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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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バイトリーダーの企み

 身辺調査の事を考えても仕方のない事なのでオレは考える事を辞めた。まぁ普通通り生活していたので大丈夫だと思う。別にこっちでは何もやましい事はしていない!


 そして今日は向こうにお泊まりの予定だ。田中さんは明日には来る予定だ。ちなみに甘辛お肉は里志君も有沙さんもかなり気に入ったみたいでお金を出すから普通に購入したいと言っていたと田中さんには伝えている。


 今は土曜日の17時・・・。


 「里志君?オレ荷物運ぶの限界なんだけどいい方法ない?」


 「え?まさか人力で向こうも運んでたのかい!?台車とか持って行ってるんだろ!?」


 「え!?」


 「え!?」


 「なーに2人でオウム返ししてるの?合田君はだから疲れたって言ってたんだね!なら今から合田君の仕事場・・・みんなのABCに買いに行こうよ!そして帰りにお寿司食べよう!」


 あぁ〜・・・何で里志君が有沙さんに惚れたか分かった気がする。この明るい性格に惹かれたんだなと思う。


 だが、軽トラは二人乗りだ。どうしようかと考えているとここで里志君・・・


 「こんな事もあろうかと車用のホロを買ってたんだよ!会社の車だからあまり無茶してはいけないだろうけど、ほら!こうやってホロを被せて俺が後ろに乗れば分からないだろ?」


 「いや、そうだけど里志君は構わないの!?」


 「いいよ。この前も少し後ろに乗ったけど意外に気持ちいいよ?」


 やはり里志君は変わった。昔はこんな大胆な事する奴じゃなかったはずだ。


 まぁそれでも3人は車に乗れないので里志君の提案の通り、里志君が荷台、横には有沙さんを乗せてみんなのABCに出発だ。


 程なくしてお店に到着する。あまり会社の名前が入ってる車で客が見えるところに止めるのもどうかと思うから端の方に車を止めて店内に入る。


 「あっ、お疲れ様です!」


 「あら?合田君どうしたの?あっ!?まさか彼女さんかしら!?」


 うん。そうだよ葛城さん!彼女ですよ!と言いたいところだが友の彼女だ。


 「この子は友達の彼女ですよ葛城さん。今日は買い物に来ました!」


 「私はてっきり合田君の彼女なのかと思ったわよ。ごめんね?」


 「いえいえ。では失礼します」


 有沙さんも葛城さんのトークに少し引き気味だ。里志君は他にも買いたい物があるとの事で1人大きいカゴを持ってきた。


 3人で店内を見て回ると遠藤店長とにも挨拶をした。社長は来ていないらしく後はパートの学生のリア充ぽい子だけかと思いきや・・・


 「おや?武蔵君じゃないか!?それに漆原君に一ノ瀬さんじゃないか!どうしたんだい?」


 「あっ、田中さんお疲れ様です!」


 「お久しぶりです!田中さん。先日はお肉ありがとうございました!美味しかったです!」


 「私もかなり美味しかったです!ありがとうございました!」


 「ははは!ありがとうね。明日、例の場所にお邪魔しようと思っててね?兄貴が今日の夜に持って来てくれる事になってるから明日渡そうと思ってたんだよ」


 「そうなのですね!いくら渡せばいいですか?」


 「いやいや構わないよ!僕からの気持ちだから・・・ね?」


 うん。多分お漏らしの件を黙っててくれって事なんだと思う。オレはレジ横にあるマイクとインカム全てを同期させてみんなに声を大にして言いたい。


 『業務連絡します!バイトリーダー田中次郎さんが外回り中にお漏らししました!』ってね。


 まぁそんな事はさすがにオレも言いはしないけど。


 「ありがとうございます!なら今回はまたいただきますが更に次回食べたくなった時はお金払わせてください!親にも食べさせたいので!」


 「そうかそうか。ありがとうね?兄貴もお袋も喜ぶよ!それで今日は買い物かな?3人揃ってるって事は・・・」


 それからオレ達は台車を買おうとしてる事を言った。荷物を運ぶのが大概しんどい事。あのトイレのドアを潜れる大きさの物を探してると。


 「あれ?武蔵君持って行ってなかったんだ?それと例の講習はどうだった?」


 「持って行ってなかったです!講習会の方は大丈夫でした!公安委員会からちゃんと合格を貰い帰りに警察署に提出してきました!後は待つだけです!」


 「そっか!おめでとう!台車を買うならこれなんかどうだい?」


 オレ達が迷っていると田中さんがいい物をオススメしてくれた。農業用の運搬車だ。


 「あっ!オレも働いているのにこんな使えそうなのがあったの分からなかったです!」


 「ふん。武蔵君は甘いね?僕はバイトリーダーだよ?何でも聞いておいでよ?武蔵君は社員でもこの店では仕事歴では僕の方が先輩なんだからさ!」


 ヤバイ・・・田中さんが輝いて見える!女なら惚れてしまうところじゃないのか!?


 「あっ、田中さん?このパンフレットにある物も倉庫とかに置いてあるのですか?」


 落ち着いて質問するのは里志君だ。もう少し田中さんに華を持たせてあげてほしい。


 「これは取り寄せになってしまうね。こっちの方が値段は倍以上になるけど確かに便利だし、向こうでも運転を覚えてもらえれば誰でも運転できそうだね。ドアもちょうど入るくらいだと思うし」


 里志君が目に入ったものは乗用運搬車というやつだ。タイヤはキャタピラー先のと普通のタイヤのやつがある。どちらも独自ブランドの商品だが値段は40万と高額だ。


 「武蔵?どうする?どうせ買うならガソリンで動く方がいいだろ?その方が向こうで物を運んだりするのも楽じゃない?信長さんにも言えば戦のアドバンテージも取れると思うよ?」


 「そうだね。里志君がいいと思うならそれにするよ。お金はオレが出すからいいよ!」


 オレは先日の金を売って分けてもらったお金と、刀とか売ったお金全てを持って来ていた。4つの封筒に分けてではあるが350万くらいだろうか?ちゃんとリュックに入れてある。


 「いやいいよ。この前のお金で3人で折半すればいいじゃん。武蔵だけが負担する事ないよ」


 なんてできた友達なんだろうと思う。


 「そうだね・・・僕も仲間に入れてもらったから僕も出すよ。それに僕もこれから向こうに行きたいから普通の台車なんかも持って行こうかなって思ってたんだよ」


 「そうなんですね。けど田中さんお金大丈夫ですか?」


 「舐めてもらっては困るよ?独身の男はお金を貯め込んでいるもんだよ?武蔵君もかなり羽振りよさそうだけど武蔵君よりかは貯めてると思うよ?」


 いつも嘘ばかり言って、爺ちゃんみたいな田中さんだがこの件に関しては本当ぽく思う。


 結局購入した物は乗用運搬車と普通の台車2台、一輪車2台ミニクローラー運搬車というやつを購入した。


 このミニクローラー運搬車とはタイヤはキャタピラー式で後ろから手押しで進むタイプだが運搬車とは違うところが油圧システムとか装備されていて荷台を上げたりでき、馬力も小型ながら強いのだ。


 そして田中さんは台車を明日向こうで作るというのだ。さすがにエンジン式ではないが、スプリングを使ったサスペンション付きの台車・・・都合上、大荷車と言うが向こうにある大荷車を改造し、それで向こうのお金で作ると言っていた。


 オレがお金をいっぱい持ってるから活動資金は渡すと言ったが『お金はいくらあってもいいものだろう?2馬力で稼ぐ方が僕はいいと思うんだよ』と言っていたので、結局は田中さんも働くとの事。


 オレもそうだが日本人は働き過ぎじゃないかとここでも思う。まぁ田中さんは早速オレに『向こうの飲み屋なんか紹介してほしいんだけど?』と言ってもきているが。


 とにかく、明日適当にオレの家に来て戦国に来てくれていいからと伝えている。オレは向こうで泊まるという事も言っておいた。


 「じゃあ、漆原君!発注かけておくから!多分水曜日には店に届くから武蔵君に聞いてくれるかな?」


 「分かりました!ありがとうございました!」


 オレ達はすぐに持ち帰れる台車と一輪車を車に乗せて帰る事にした。寿司は店で食べようとしたがやはり警察に止められるのはまずいため電話注文して家に持ち帰って食べる事にした。


 信長さんに2度と食べ物のことで怒られるのは嫌なので極特上寿司10人前を4つ購入して家に戻った。

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