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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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ベレッタm686 バイトリーダーの決意

 「明日には出発するんだよね?あっ、みどりさんもおいで〜」


 なんだと!?あの田中さんが普通に女性と接しているだと!?


 「はい!次郎様!」


 しかも名前呼びだと!?恋愛は自由だが早すぎじゃないのか!?歳的にはお似合いだと思うけどそういう事なのか!?


 「田中さん・・・これは・・・」


 「僕の猟銃だよ。確か武蔵君もお爺さんのレミントン持ってたって言ってたよね?それと一緒に持っていきなさい。現代では許可がないと銃刀法違反になる。けどここは戦国時代だ。自分の身は自分で守らなくてはいけない。あやめさんと結婚するんだろう?必ず帰ってくるんだよ」


 あぁ〜・・・田中さんが光って見える・・・禿げかけている髪の毛だが違う意味で田中さんが光って見える・・・。


 田中さんが渡してくれた物・・・鉄砲だ。


 「これは縦2連銃だよ。ベレッタm686・・・僕の青春だ。これを武蔵君に託すよ。撃ち方は簡単」


 田中さんにこの場で撃ち方を教えてもらった。


 トリガーは前後に二つ配置されており、前のトリガーを引くと上の銃身から発射され、後ろのトリガーを引くと下の銃身から発射されると。


 「カッコイイ・・・・」


 「だろう?随分と古い規格の銃だけど、構造がシンプルだからなかなか壊れなくて、クレー射撃にも使われる銃だよ。こっちのトリガーを引くとここのハンマーが落ちてーー」



 色々仕組みなんかも聞いたが、爺ちゃんのレミントンで見ているからなんとなく分かる。


 その他にはセレクターセーフティー・・・要は安全装置だ。その安全装置の事やトップレバーと呼ばれる部位・・・そのレバーを右にすれば銃が折れ、空薬莢が排出され弾込めが出来るとの事。


 これが大事な事なので何回も練習させられた。が、そんな難しい事でもなく簡単にオレでも覚えれた。


 「田中さん!どうでしょうか!?」


 「うん。さすが武蔵君だね。お爺さんも凄い人だったんだよね?僕は武蔵君のお爺さんを知らないけど多分その血を継いでると思うよ!後は引き金を引くだけだよ。けど、それはもしもの時のためにね?」


 「はい!無闇に撃つつもりはありません!」


 「一つ忠告しておくよ。危ないと思えば遠慮なく撃ちなさい。何回も言うがここは戦国・・・僕達の居る世界の倫理観は通用しない。もし武蔵君が誰かに襲われていたりすれば僕は迷わず相手を殺す。笑いなしでこれは言い切るよ」


 「・・・・・」


 田中さんの覚悟が伝わってきた気がする。いつもおちゃらけのように思う人だがこれはマジのやつだ・・・。


 けど、オレってばもう間近で人の死を見てるからあまり気負いがないような・・・それに、田中さん以上に倫理観が通用しない事は分かっているつもりだ。


 もしあやめさんが目の前で襲われたりでもすれば・・・。オレは相手が人でも撃ってしまうだろう。殺られるなら殺られる前に殺る。


 ここは戦国時代。忘れるものか!


 

 夜だが特別にこの日に信長さんと会う事になっている。明日の出立の事を伝えるためだ。オレが自由にできる日は7日しかない。さすがに1日は何もせず本当の休みが欲しい。


 ちなみにだが、いろはちゃんとみどりさんはお留守番だ。田中さんに商いの事を伝えている。いろはちゃんがオレが居なくてもやります!と元気よく言ってくれたから許可したのだ。みどりさんも補佐してくれると言うし、多分大丈夫だろう。


 「入れ」


 「失礼します。こんばんわ」


 「明日、出るのか?」


 「はい。なんとか7日程予定を空けました」


 「うむ。貴様の初陣だ。まだ武田もそこまで動いておらぬ。ちょうど良い日取りだ。目付け役に竹中を付けてやる。竹中に色々教えを乞い学べ。もしも貴様を小荷駄隊と笑う奴が居れば言え。その者には貴様が出した物を食す事を許さぬ」


 「自分なら気にしないので構いませんよ」


 「そういうところがいかんのだ。貴様は・・・いや、まぁよい。励んで来い!時にこれはなんぞ?」


 「これはトンカツ弁当です。語呂合わせです。トンカツ・・・勝つって験担ぎです」


 「ふん。小癪な物言いだ・・うむ・・むむむ・・美味いではないか!?」


 「ははは。自分が作ったものではありませんが、肉があれば簡単に作れますよ。また城の人に作り方教えておきますね」


 まだまだ他にも食べてもらいたいものはある。餃子も教えたいし、本格的なチャーハンやデザートのティラミスやチーズケーキ。この時代の人達に教え、岐阜に流行らせて贅沢な暮らしをしてみたい。


 そのためにはこの任務必ず成功させるぞ!!



 次の日、早朝も早朝・・・家の時計で朝の4時に目が覚めた。昨夜は降城した後みんなにもトンカツ弁当を振る舞い、オレは早くに自分の部屋で横になっていた。


 さすがに人数が多いせいか色々な人の声が聞こえていたが気付けばこの時間になっていた。


 「おはようございます」


 「おっ!?え!?あやめさん!?横に居たのですか!?」


 「お疲れのようでしたので合田様が寝付くまで横に居させていただきました。気付けば私も寝てしまっていたようです。申し訳ありませんでした」


 「いやいや謝らないでください!まだみんな寝てますよね?最終確認してきます。あやめさんも顔洗ってゆっくり準備してください」


 「畏まりました」



 外に出て、家の横にある蔵へ向かう。この時代に似合わない運搬車2台に、クローラー運搬車、台車・・・その荷台には米俵を始め、ダンボールに入ったまだ封も開けていない数々の即席飯・・・。運搬車の運転席には田中さんが少し改造して装着してくれた筒。この中に爺ちゃんの青春と田中さんの青春のレミントンm870とベレッタm686を入れている。


 何かあっても即応できるように既に弾は装填している。セーフティーレバーはもちろんONにしてある。オレはターミネーターではないから2丁も撃てないから、1丁はあやめさんに託す予定だ。


 弾はベレッタもレミントンも12ゲージ。爺ちゃんが残してくれた弾、ショットシェルボックスに入った25発入り二つ、田中さんから託された、25発入りが一つ・・・50発もあれば大丈夫だろう。


 最後は燃料だ。燃費がどのくらいかは分からないが10リットルの燃料携行缶を5つ積んでいる。もし燃料が足りなくなればどこかに隠して後日、みんなに取りに来てもらおう。


 「合田様!?お召し物の用意ができました!」


 「あやめさん!ありがとう!今行きます!」


 梅吉おじさんが作ってくれたという甲冑・・・カッコイイ。確かにカッコイイが重たいんだよ・・・。動きにくいし重たいし・・・。あやめさんや伊織さんに作ってはもらったが、一昨日、試着した時にオレがやはり着ないとダメか?聞いたのだが、普段寡黙な太郎君も2人とハモりながら・・・『ダメです!!』と言ってきたのだ。


 みんなの声も聞こえ出したし、さっさと装備して、朝飯食べて出発しよう!

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