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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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春がきたバイトリーダー!?

 休み前となる今日・・・仕事中にあれこれ考えている。必要な物、不足している物はないか、虫除けスプレー、蚊取り線香、ライター、レトルトご飯、みんなのABCブランドのエアテント・・・他にも商品を品出ししたりお客さんに品物の説明をしながら色々考えている。


 「あっ!合田君!久しぶりね!」


 「池田さん!お久しぶりです!こんにちわ!どうされましたか!?」


 「いやね〜!新しい事始めるんでしょ?農業研修っていうのかしら?それの仲介役を私がしたから休耕中の畑の所有者を連れて来たのよ?」


 「そうだったのですね!だから朝から社長が今日は来てたのですね」


 「あっ、ちなみに再来週から私も農業アドバイザーとして働く事になったからよろしくね?」


 「え!?アトリエはどうするのですか!?そもそも池田さんって農業経験者なのですか!?」


 「アトリエは趣味でしてるだけだから別にいいのよ。まぁ、イベントや何かの時はここを休ませてもらうけどね。それと私は元々ね・・・まぁ知ってるでしょ?それなりに土地は持ってるからね?昔はよく手伝わされたのよ」


 まぁあの池田恒興さんの子孫だからな。お金は持ってるし土地持ちなのか?それに農家だったとかか!?


 けどこれは心強い!オレが気兼ねなく話ができる池田マダムが近くに居るなら農業をオレも学び、戦国にそのまま教えられる!最高な環境じゃないか!



 オレは先日の決起集会という名の飲み会が終わってから社長を少し避けている。一応挨拶はちゃんとするがあの件の事は触れないようにしている。


 『業務連絡致します。合田さん、合田さん至急事務所にお越しください』


 店内アナウンスで葛城さんの声が聞こえた。オレが呼ばれた声だが・・・


 「お待たせ致しました」


 「入って!紹介するわ!再来週から農業顧問としてみんなのABCに畑を貸してくれる事になった飯尾さんよ?」


 「初めまして。合田武蔵ともうします。よろしくお願いいたします」


 「武蔵君だね?よろしく〜」


 農業顧問・・・年齢的にお爺さんだが多分、農業の先生みたいなもんかな?


 「合田君?この方は元々、大学の農学部の先生をしてた方なの。とっても、教えるのが上手な方だから合田君もしっかり学びなさい!」


 「は、はい!」


 社長は先日の事なんか何も言わずだった。まぁ気にしても仕方ない。


 そして退勤時間となり必要な物を買う事にした。まずは大型のエアテントだ。電池式のエアポンプとセットになった物を買う。1組50000円のお高いテントだ。


 大きさ的に寝返りできる程度の広さしかないが1テントに5人は寝られると思う。30人居るから6組で事足りるとは思うが念の為に7組買う事にした。


 後は寝袋やランタン、飯盒など細々する物だ。我ながらキャンプにでも行くのか!?って装備だと思う。休憩を入れての距離で約30キロ前後歩くとして三河に入るまでなら40キロとスマホのGPSで出たから・・・行きと帰りで前後1日が必要な計算だ。


 それに三河と言ったけど多分、羽柴さんとかが居るのは浜松だろう。ならもう少し距離があるから合計6日の旅と予想できる。これは大変だ・・・。まぁオレは運搬車に乗る予定ではあるが。


 色々購入して自分で軽トラに乗せる。お会計の時葛城さんに根掘り葉掘り聞かれたけど、家族でキャンプに行くんです!と絶対嘘と分かる事を言って凌いだ。


 持って行く物資類、主に缶詰やレトルト食品などだがこの1週間で延べ28種類の食べ物を5箱ずつ、タオルや2リットルの飲み水30ケースを購入している。


 あれは運ぶのが辛かった。水曜日だったと思うが運んでいる途中で筋肉痛か!?と思うような痛みがあった。


 「合田君?上がりかな?」


 「あっ、遠藤店長!お疲れ様です!」


 「顔が疲れているよ?1週間休みだからゆっくり体休めて再来週から頑張ろう!」


 「はい!」


 車に乗る所を見られるとつっこまれるところだったが店内でよかった。


 よし!とりあえず不足してる物はない!最後は・・・


 そう!そう!ここだよ!なんでも売ってるダンダンダン♪ダンキーホーテ♪のBGMでお馴染みのダンキーホーテだ!


 ここでオレは煙幕花火を購入する事にしていた。海外製のやつが売ってあるからだ。有沙さんに煙幕でも作ってもらおうと思っていたが今は夢の国からどこか知らないとこに行っているからな。


 戦闘はないと言っても何かあるかもしれないし、オレはまだ死にたくない。逃げるが勝ち!甲賀の人達にも死なれちゃ困るから煙幕花火を1人5つくらい持たせて、何かあれば一気に点火すれば逃げられるだろう。


 そのために、甲賀の人達にだけターボライターを渡す予定だ。


 「うん?折角来たんだしあやめさんや伊織さんにだけ化粧水とか顔パックとか買って行ってあげようかな?おっ!?これもいいじゃ!こっちもいいじゃん!!」


 オレがいつも癖で独り言を言いながら色々購入していると他のお客さんはオレを生類憐れみな目で見られている事に気付く。


 うん。変人に見られたんだろうな。だが気にしない!オレにはあやめさんが居る!あやめさんに喜ばれるためなら何でもするぞ!!


 よし!これで今度こそ揃った!結局、このお店とみんなのABCで60万近く使ってしまった。だが、テントとかは次があるかは分からないが使えるからな!


 ルンルン気分で家に帰り現実にぶち当たる。


 「あ!!今思えば運ばないといけないじゃん・・・クッ・・・オレとした事が・・・考えてはダメだ!」


 オレは必死に運んだ。向こうに持っていけばとりあえずみんなが運んでくれる。小一時間掛けて運び終えると時刻は20時過ぎとなった。


 オレは出した覚えはないが、爺ちゃんの愛用ヘルメットが置かれていた。思わず2人の写真の方へ向くと2人ともが優しい顔をしてくれているように思う。


 「爺ちゃん!婆ちゃん!行ってくるよ!戦国の人間になってくるよ!!」


 もちろん、返事はない。だが安倍晴明の力か術かで側で聞いてくれていると思う。


 よし!やってやるぞ!小荷駄隊として荷物運ぶぞ!!!


 そして戦国に向かったわけだが・・・さっき荷物を運んでいるときはわからなかったが・・・


「武蔵君!来たんだね!渡したい物がある!こっちにおいで!」


 そういえば何か渡してくれるって言ってたな。忘れてたよ。だが、それだけじゃない。なんと田中さんの横に、甲賀村から来てくれた女性の1人・・・みどりさんがくっついているのだ。


 これを見て思った事・・・田中さん!春が来たんか!?

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