表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
74/174

出発の儀

 「おう!武蔵おはよう!外の運搬車の割り振りはどうするのだ?」


 「慶次さんおはようございます。オレと、あやめさんと慶次さんの予定です」


 「よし!分かった!くろーらーだったか?あれを俺が操縦しよう」


 他にも台車と一輪車なんかもあるけど、正直台車は使えそうもない。サイズが小さすぎた。だから、オレはダンボールを開けてバラバラにして甲賀の人達に渡した、キャンプ用の70リットルリュックを渡しているから余裕で入るだろう。


 「ほほほ。合田殿おはようございます」


 「竹中様おはようございます」


 「分からない事があれば何でも聞いてくださいね?ほほほ」


 相変わらず粘っこい喋り方だな。


 朝ご飯はあやめさんが作ってくれか塩昆布おにぎりと明太マヨおにぎり、卵焼きだ。


 「朝からこんな味のついた握りを食えるなんて贅沢だ」


 「確かにな。滝川様と合田様には礼をせねばな」


 大袈裟だなと思う。そりゃ他所でこれと同じお握りは食べれないとは思うけど、いうてお握りだぞ!?


 「ははは。作ったのはあやめさんと伊織さんだと思うけど好きなだけ食べて今日は頑張りましょう!あれ?食べないのですか?」


 「一緒に食べてよろしいのですか?」


 「こんな下々の者と合田様が同じ場所で食べるとは・・・」


 いや今更だろ!?いや待てよ・・・確かに昨日は疲れたから先に部屋に戻ったよな!?あぁ〜・・・こういう風に捉えられていたのか。


 「ゴホンッ!合田家では身分なんか関係ないのです!みんな一緒に食べる!これがいいのです!さぁ!早く食べましょう!」


 「合田様がそう言っていただけるならば・・・」


 こんな毎回一歩下がった受け答えは勘弁してもらいたいんだけどな〜。



 出発前に昨日まで撮影してくれたマイクロsdカードを家に置いてメールを送った。遠征に行ってくると。まぁ、田中さんが居るから大丈夫だろう。


 「おはよう武蔵君!もう行くんだね?」


 「はい!今から向かいます!」


 「気をつけて行ってくるんだよ?」


 朝からみどりさんと手なんか繋ぎやがって!


 ブロォォォォォンッッ


 ドドドドドドドド…………


 オレは運搬車のエンジンをかけて運転席に跨る。ちなみに、水曜日に持って来た後に田中さん指導の元、あやめさんと慶次さん、他には今回は運転はしないけど、小川さんって人と小泉さんって人、野田さんって人が田中さんから運転を習ったそうだ。


 「ほほほほほほほほ!それが運搬車なる大荷車ですな!?わ、私も乗りたいですな!!!ほほほほ!」


 チッ。いつもより気持ち悪い笑い声だな!?ほがいつもより多いぞ!?


 「竹中様も途中で運転しますか?オレが教えますよ」


 竹中さんは馬に乗り来ていたがどうやって世話するんだ?まぁいいか。


 「よし!行きましょう!目指すは三河!!」


 「「「「オォォォォーーーーー!!!」」」」



 うん。颯爽と薄暗い中・・・いや真っ暗な中出発を始めた。気持ちよく濃尾平野を抜ける予定なわけだが・・・


 「竹中様!?道ってどちらですか!?」


 「は!?」


 いやいやは!?じゃねーし!標識とかあればオレだって分かるけどこんな道なき道って程もないけど分かるわけねーじゃん!?


 「合田様すいません!私が先頭を走ります!!」


 あやめさんが気を利かせてそう言ってくれたわけだが・・・。


 「ふむふむ。東海道を進む予定ですかな?てっきり伊勢に向かい、船で遠淡海まで進むかと思ってたのですがね」


 あん!?船だと!?クッ・・・オレとしたことが船の存在を忘れてた・・・。いや遠淡海って・・・浜名湖の事だよな!?いややっぱ船の方が・・・


 「まぁ竹中殿!いいではないか!竹中殿も操縦してみたいのだろう?」


 「ほほほ。まぁそうですね。では陸から向かいましょうか。久々の外国です。私も気合いをいれましょう」


 慶次さんが纏めてくれたけど・・・帰りは砂糖とか酒を餌にして誰かに船を出して帰ろう。


 

 オレはあやめさんの後ろを走っている。岐阜はまだ大丈夫だ。それなりに道は整備されてあるからな。それでも現代の地方自治体に忘れられた酷道のような道だ。


 それでもさすが、キャタピラーだ。少々の凸凹道なんかなんのその。バランスも崩さず平気で走破している。


 オレ達はまず那古屋に向かっている。初めての遠征という事もありオレは少しワクワクしている。


 甲賀村の人達も初めてのリュックに驚きながらも荷物を運びながら両手が使える事に喜んでいる。


 「いやぁ〜、此度の遠征は初めての事ばかりだな」


 「そうだな。50余年と生きて来たが三河に向かうのがこんなに楽しみとは初めてだ」


 小川さん、小泉さんは三河に行った事があるんだな。


 

 那古屋は漁師町・・・って事でもなく、かといって田舎って事もない。ノッブパパが居た城だからな。堀川より少し東に向かった所に熱田神宮がある。行ってみたいが今回はダメだ。今度あやめさんとお詣りに行こう。


 往来の人もオレ達を見て驚いている。だがすぐさま道を開けて頭を下げてくれている。


 オレの後は慶次さんだがすれ違う人達にちゃんと手を上げている。こういう挨拶が重要なのだろうか・・・。



 何事もなく誰も何も言わないから行軍は順調に進み、時刻は気付けばオレの時計で16時を過ぎた。


 「あやめさん!竹中様!それにみなさん!すいません!昼飯出すのも忘れてました!!!本当にすいません!!」


 「ほほほ。そうですな!てっきり今日1日で行けるところまで行くのかと思いましたよ」


 いや〜、オレは何もない場所だけど初めて見る景色に夢中でお腹の事も忘れ運転に夢中だった。みんなに悪い事をしてしまった。


 「はい。畏まりました。皆の者!今日はここまで腰を下ろせ!2人!見張りの者を!」


 こんな場所でも見張りが要るんだな。見張りの人が誰になるかは分からないけどしょうがない。


 夜飯はガスコンロでお湯を温めたカップラーメンだ。慶次さんの荷台にオレ達のご飯を積んである。


 「よーし!俺は醤油味だ!」


 慶次さんは何回も食べた事あるから自分の好みの味をチョイスしている。


 「合田様?どれを食べれば!?それにこれはなんですか!?南蛮の食べ物ですか!?」


 「小川さん、これは未来の食べ物で・・確かに元は明の食べ物ですが日の本が独自開発したラーメンという食べ物ですよ。美味しいですよ。オレが作りますので適当に持って来てください」


 オレが無理をしたせいか疲れた顔をしているが誰も文句を言わない。これはこの任務が終われば労ってあげないといけないな。


 オレは7台のガスコンロでペットボトルの水を入れて沸騰させている。最初に持って来た人は慶次さんだがこの人は言わずもがな・・・


 「うむ!美味い!体を動かした後はこれだな!!実に美味い!」


 慶次さんも運転だからまったく体動かせてないんだけどな。


 「合田様、俺とこいつで見張りを致します。ただ・・・我等も食べる事のお許しを・・・」


 「いやいや当たり前じゃないすか!?先に作るので食べながら見張りお願いします!あっ、カップ・・・入れ物は後で回収するので捨てないように!!後、これをどうぞ!気休めかもしれませんが体力回復する薬みたいなものです!」


 「な、なんですか!?これは!?」


 リポビタンvだ!タウリン2000mg配合されてあるやつだ!タウリンが何かは分からないが。せめてもの罪滅ぼしだ。


 ちなみに、見張りをしてくれる事になったのはこのメンバーの中で比較的若い部類の黒川さんって方と岩室さんって方だ。それでも40近い人達だが。


 「なんだこれは!?」「に、匂いがすごい!!」


 「こんなもの食べた事ないぞ!?」


 まぁそうだろうな。この時代にラーメンはないはずだ。


 「黒川さん?岩室さん?その瓶の飲み物飲めそうですか?」


 「は、はい!貴重な薬を我等なんかにすいません!頂戴いたします!!」


 栄養ドリンク如きに大袈裟な。


 「最後になってごめん。はい。あやめさんどうぞ」


 「ありがとうございます」


 働く姿のあやめさんも可愛い。綺麗だ。


 「食べながらでいいので教えてください。今ってどのあたりですか?」


 「はい。今は庄内川の手前にございます。ここを超えて更に東南の方へ向かうと尾張の豊明村という大きな集落がございます。そこを超えると徳川様の支配地になります」


 うわ・・・庄内川か・・・どこか通れる場所あるのかな・・・。


 オレは持って来た大型エアテントに空気を入れながら考えたが見てみないと結論はでないからな。


 オレのせいで休憩もなく歩かせ、文句一つも言わなかったみんな。これも罪滅ぼしの一つ。オレ1人でみんなのテントを張るつもりだ。


 「合田様!?それはなんでしょうか!?」


 「うん?あ、小川さんお腹いっぱいになりました?足りないならまだ作りますよ?」


 「いやいやそんな事よりそちらの方が気になります!」


 小川さんがそう言うとみんながオレの方に集まり出した。


 みんなの家だ! あぁ!そうですか!ありがとうございます!で終わればいいけど、そんな事ないよな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ