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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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目指せ動画職人

 現代に帰りスマホを見ると凄まじい数の着信が入っていた。里志君からだ。


 いったい何事かと思いすぐに掛け直した。


 「もしもし!?里志君!?どうしたの!?」


 『あ!やっと繋がったか!悪い!悪い!実は有沙と考えた事があるんだよ!今から行っていいかい?』


 「いいけどもう遅いよ!?」


 『そうだね。ごめんごめん!けど試したいんだ!』


 何か分からないけど里志君はすぐに試したい?ようなので来てもらう事にした。


 オレはその間に戦国での汚れを落とすため風呂に入りジャージに着替えて待っていた。正直言って今日はもうクタクタだ。早くベッドで寝たい。


 「あぁぁぁ!!大事なラブレター忘れてたぞ!!!」


 いつもの独り言でラブレターの事を叫んでしまった。


 その叫んだ時に、爺ちゃんの写真が光ったように見える。


 「なぁ?爺ちゃん?爺ちゃんって何者だったの?警察の人もかなり知ってるみたいだったよ?」


 オレが問いかけると棚の上に置いていた爺ちゃんのヘルメットが落ちた。


 「うをっ!?ビックリした!心霊か!?」


 思わずビックリしてしまうが間違いなく爺ちゃんのような気がする。しかもそれと同時に鮮明に思い出す事がある。


 あれはオレが小学生の時・・・参観日の道徳の授業で使うからという宿題の時だったと思う。父ちゃんの居ないオレは父親の職業を書く欄が埋められず爺ちゃんに聞いたよな。


 「爺ちゃん?爺ちゃんって仕事なにしてるの?」


 「お?何だ武蔵?仕事か?わしゃ〜日本のスパイだ!」


 「嘘!?爺ちゃんスパイなの!?カッコイイ!!」


 オレはこれを本当だと思い大真面目に宿題の答えとして書いた。それを参観日の日に堂々と発表したのだがあれ程恥ずかしい思いをした事がない。


 帰って事の顛末を爺ちゃんに言うと・・・


 「がははは!武蔵は信じたのか!良い子に育っているな!!」


 バンッッ!!!


 「うわ!?なに!?ビックリした!!」


 「武蔵!わしの仕事はこれよ!」


 ポン!ポン!


 「ヘルメット?」


 「そうだ!わしに家を作らせると右に出る者は居ないんだぞ?そうだな・・・実はここだけの話・・・わしゃ〜・・・やっぱやーめた!」


 「なに!?気になるじゃん!なんなの!?」


 「武蔵は秘密を守れるか?」


 「うん!守れる!」


 「よっしゃ!実はわしはアメリカの自由の女神を作ったんだ!」


 「嘘!?本当に!?自由の女神を!?」


 「馬鹿!声が大きい!!」


 「爺さん!!!あんたまた武蔵にホラばっか吐いてるのかい!?宮子から電話があってかなり怒ってたわよ!あんなに恥ずかしい思いは未だかつてした事がないって!!こら!待ちなさい!!」


 「武蔵!男でも逃げないといけない時もある!今がそれだ!婆さんを頼む!パチンコに行ってくる!お菓子持って帰ってやるからな!!がははは!」


 

 あの時のヘルメットをポンッ ポンッと叩いていた時のような感じがする・・・懐かしいな・・・。とんでもない爺ちゃんだったよな・・・。

 

 嘘ばかり言って、その度にオレは信じてたよ爺ちゃん・・・けど、オレの中では間違いなくスーパー爺ちゃんだよ!

 

 「報告遅れたけどオレ・・・爺ちゃんのレミントン使って猟師になるよ!」


 オレがそう言うと婆ちゃんの写真が爺ちゃんの方に倒れた。


 「あっ!ごめん、婆ちゃんに内緒にしてたんだったよね!爺ちゃん!ごめん!」


 そんな1人コントみたいな事をしながら手紙を読む。


 『合田様、数々の御厚意ありがとうございます。字は読めていますでしょうか?無事に引っ越しも済み、妹や同郷の者の面倒もありがとうございます。つきましては先日いただいた返事をお返しさせていただければと思います。不束者ではございますが何卒よろしくお願い申し上げます。あやめ』


 キタァァ!!!あやめさん!!!ありがとう!!!ありがとう!!!


 オレは嬉しさのあまり手紙にチュッチュッしてると里志君と有沙さんが来ている事に気付かなかった。


 「えっと・・・武蔵?大丈夫かい?」


 「合田君大丈夫?今日の夜間の救急病院はーー」


 「ダァァァーー!!!今のは見なかった事にして!!お願い!!!」


 「いやいやどうしたの!?手紙にキスしてるなんて・・・」


 いやいや何でわざわざ言葉にして言うの!?


 「大丈夫だから!!気にしないで!!」


 「そっか。あまり触れないでおくよ。あ、これ食べてよ。来る時に買って来たんだよ。たこ焼きだよ」


 「そうそう!3人で食べましょう!」


 あぁ〜!オレも大学に行く頭があればこんな青春を毎日・・・ここにあやめさんが居れば完璧だったんだけど・・・今から呼んでくるか!?里志君に自慢してやるか!?


 「あっ、美味ッ!このたこ焼き美味しいね!」


 「そうなんだよ。俺もこの金タコ大好きなんだよ!カリカリっとして美味いよな!まぁそれはそうと、有沙と考えたんだけど、俺と有沙・・・ビーチューブに動画上げようかと思ってるんだよ」


 「フボォッ!!ゲホッゲホッ!」


 「合田君!大丈夫!?」


 「いや有沙さんすいません。ビックリしただけです。それでなんの動画上げるの!?カップルチャンネル!?」


 「え?いやいやそんな事じゃないよ!本物の戦国時代を武蔵に撮影してもらって教育系の動画とかいいかな?と思ってるんだよ」


 「そうそう。私達もそれなりにやりたい事あるし知恵は持ってるつもりだけど視聴者が増えると、その中にもっと画期的な知恵を持ってる人も居るかもしれないじゃん?」


 「いや、仮に動画撮影するとして戦の風景でも撮影して来いとか言うの!?オレに戦場カメラマンになって来いと!?」


 撮影 合田武蔵 ディレクター 一ノ瀬有沙 監督 漆原里志 になるのか!?嫌だぞ!?絶対に!


 「ははは!そんな戦なんて血もあるし死体も映るからそんな編集できるわけないじゃん!俺達が求めているのは日々の領民や民の生活とかだよ!家とか城下町はどうなっているかとかを撮影してほしいんだよ」


 「そう。それを私達が編集してupする!飽く迄、歴史の教育チャンネルのつもりだよ!最近のCGやAIを使った映像と言えば信じると思うんだよね」


 「いや、もしそれが有名になって秘密がバレるとどうするの!?ドア回収や、研究されてしまうんじゃない!?」


 「まさか!俺達が誰にもこんな秘密言うわけないじゃん」


 ここは里志君達を信じたいが・・・けどどこかでバレてしまうことも・・・。


 「そうよ!こんな研究にうってつけの場所を誰かに取られたくなんてないし!」


 あ、うん。有沙さんは大丈夫だ。なんとなく信じられる。


 「本当の事を言うとね・・・俺は自分の実力でどこまで人を動かせるか試したいんだ!そしてそれを記録に残して、それを活かした仕事をしたい!それを試せる場所を見す見す逃すと思うかい?」


 あ、うん。里志君も多分大丈夫だ。いつから意識高い系になったんだよ・・・。


 「里志君は主になにを試したいの?」


 「それは、絵や文字だけでどれだけ物が作れるか調べてみたい。海外に技術を送る時、必ずぶち当たる問題が言語なんだ。それは精密な機械を扱う物程、解釈の違いが大変な事になる」


 「そうだけど・・・」


 オレはいったい誰と話しているんだ!?こんなやつだっけ!?


 「昨今の、未知のウイルスのせいで現場に出向かずにオンライン電話でやり取りする事が多いだろう?それを見越して・・・まぁオレは武蔵君を通してだけど、如何に自分が絵や文字だけで戦国の人に伝えられるか試したいんだよ」


 うん。オレは里志君を侮っていたわ。まっ、バレたらバレたで来ればいいさ!魔法使いじゃないと行き先はただの便所だ!!


 「それにね、合田君?何をするにしてもお金がいるでしょ?もしうまく登録者が増えると広告収入が入るかもしれないよ!そうなればみんなで3等分しましょ♪」


 「分かったよ!じゃあ先行投資!これ渡しておくからパソコンやモニター、里志君が欲しい物、有沙さんが欲しい物を買ってくればいいよ!合鍵は一つしかないから無くさないようにね!」


 「このお金は!?」


 「前に信長さんから貰った刀売ってできたお金だよ!とりあえず100万もあれば大概揃うでしょ?」


 「ヒュ〜!合田君さすが!里志!行こう!私は硝酸カリウムや硫酸が欲しい!」


 「それなら俺だって石炭や発電機能のある水車を……」


 いや何を買おうとしてるんだ!?


 「とりあえずパソコンのお金だけ借りてもいいかい?買い物は通販で購入するから、送り先をここにしてもいいかい?」


 「でも昼間仕事でオレは居ない事があるけど大丈夫?」


 「大丈夫だよ!その時は私が居るようにするか、コンビニで受け取りするから!!」


 この事に1番やる気なのは間違いなく有沙さんだな。

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