かよ!?と思う事だった。


 「佐久間殿?これは何ですかな!?」


 「織田の小荷駄隊の合田何某だ!織田の者故に文句はなかろう?」


 いや武蔵って名前あるんだから何某とか言うなよ!?もう何も渡してやらないぞ!?


 「物珍しい大荷車ですな。後備え、救援に来ていただいた事は感謝しますがさすがにこの騒ぎはいただけませんな」


 「ほう?我等に文句があると?」


 「まぁまぁ佐久間殿?さすがに騒ぎすぎでしたぞ?ここは俺に任せてください。大将は大人しくしておくのが良いですよ?」


 「ふん。平手の倅よ。お前はよく分かっておる。ワシは自分のところに戻る」


 佐久間さんってこんな偉そうな人だったんだ。ここだけ見ればどうしようもない人なんだな。プライドだけ高い嫌な人だ。このまま時代が過ぎるなら史実で追放されたのも分からないでもないな。


 そして、仲裁した人が史実なら亡くなる平手汎秀さんだな。オレと同じ年齢くらいかな?後は城から来た人だが誰だ?


 「初めましてですね!合田様?噂は予々聞いております!平手汎秀と申します!」


 「初めまして。合田武蔵と申します!よろしくお願いします!噂とはなんですか!?」


 「ふふ。それはまた追々にでも・・・まずはあなたを徳川様の人達にも紹介しましょう!士気が低くて困ってたのですよ!」


 確かにところどころ見える領民らしき人も笑ってる人がいない。城の中はどうかは分からないけど。


 「平手殿!?小荷駄隊の者を城に入れると申すのか!?」


 「内藤殿まずはそう言わずお聞きください。お館様の今やお気に入りと言っても過言ではない合田武蔵殿ですぞ?色々秘密はありますがまずは話を聞いた方がいいかと思いますよ?」


 平手さんがそう言うと慶次さんが耳打ちしてきた。


 "平手は若いが大殿の覚えもよく、知勇兼備、頭のキレる奴だ。ここは任せておいたほうがいい"


 "了解"


 たまに見せる真面目モードな慶次さんだ。


 「まぁそちらがそう言うのならば・・・内藤甚一郎正成と申す。着いて参れ」


 一応形式上名乗りはあげたけどオレの名前は聞かずになんだな。相当失礼な人だ。まぁけど、確かに小荷駄隊は格の低い人の仕事って聞いていたししょうがないのかな。


 まぁ、酒でも出せば多少は印象が変わるかな?



 お城の中は岐阜城と似たような気はする。ただ古い感じもする。まぁどれもこれもオレからすれば古いっちゃ古いけど。


 「合田様、これをこちらに・・・」


 「小川さんありがとうございます」


 「御意。城下にて待機しております」


 「すいません。ありがとうございます。ゆっくりしててください」


 小川さんが持って来てくれたものは空き缶爆弾や、赤と青の線がグルグル巻きされてあり、単三電池を入れてボタンを押すと爆発する爆弾だ。原理は分からないが有沙さんが持たせてくれた物だ。


 後は、無くしたら怒られる爺ちゃんのレミントンと田中さんのベレッタだ。これはオレが背中に乗せている。


 城中の人は確かにどんよりしてるように思う。初戦は確か後3ヶ月くらいだったと思う。


 「ここで待っていてくれ」


 無愛想にそう言われた所はただの部屋だ。ちなみにオレと慶次さん、羽柴さん、平手さんがこの部屋に居るだけだ。


 「ふむ。どうにも感謝が足りん男だな?あの内藤と申す者は」


 「そう言ってもしょうがないんじゃないか?小荷駄隊だからな」


 「そういう慶次だって珍しく文句なく小荷駄隊を引き受けたのだろう?」


 「まぁ。武蔵が1人では三河でもなくどこか違う方へ行きそうだったからな。がははは!」


 クッソ!羽柴さんも慶次さんも好き勝手言いやがって!


 「2人は仲が良いのですね?」


 「平手殿は知らないかもしれぬが慶次が小さい時より知っておるのだ。家も隣でな?皆の前ではこのような話し方はいかぬが今はまぁ許せ」


 「そうそう。藤吉郎のおっちゃんも昔から色々褒美をくれたりしたのだ!」


 「こら!慶次!その呼び方はするなと言うておるだろうが!!」


 「ごめんごめん!」


 ここだけ和やかな雰囲気だ。


 「それにしてもやっとですよ!」


 「うん?なにがです?」


 「やっと、合田殿の飯が食える!酒が飲める!楽しみだったのですよ!少し徳川様から兵糧を貰いましたがその・・・」


 「これ!平手!それは言うな!武蔵は特別だ!」


 オレ達が談笑しているとドタドタ足音が聞こえ、自然と姿勢を正し、前を向く。


 「入るぞ。平手殿!羽柴殿!どういう事ですかな!?」


 入って来た人は少しぽっちゃりした人だ。話し方的に偉い人かな?なんとなく家康のように思うがまさかいくら生誕の城と言ってもここには居ないよな?浜松だろ!?


 「まぁそう目くじら立てないでください!この者は今や織田家でアッシをも追い抜く勢いで出世しておる合田武蔵ですぞ」


 「だが小荷駄の者だろう?確かに歳は若そうには見えるが・・・」


 この人もオレを馬鹿にしたような口調だが・・・怖いくらいに無表情だ。言葉の抑揚もなく不気味な感じがする・・・。


 「合田武蔵と申します。多少の武器も持って来ております」


 「うむ。いや、失礼をした。徳川三河守家康である!」


 「はぁ!?マジで家康!?何でここに!?」


 「お、おい!武蔵!!」


 思わず興奮して呼び捨てしてしまっていた。


 

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