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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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意外に大きい沓掛城

 「竹中様?ふと思ったのですが織田軍の援軍は総勢何名くらいなのですか?」


 「はて?そんな事聞いてどうされるのですか?」


 「いや、気になっただけですよ」


 確か史実なら3000名程と伝えられてたはずだが既にその人数以上が動いてるとオレは思う。そもそも指揮官級の人が岐阜や尾張に今は居ないから、本当は違うのだろう。後学のために知りたい。


 「ふむ・・・何名かは答えられませんがそうですね・・・岡崎、吉田、白須賀に味方は居ますよ」


 浜松に居るわけじゃないんだ?なんでそんな分散させてるんだ!?いや、まだ夏だからか!?今浜松に集結させれば動きがバレてしまうとかかな?


 「分かりました。ありがとうございます。ちなみにオレ達の目標としては岡崎城の・・・」


 「まずは吉田城に出向く事になっている。城代の酒井忠次殿は徳川殿の信任厚い方ですよ」


 オレの知らないところで色々決まってる事があったんだな。まぁいいや。これでゴールが見えてきた。



 庄内川は案外普通に渡れた。というか、平な石を敷き詰め、その上に板を置いた橋擬きのような物がありその上を通った。


 安定もしていないし板も凸凹で折れそうに思ったが、船渡しの人にスーパーで売ってある砂糖を渡し『もう少し安定した道にしてほしい』とオレが言うと、どこからともなく人が現れ立派な板を置いただけの橋が出来上がったのだ。


 たまたま水嵩もなかったからできた事だろう。もう少し早い出発なら梅雨でこんな事できなかったと思う。


 そうそう。今日から甲賀村の小川さんって人がオレの横に居る事が多くなった。まぁ後ろには黒川さんが本当に寝ているかは分からないが座って目を閉じているが。


 せっかく横に居るもんだから色々お話しを聞いた。過去の任務の事や甲賀村の暮らしの事などだ。想像はしていたが過酷な村のようだ。幼少の時より忍びの訓練を受けるらしく、ある一定のところまでできれば晴れて草となるらしい。


 そして、大名や有名な人に覚えがよくなったりすれば中忍と呼ばれる格になるらしい。今日来ている人達はこの中忍と呼ばれる人達らしい。


 まぁオレは草だろうが中忍だろうが関係ないと思っている。襲われれば守ってもらわないとオレは1番に死んでしまう自信があるからな。


 「いや〜、昨日から思ってたのですが一歩下がった感じじゃなくもっと友達風に話してくれた方がオレは助かるのですが・・」


 「いえ、そうもいかんでしょう?仮にも今の我等の殿は合田様です」


 「そう言ってくれるのは助かりますがオレも気を使ってしまうのでしんどいんですよ」


 「あなた様がそう言うのならば・・・」


 まぁ急に話し方を変えるのは難しいだろう。徐々に仲良くなれればいい。甲賀村が貧しいとはなんとなくは分かっていたが可哀想だ。この人達だけでもオレが雇う事ができれば・・・。いやこれは安易に口に出さない方がいいだろう。



 この日はちゃんと休憩を入れながら行軍した。竹中さんに運転を教えるとすぐにフルスロットルに回し蛇行運転までする始末だ。


 「ちょ!竹中様!落ち着いてください!!」


 「ほほほほほほほほ!!!これは面白い!!勘太!面白いぞ!」


 「と、殿!合田様もそう言われております!落ち着いてください!後ろの黒川殿が泣きそうになっております!!」


 「おい!黒川殿!このくらいなんともないな!?」


 「いやもう勘弁してください・・・」


 「ほら!大丈夫と言ったぞ!!ほほほほほ!!」


 外に居る人、畑仕事してる人みんなに注目を浴びる事になった。間者が付近にいてもオレ達は頭のおかしくなった連中と見られるだろうと思う。


 まず竹中半兵衛・・・この人が希代の名軍師と言われていると思うが断じて違う!運転してる時に服の裾が捲れたりして少し見えたが筋肉がヤバい人だ。慶次さんほどではないが武闘派の人に見える。そしてパワハラ男だ。


 「竹中様!降りる!降ります!自分の足で歩きます!」


 「ほほほほ!何を言うのですか?合田殿に本日は休めと言われたではありませんか!過労では本来のパフォーマンスなるものを出せないと言われたではないですか?ほほほほ!」


 黒川さん・・・すまん!オレには止められない。


 こんな小荷駄隊とは程遠いオレ達だが歩は確実に進んでいる。

 

 信長さんの叔父が治めている守山城を抜け、信長さんからの信任も厚い簗田政綱さんって方が治る沓掛城に今日は向かう事にした。時刻は15時過ぎた辺りだ。


 先触れも出していないためいきなりの訪問で失礼にあたるが、竹中さんはこの人を知っているらしく、気も合う人でそんな細かい事言うような人ではないから大丈夫と教えてくれたのでそこの空いてる所でテントを出して寝ようと思っている。


 ちなみにだが、オレ達が持って来ている米俵には一切手をつけていない。あやめさんの運搬車に米を全て載せている。米俵なんか初めて見たけどかなりの量だと思う。


 積むのはオレも手伝ったがオレでも一つ持ち上げれるくらいだったから30キロ前後だろうか?あやめさんとオレが乗っている運搬車は積載量500キロまでとなっている。あやめさんの運搬車には米俵を15表積んである。


 これで何人が何日くらい活動できるかは分からないが当面は大丈夫だと思いたい。


 「うむ!合田殿!先に私が向かいましょう。時間差で城に来なさい!勘太!行くぞ!」


 竹中さんはオレ達にそう言うと颯爽と小姓?の勘太さんって人と走り出した。


 「あの御仁はどうも俺は苦手だ」


 「慶次さんはだからですか?今日は静かでしたね?」


 「軍略なんかは明るい奴だとは思うが少し俺は苦手なんだ。まぁいい。悪い奴ではないからな」


 オレ達は小休止した後、城の方へ向かうが、この沓掛城・・・思ったより大きい。本丸、二の丸、曲輪など未来で残ってる城にあるような装備がある。石垣こそないが堀?まで掘られてある。


 「ってかでかっ!!」


 「ほうほう!確かにこれは大きい!外掘りまで掘られてあるのか!家臣が持つ城としては比較的大きい城だな!」


 慶次さん的にも大きい城らしい。石垣とかないからオーラはないが平城にしてはと言えば偉そうな言い方だが本当に大きく見える。


 人もそれなりに居るようだ。まぁ変に目立っているけど・・・。


 「ほほほ!出迎えに来てくれましたよ」


 竹中さんがまた粘っこい話し方で老齢の人を連れて来た。


 「がははは!其方等が小荷駄隊とな!?お館様の懐刀の隊と半兵衛坊から聞いたぞ!まぁそんなところではなんだ!まぁ入れ!」


 なんだこの人は!?利家さん以上に筋肉男なんだが!?

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