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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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爺ちゃんの跡を継ぐ第一歩

 今オレは警察署管轄の射撃訓練場に来ている。正直しくじったかなと思う。一昨日の大荷物運びだ。慶次さんや竹中さんに手伝っては貰ったがトイレから戦国の家まではオレが運ばなくてはならないからだ。


 途中、あまりに荷物が多いため慶次さんは上半身裸になり運んでくれた。それに感化されたのか竹中さんも上半身裸になり運んでくれたのだが・・・誰だよ!?竹中さんが軍師や名参謀とか後世に言い伝えたのは!?


 バリッバリの武闘派の体付きだったのでオレはビックリしたのだ。着痩せするタイプなのか服を着ている時は気が付かなかったが利家さんより更に引き締まった細マッチョだった。


 そして、竹中さんが里志君が購入した物や作った物に興味を持ったのだ。


 「これは誰が作ったのですかな?」


 「竹中殿!これは武蔵の相棒の里志が作ったのだ!俺も一度しか会えなかったが中々頭のキレる奴だぞ!」


 「ふむふむ。実に複雑な機構をしているのは分かる。この水車の回転を生かした発電機に関しては思い浮かぶ者は日の本には居らぬのでは?と思う。こいるなる物を巻いた物とじしゃくなる物を回転させるとは・・・面白い!」


 と、慶次さんとのやりとりを聞いたが、竹中さんが頭がキレるとの意味を分かった気がした。まずこの説明書だけで分かる事が異常だ。そりゃ確かに分かりやすいがもっと科学・・・いや、理科から習わないと分からない事だと思うぞ!?


 この件に関しては明智さんと竹中さんが話し合って色々設置するとの事。


 そして荷物を運んだ日・・・例の田中さんのお肉はあやめさんに渡しみんなで食べるように言ったのだが、昨日いつもの買い出しと人海戦術をした時に信長さんからかなり叱られたのだ。


 「貴様は何も分かっておらぬようだな?下々の民が食べる物をワシは食う事はせぬ!それはワシが食えば下々の民が食べにくくなるからじゃ!だが城の者・・・ワシより何故、犬やサル、貴様の家周辺だけ肉を食ろうておるのだ!?」


 と、夜にわざわざ怒鳴りに来たのだ。内緒にするつもりはなかったが何故バレたかと言うと、最近の慶次さんは率先して城の掃除を前田組という素行の悪い人達を纏め行っていたみたいで、それを見た信長さんが30日を待たずに禁酒を解除したからだ。


 その折に話の中で慶次さんが信長さんに『早くに肉を食らう世界を見たいですな』と言い、信長さんも肉は好きらしいが土産として納めた残り4切れとなった甘辛く炊いたお肉を食べて・・・


 「貴様は罰じゃ!!今から登城し遠藤からサイダーを貰ってこい!今宵は貴様の家で飯を食らう!かれーじゃ!あやめ!かれーを作れ!」


 と、夜の9時から我が儘を言ってオレが今筋肉痛なのだ。


 「全員揃ったからさっそく始めようと思う。岐阜県警生活安全課の権藤という。よろしく」


 受講者は中年の人達が多い。多分オレが1番最年少のように思う。


 講習会の内容は次の内容だ。


・猟銃の点検及び分解結合

・猟銃の保持及び携行

・模擬弾の装塡及び脱包

・照準及び空撃ち

・不発の場合の処理

・散弾銃…飛しょうする標的(トラップ又はスキート)に対する射撃等

・散弾銃以外の猟銃(ライフル銃等)…固定標的に対する射撃

・射撃姿勢、射撃動作


 と、送られてきた書面に書いてある。


 猟銃は警察署からの貸し出し品だ。この点検や分解結合に関しては正直できるか分からない。最初の数分、この権藤さんって人が目の前でしてはくれたのだが・・・。


 「合田さん!そこはこうやって……」


 「合田さん!違う違う!スライドさせて……」


 「はぁ〜・・・合田さん!だから………」


 「合田ッ!!それじゃあ点数を出せないではないか!!」


 うん。多分オレはこの権藤さんを怒らせてしまったのだと思う。最初は優しかったが気がつけば呼び捨てで語気まで強くなっている。だが、時間はかかったが撃つまでの動作はなんとかできるようになった。


 次は実際の射撃だが、また別の人が担当となった。


 「よろしくね。生活安全課の室井だ。君が友蔵さんの孫だよね?友蔵さんにはお世話になったよ」


 「合田武蔵と申します。爺ちゃんがお世話になりました」


 「いやいやお世話になったのはこっちだよ。いくら友蔵さんの親族でも八百長はできないからごめんね?」


 「いやいや大丈夫です!お願いします!」


 射撃の方は初めて撃ったが意外にも普通に目標物に当たったのだ。クレー射撃かな?オリンピックやなんかの競技にあるような事を最初やらされたのだが5発中5発当たったのだ。


 パチパチパチパチ


 「さすが友蔵さんの血筋だ!撃ち方といい、構え方がまんま友蔵さんと同じだよ?教えてもらってたの?」


 「え?いやいや僕が学生の頃に亡くなったので全然です!むしろ初めて撃ちましたよ!」


 「へぇ〜!凄い上手だね?じゃあ次は………」



 

 「よし!射撃はこの辺にしよう!えっとね〜・・・本当は絶対に言えない事なんだけど・・・射撃に関しては満点だよ」


 「本当すか!?ありがとうございます!」


 「うん。全弾命中なんて初めてでは中々できないよ?操作講習の方は分からないけど、まぁまず安心していいと思うよ!」


 室井さんは親しみやすい警察の人だ。それに本来言ってはいけない事を平然とオレに教えてくれるいけない人でもある。だが・・・嬉しいぞ!!!


 そして待つ事更に1時間・・・部屋で待たされオレの名前が呼ばれ手渡される書類・・・公安委員会からの技能講習講習修了証明書を渡された。


 「よくやった!合田君!本当はもっと優しくしたかったんだが私もこの仕事の手前上な?分かってくれ!私も友蔵さんにはお世話になったんだよ」


 そう言ってきたのは権藤さんだ。この人も爺ちゃんの知り合いだったのか!?


 「そうなのですね。今日はお世話になりました!」


 「うむ。この書類を警察署に提出し渡して後は待っているといいよ。少し時間はかかるかもしれないけど普通に待っててくれれば後日また書面が届くよ」


 「分かりました!ありがとうございます!」


 「自分の腕で仕留めた獲物を捌き、命のありがたみを知る事は大切な事だ。害獣駆除もあるだろう。友蔵さんもよく言ってた事だ」


 確かに小さい時言われた事がある。確かいつもはおちゃらけな爺ちゃんだったがあの時だけは真剣だった。


 『武蔵?この肉は爺ちゃんが仕留めた肉だ。どうだ?美味いだろう?食べるという事は命を頂くという事だ。可哀想だからとか残酷だと言うのはお門違いだ。毛皮や剥製のための狩猟や乱獲はよくない。分かるな?命を頂いた事に深く謝して食べるのだぞ?この肉が武蔵の糧となり肉となる。よく食べて大きくなるのだぞ?』


 小学生の時だったと思うが今でも覚えている。命とはなんぞや?と思った事だ。学校の道徳の授業より為になったと今では思う。


 だが確かこの事を言ったあと・・・


 「爺さん!?この弥生って人は誰ね!?何で写真がチョッキのポケットに入っている!?」


 「武蔵!男には逃げなくてはならない事もある!まぁゆっくり食べていけ!母さんにも残してやれよ?」


 「あっ!?爺さん!?どこへ行く!?」


 「婆さん!弥生さんはワシが教えた猟友会の子じゃ!初めての獲物をワシも狩った!その時の写真じゃ!パチンコ行ってくるぞ!」


 「あ!待ちな!何で手を繋いでる!?爺さん!2度と帰ってくるな!!!」



 オレは昨日の事のように思い出すこの光景を婆ちゃん爺ちゃんの写真の前で思い出した。講習会が終わったこの日の夕方・・・オレはようやっと爺ちゃんの跡を継げる一歩を踏み出したような気がした。


 婆ちゃんも爺ちゃんも笑ってるように見える。


 「武蔵!おめでとう!」


 「合田君!おめでとう!」


 里志君、有沙さんからも嬉しい事を言われる。


 「多分身辺調査になると思うから暫くラボは稼働させないようにするから安心していいよ!」


 は!?身辺調査だと!?

戦国の話が少なくすいません。これから暫くは戦国の話になる予定です。

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