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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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合田部隊の始動

※読者様からの提案にて登場人物の年齢を多少変更させていただきました。ご確認よろしくお願いいたします。



 お店の店舗改装?が始まるまでの1週間に分かった事がある。まずは、その小荷駄隊というものは本当に部隊の中で下っ端のする事らしい。


 あまり戦闘に関わる事はないから気負いしなくていいと慶次さんに教えられた。そして、慶次さんが滝川さんに揃えてもらった人・・・所謂、忍者の人達だそうだ。身分こそ低いそうだが全員甲賀村の人達だそうで変な人は誰1人いないとの事。


 「合田様?出発はいつでも行けます」


 「えっと・・・確か小川さんでしたよね!?オレが出発できないからもう少し待ってもらいましょうか!?」


 「分かりました。言われればいつでも出撃できます。破壊工作だろうがなんだろうが言ってください。少々歳は食ってますがまだまだ若い者には負けませんぞ!」


 「そうです。ワシもまだまだ現役ですぞ!」


 来てくれた人達は若い人でも中年〜老年の人達ばかりだ。4人ほど女性の方も居る。そして、どの人もみんな好戦的な人達だ。


 色々な方面で作戦を行っているらしく若い人達は出払っているから歳を食った人達ばかりらしい。この事は滝川さんから手紙を貰って謝りを受けている。


 ちなみに、その手紙を読んでくれたのはあやめさんだ。楷書じゃなきゃオレは読めないからな。


 まずはオレに慣れてもらうために慶次さんを頭に据えてオレの秘密を教える事にした。というか、別に秘密にする事はないと思う。戦闘はないと言っても命を預ける人達だからな。


 それに身分の低い人達だがオレは身分なんか関係ないし、なんなら歳も関係ないと思っている。こんな冴えないオレのために来てくれた事に感謝すらしている。そのため・・・


 「みなさん!オレは明日未来で仕事をすれば暫くこちらで過ごします!だから明日、明後日くらいに出発します!織田様にも伝えております!」


 「「「オォォォォーーーーー!!!」」」


 「ですので、今日は英気を養うためにこれでも食べてください!宗教上食べれないとか言わないでください!これはまあまあ贅沢な飯ですので!!酒も各種置いておきます!!」


 「こ、これがあの・・・金色の酒ですかな!?」


 「誠、金色に輝いておる・・・慶次坊が言っておったやつか・・・」


 「たしか・・・ういんすきいなる物だったな!?」


 「おい!小泉のおやっさん!ウィスキーだ!」


 「慶次坊!まだ言い慣れぬのだ!合田様!?こんなにも我ら如きにいただけるので!?しかもこの瑠璃の湯呑みも!?」


 「ワシも長年任務をしてきたがまさかこんな雅な瑠璃の湯呑みを貰える事になるとは・・・感無量だ・・・」


 「あたいには鼈甲の櫛をくれるですか!?」


 「櫛だけではなく、こんな上等な召物まで・・・」


 「確か、みどりさんとなみさんでしたね!?どうぞ!どうぞ!そんなに喜ぶ程でもありませんよ?そんなにガラス製品や櫛が欲しいならこの任務が終わった打ち上げの時にでも他にもみんなにお渡ししますよ?」


 「「「「「オォォォォーーーーー!!!」」」」」



 オレのこの一言がこの中々日の目を浴びなかった甲賀の人達・・・所謂、草・・・現代では忍者と呼ばれる人達を本気にさせた瞬間だった。


 そもそも忍者とは忍びと書く通り、主に影の部隊だ。破壊工作から、敵の情報収集、時には相手の領民を攫ったり、女性は色仕掛けをして籠絡したりと色々な任務がある。


 だから、巷では透波者や乱波者と呼ばれていたりする。甲賀の人達も中には素行の悪い人達もやはり一定数居るようで、詐欺や窃盗なども敵地でするらしく、その事が武将達に嫌われる要因の一つだ。『だから草なのだ』と・・・。


 「とにかく・・・オレは今日は戻ります!みんなで仲良く食べて飲んでしてください!!後、間違っても泥棒とかしないでくださいね!?お金が欲しいならオレが渡します!ちゃんと報酬もお渡ししますので!」


 オレは特段報酬をどうしろと言われていない。言葉は悪いが勝手に慶次さんが連れて来たからだ。だがそんな冷たい事はオレは言いたくない。今回限りだとしても仲間になってくれる人達だからだ。


 「うん?滝川の叔父貴と折り合いはついてるぞ?」


 「慶次さん?それだけじゃ可哀想でしょ!?オレなんかのために約30人も駆けつけて来てくれたんですよ!?オレはこの人達に報いたいのですよ!」


 「そうか?まぁ武蔵がそう言うなら報いてやれ!後、たまにはオレにも報いろ!」


 「は!?この前山先あげたじゃないすか?なに言ってるんすか?」


 「いや、酒だけではなくたまには色町に行ったりもしたいんだ。だから銭をーー」


 「おまつ様!?慶次さんがーー」


 ガシッ


 「武蔵!!冗談って知ってるだろ!?な!?お前がどんな反応するか言ってみただけだ!さぁ!飯食おうか!」


 ふん。チョロい。何かあればおまつさんに言えばいいんだ。オレはあやめさんと夜ができないっていうのに慶次さんだけ遊ぶとか許さない。


 

 「合田様?少し構いませんか?」


 「うん?あやめさんどうしましたか?」


 連れて行かれた場所は家の横に建てられている蔵だ。


 「台車や農業用運搬車で荷を運ぶのですよね?」


 「一応、織田様にもそう伝えはしましたが・・・なにか不都合がありますか?」


 「いえ、従来の大荷車などは必要ないのか確認致しました」


 さすがあやめさんだよ。小さな事も気付き全ての準備までしてくれている。


 「多分大丈夫じゃないかな?城に持って行く米俵や有沙さんの爆弾とか色々用意してるの見たけど余裕を持って運べると思うよ!」


 「そうですか。分かりました。本日はもう戻られるのですか?」


 「そうだね・・・一応明日も未来で仕事だからね」


 「そうですか・・・」


 「どうしました?」


 「あ、いえ・・・もしよろしければ今度お暇な時に熱田に参詣とかどうかと思いまして・・・」


 「うん?お参り?いいよ!そういえば2人でどこにも行った事なかったですよね〜。あっ!どうせなら未来でデートもしてみますか!?あやめさん通れるし連れて行きたいところが山ほどあるんです!母親にも紹介したいし、仕事先の人にも自慢したいし、焼き肉デートもしたいしーー」


 「(クスッ)はい!私は合田様の呼ばれるところにはどこへでも行きます!」


 あぁ〜・・・愛おしい・・・オレマジであやめさんの事大好きだ。


 オレは蔵の中で唇と唇を合わせ戻る事にした。


 

 「おや?戻ってきたんだ?」


 「は!?田中さん!?こんなに作ったのですか!?さっきまで少なかった事ないですか!?」


 「見縊ってもらっちゃ困るよ?これだけあれば城下のほとんどの家に使えると思う!」


 「いやいやオレ、眠る事すらままならないんすけど!?」


 「ははは!大丈夫だよ!僕は今からこれを運ぶから武蔵君はゆっくり寝てくれ!後は、武蔵君が三河に行ってる間に用水路のルートを決めて掘るだけだから!」


 「ってか、掘るだけで大丈夫なんですか?セメント類は要らないんですか?」


 「その辺は大丈夫だよ。脆いところは使うかもしれないけど基本、泥土や赤土、粘土質の土と草類を混ぜ合わせた独自の物で用水路を固めるから問題ないよ」


 「そうなのですね。分かりました。今向こうではご飯食べてるので適当に挨拶して運んでください!」


 「了解!後、漆原君から電話があって明後日に荷物が届くらしいから僕が受け取っておくよ」


 「荷物ですか?なんですか?」


 「組み立て式ビニールハウスって言ってたよ?それにしても漆原君は凄いね。水耕栽培なんかもするみたいだよ?それにお城の防衛設備に青銅砲を配置するらしいよ」


 うん。もう何も言わない。青銅砲は間違いなく有沙さんが考えたものだろう。


 「後もう一つ、韮山反射炉に見学に行ったみたいだよ?さすがに反射炉は作れないと思うけど漆原君ならどうにかしてしまいそうだよね」


 マジかよ!?反射炉か!?


 「確かに里志君ならワンチャン・・・」


 「まっ、これで役割分担もできたしいいんじゃないかな?武蔵君は戦に行く。僕は領民の生活の質を上げる。漆原君は技術開発、一ノ瀬さんは武器開発!」


 「そうですね。綺麗に役割が割れましたね」


 「僕も調べたけど小荷駄隊は戦闘に参加する事はないと思うけど間違っても死ぬんじゃないよ?明日に武蔵君に渡す物があるから」


 「渡す物?」


 「うん。まぁ明日のお楽しみだよ!じゃあ僕は運んでくるよ!」

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