爺ちゃんと婆ちゃんの出会いそして秘密完
※1文120円くらいとネットで見ましたが作者は算数が苦手なため異論はあるとは思いますが100円にさせてください。
婆ちゃんが言うには安倍晴明さんが陰陽師の練習で色々な術を使った木がこの木らしいのだがいつしか安倍晴明さんの霊力?に充てられ神木になったのだとか。
だが、その神木を切るとそこから霊力が溢れ力が抜けていくが、紛い者の陰陽師かと思いきや安倍晴明はやはり本物みたいで徐々に切った木が再生するらしい。
だがその木が再生するのに時間がかかるらしくその間はドアが閉じるとの事。
「まぁ、でもまさか男や女を知らない者しか通れない道とは安倍がここに居れば笑ってやるのだがな!!ヘボ陰陽師めが!!」
「そうは言ってはいけませんよ?」
「ってか、婆ちゃんはじゃあ平安時代の人だったの!?」
「そうよ。色々勉強したんだよ?大変だったのよ?」
いや少し古い人とは思ったけどまさかそんなに古い人とは・・・。
「お母さんには伝えてなかったんだよね?」
「うん。宮子とあなたのお父さんに伝えようとはしたけど・・・ね?」
「そっか。オレはどうすればいいの!?」
「武蔵!お前はお前の好きにするといい。お前が良いと思う事、ワシ等は手助けできないが見守っててやるからな」
「え!?嘘!?爺ちゃん!?婆ちゃん!?どこ行くの!?何で消え掛かっているの!?」
「時間みたいだ。これも安倍から短期間に教わった術の一つでな?中々やるもんだろ?ワシも!ははは!これがワシと婆さんの秘密だ。後は・・・武蔵に任せたぞ!あやめ・・・いい女子じゃないか。幸せにしてやれよ?今少しツベの大きな女子でもワシは良いと思うがな?」
「は?」
バチンッッ
「痛ッ!婆さんや!?何をするんだ!?」
「あなた武蔵に何を教えてるのよ!いつになっても女のお尻ばかり追いかけて!!」
「すまんすまん冗談だ!」
「武蔵?あの子を大切にしておやり?優しい子に育ってくれてよかったよ。お友達と仲良くね?この家は武蔵の物だよ」
「婆ちゃん!!爺ちゃん!!!」
気がつくとオレは涙を流しながら目が覚めた。寝た時間すら覚えていないくらい起きた瞬間から疲れている。
隣にはあやめさんが寝ている・・・。
「合田様!おはようございます!お姉ちゃん知りませーーすいません!!失礼しました!」
部屋に来たのは、いろはちゃんだ。オレがこちらの世界で寝泊まりする時に起こしてくれるのがいろはちゃんで、いつものように来てくれたのだが・・・
「いろはちゃん!違う!違うから!横に居ただけだから!!」
「あぁ〜、合田様おはようござ・・・いろは!?何でいろはが居るのよ!?」
「お姉ちゃんも居るなら先に言ってよ!草失格だよ!合田様すいません。商いの準備をしておきます!準備できましたら出発しましょう!」
あぁ〜・・・いろはちゃんに変なところ見せてしまった・・・。後でもう一度ちゃんと言っておこう。それにしても商いか・・・休みたい・・・。ってか、キスしたくらいで通れないとかないよな!?
爺ちゃん婆ちゃんとはもう会えないのか!?あの写真からたまになんとなく分かる表情もなくなってしまったのか!?
オレは顔を洗い、着替えて戸を恐る恐る潜ってみた。
「あれ?普通に通れるじゃん!」
オレが独り言を言いながら戸を潜り婆ちゃん爺ちゃんの写真の方に目を向ける。
うん。分かる。なんか、あんな大それた感じに消えていったけど・・・うん。明らかに爺ちゃんのしてやったりな顔が思い浮かぶ。
婆ちゃんは申し訳なさそうな顔をしてるように思う。
「爺ちゃん!謀やがったな!?婆ちゃん?いつだったか忘れたけどオレが小学生くらいの時に爺ちゃんがパチンコで勝った時に『婆さんには内緒だぞ?爺ちゃんには若い彼女が20人も居るんだ!』って言ってたよ!」
パタンっ
これは事実の事だ。多分、大勝ちして有頂天だったんだろう。しかも彼女は多分飲み屋の姉ちゃんだと思う。婆さんに内緒と言われてたから今まで黙ってたけど今は声を大にして言ってやる!ははは!オレを泣かせた罰だ!
だがオレがそれを言うと婆ちゃんの写真棚が爺ちゃんの方に倒れた。うん。多分ビンタされたんだろう!いい気味だ!爺ちゃん!少しは反省しろ!!
「あれ?武蔵?帰ってきてたの?泊まりじゃなかった?」
「あっ、里志君おはよう!いや少し気になって帰ってきただけだよ!こんな朝早くからどうしたの?」
「合田君!おはよう!」
「有沙さんおはようございます!」
「いやたまには息抜きにね?ちょっと遊びに行ってくるだけだよ!」
チッ。デートか。オレは向こうでも仕事だと言うのに。
「明日に帰るから鍵は閉めて行くから!お土産も持って帰ってあげるからな!」
「は!?どこに行く予定なの!?」
「夢の国だよ!」
クッソ!!何が夢の国だよ!あぁ!そうかいそうかい!
「分かったよ!気をつけてね!」
「武蔵も頑張りすぎるなよ?顔が疲れてるよ?じゃあな!相伴衆!」
「田中さんが来てから出発するから合田君は商いしててもいいよ!頑張ってね!あとこれ!メール送ろうとしたんだけどちょうど来たから言うね!勝手に台所使わせてもらったけどよかったらみんなで食べてね?朝ごはんだよ!」
「ありがとう。美味しそうだね!みんなに持って行くよ!有沙さんありがとう!」
「ううん!いいの!美味しくなかったらごめんね!後、合田君本当に顔が疲れてるよ?無理しないでね?」
有沙さんはいいお嫁さんになるだろう。間違いない。そしてオレなんかにも気を使ってくれる優しい女性だ。里志君!激しく爆ぜろ!!!
有沙さん特製のおにぎりと卵焼きを持って戦国に戻る。
「あっ、あやめさんもう着替えたのですね!これ有沙さんからの朝ご飯だよ!みんなで食べてから出発しよう!」
「合田様・・・昨日はすみませんでした」
「謝らないでほしい。オレはあやめさんと一緒に居たい。あやめさんに言わなくてはいけないことがあるんだ。それは今日の帰る前にでも言うよ。とりあえず今日も頑張ろう!」
あやめさんが思い詰めた顔してるからオレはテンション高く振る舞うようにした。そして大酒飲みのカッコつけたがりの慶次さん。
「慶次さん!早く起きて!」
うん。案の定寝てるわ。これで警備してるとかちゃんちゃらおかしい話だ。
「うにゃ?おう。武蔵か?どうした?」
「いや有沙さんが朝ご飯作ってくれたから置いておくよ。後、田中さんが後で来るから来たら城下の商いの場所まで案内してくれます?」
「分かったよ。任されたし。オレは後少し寝る!深酒し過ぎた・・・」
ったく、大丈夫かよ!?
朝ご飯はおにぎりと卵焼きとウィンナーだ。誰が作っても同じに思うけど普通に美味しそうだ。
いろはちゃんはモジモジしながら現れ、伊織さん太郎君はいつもと同じだ。
「いろはちゃん!本当に何もなかったからね!?」
「いえ。以後気をつけますのですいませんでした」
「え!?合田様まさか!?」
「・・・・・」
いやいや伊織さんまで何だよ!?太郎君は何か言ってくれよ!?
「だから本当に何もなかったって!とりあえず食べよう!!」
有沙さんの事だからおにぎりに爆弾が仕掛けられているかも思ったが普通のおにぎりだった。ツナマヨ、明太マヨ、昆布マヨ・・・なぜかどれにもマヨネーズが入っていたが普通に美味かった。
「よし!腹も膨れたし行こうか!」
「「「「はい!!」」」」
とりあえずご飯食べた事でいろはちゃんもあやめさんも元に戻ってくれたようだ。ちなみに今日売るのは、いろはちゃんは、前回大好評だった缶詰だ。パワーアップして、カニ缶や桃缶、角煮缶や牛すじ缶なんかも買ってきている。
伊織さんの方は、有沙さんに選んでもらい通販で購入した激安のレディース下着やtシャツ、シャンプートリートメントも匂いの違うのを数種類と石鹸は前にも置いてあったが液体のボディーソープをラインナップに入れている。
そして今回はお試しでもう一つテーブルを増やし、これはあやめさんが対応する予定だが、値段を少し上げた100均で揃えた割れないコップや割れないお皿、バケツや水筒など色々便利そうな物を揃えてみた。
これらに関しては以前豆腐が20文だったから全部100文にしてみた。少し高いかもしれないが買える人は買える金額だと思う。そして一つだけ・・・
「ではこれだけ10貫にするのですね?」
「そうそう!買える人なんか居ないのは分かってる!要はディスプレイ商品だよ!」
なんとなくだけど1文がいくらかと分かってはきた。多分1文は現在の貨幣価値で100円くらいだと思う。そして1貫は1000文の束と聞いたから現在の10万円くらいだと思う。
先週初めて商いしていた時、お客さんの一人で仲良くなった領内のみの飛脚の人に日の俸給を聞けば20文と言っていた。1日2000円くらいの稼ぎだが、飯屋なんかもメニューにもよるがだいたい、5文とか高くても10文までだから食べていく分には大丈夫なんだろうと思う。
意外にも本当に貨幣制度が成り立っている事が素晴らしいと思う。
そしてあやめさんに並べてもらう10貫の商品・・・現代価値で言うには100万円だ。その商品とは・・・
「電動アシスト自転車だよ!」
「けどこれが10貫では購入できる方は限られますよ・・・」
「売れなくていいんだよ!見てもらうだけでいいんだよ!こんな高い値段なら何か気になり人が立ち止まるでしょ?それでいいんだよ」
この電動アシスト自転車は我がみんなのABCで売ってある自転車の主力商品だ。マウンテンバイクのような見た目でタイヤも太く、悪路に強い。そして車輪の回転で、モーターを充電しながら走る。平らな道では人力、中に組み込まれているジャイロセンサーが傾けばアシストが発動する仕組みだ。
飛脚の人が購入すれば多分日本一早い飛脚になるだろう。けど買えないだろうな。
「分かりました!では並べます!」
「よし!今日も張り切って頑張りましょう!!」
「「「「おぉーー!!!」」」」




