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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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暇のない1週間

 もう次の日から大忙しだ。日中は仕事をし、帰りに布団を購入したり無作為に色々な服を購入したり商品を切らさないように缶詰、レトルト食品なんかを大量に購入した。


 ちなみに、明智さんにもらった刀・・・例の如く池田マダムに持っていくと、池田マダムの知り合いに刀コレクターの人が居るみたいで今回は池田マダムが間を取り持つけど今後も、もし倉庫に刀が眠っているのなら直接連絡してほしい。と、とある人の名刺をもらった。


 そして、今回の刀は名工正宗の門人 貞宗って人の作ではないかと。4口が国宝、11口が重要文化財となっている人の作品だろうとの事。


 ただ残念ながらこの人の作品はとても多く、評価は高い刀工らしいがこの前のような値は付かなかった。


 池田マダムからいただいたのは50万円だ。それでもオレからすれば超大金だ。それにこの前の刀のお金もほぼほぼ余ってるし。


 そして、夜のお勉強の方だ。書店で某有名学舎監修の小学1年生の算数の教科書4冊、国語の教科書4冊を購入して色々教えている。


 まずアラビア数字だ。これを覚えてもらわないと何も始まらないからな。そして楷書文字だ。文字に関してはみんな書けなかったみたいで、唯一あやめさんが少しだけ文字を書けたみたいだが・・・


 「なんすか!?この文字!?なんて書いてあるのですか?」


 「もうしわけございません。勉強し文字を滝川様から習い書きました。合田様もお読みできるようこれからも精進致します・・・グスン」


 と、あやめさんを泣かせてしまう出来事があったのだ。多分相当練習したのだろうと思うが・・・どう頑張ってもこんなミミズが這ったような字は読めん!!


 こんな事がありながらあやめさんには謝り倒し楷書体を教えると、元々の頭は良いのだろう。あやめさんはすぐに覚えていた。まずは平仮名だけでも覚えてもらえると助かる。


 他には城に呼ばれ、信長さんや、明智さんに何故2人が来れなくなったかの説明をしたり、有沙さんが持って来たテルミット爆弾?の威力を調査するとの事でハンドミキサーの使い方を教えたりした。


 この爆弾は正直予想以上だった。ハンドミキサーで紙に書かれていた枚数のアルミホイルを粉々にして、小さな箱に入れる。そしてその中に酸化銅を入れて、箱の外に少し長めの導火線を繋ぎ火を点け放り投げると・・・


 ブゥォーーーーンッ!!!!!


 「「「おぉぉぉぉ!!!」」」


 「やったではないか!!」


 「これは素晴らしい!!」


 明智さん、明智さんの配下の人達と夜に岐阜城北側にある空き地で行ったのだが・・・・火が消えないのだ。


 この後水を掛けたりして炎上は免れたが信長さんから怒られたのは言うまでもない。ただ信長さんも城の上から見ていたらしいがかなり褒められた。


 そして里志君の提案の水車を利用した高炉の方だがこっちは全て明智さん任せだ。正直燃料となるコークスなんかは持ってきてあげてもいい気はするが里志君が紙にコークスの作り方なんかも書いているが、まずは木炭で試すと書いてある。


 コークスの原料となる石炭を採取しないと始まらないからこれはまだ先の事だ。石炭こそ買って来てあげてもいい気がするが。なんなら仕事先に10キロ5000円で売ってるんだけどな。


 信長さんからは・・・


 『来れなくなった者は仕方がない!貴様が間に立ち、つぶさに連絡を取り合えるようにしておけ!会えなくなったとはいえ、ワシは貴様の配下とした事を忘れるな!』


 と言われたのだ。里志君も有沙さんもこの時代に来れなくなったのは非常に残念そうだったがこれからも色々手助けしてくれると言ってくれてるからオレとしては嬉しいし心強い。


 自分の手で色々な人を指揮して動かしてみたかったと里志君は言っていたが・・・


『武蔵にあれこれ言い、動画や写真で成果を見るのは就職した時に担当者が休みの時などプロジェクトに携わる責任者や部下が不在の時にも対応できるかという実験にもなる』


 と、意味の分からない意識高い系な事を言っていた。


 有沙さんに関しては・・・


 『当面、あのテルミット爆弾が威力を発揮するだろうけど、陸の戦いだけではなく海の戦いにこれからはなるだろうから里志が考案した水車の動力を元とした製鉄技術が向上すれば野戦砲を教えるよ♪』


 と、とても並の女の子が言う事ではない事を嬉々として言っていた。


 色々な事があった1週間だったがまだ終わりではない。あやめさんはまだ大丈夫だが、伊織さんや太郎君、いろはさんの算術がオレの思う程に達していないためもう1週間先に伸ばす事にした。


 まぁ、正直これは言い訳に過ぎないが営業しようと思えばできる。猟師の免許を取るため現代でもやる事が多く、戦国時代ばかりに居る事ができないのだ。


 ちなみにだが、算術や楷書体の件だが意外にも慶次さんが覚えるのが超早い。というか、2日教科書を貸しただけでアラビア数字、平仮名、漢字をマスターしていたのだ。


 「がははは!俺に掛かれば朝飯前よ!これで俺も未来に近づけたなぁ!武蔵!もっと教科書とやらを持って来てくれ!」


 と余裕かましてたので、オレでも危うい分数やルート、素数、因数分解などの問題が書かれている教科書、中学生までの漢字ノートを山程買って渡してやった。


 「さぁ!大好きな勉強の教科書ですよ!頑張ってください!」


 「おっ!こんなに構わないのか!?酒が飲めぬ今しかできぬ事だからな!武蔵!恩に着るぞ!」


 オレはほぼほぼ嫌がらせのつもりで渡したのだが慶次さんは本当に喜んでいるようだ。頭が良いのだろうと思う。




 オレは今、警察署に来ている。そう。銃の所持資格を貰うため猟銃等講習会を受けたいからだ。


 「どうされましたか?」


 「あのう・・・猟師になりたくて猟銃等講習会を受けに来ました」


 「そうなのですね。ではこちらへ来てください」


 初めて警察署内に入ったけど笑ってる人が居ないんだけど!?


 そして通された場所は会議室?みたいなところだった。


 「担当者が参りますので暫くお待ちください」


 待つこと5分程で60歳くらいの、いかにも警察官!って分かるような人が現れた。


 「えー、君が猟師になるために猟銃等講習会を受けたいと聞いたのだが?」


 は!?聞いたのだが?じゃねーよ!受けたいから来たって言っただろうが!普通の店ならクレームもんだぞ!?


 「はい。その通りです」


 「へぇ〜?理由は?」


 いやいやこの人なんなんだよ!?なんでこんな高圧的なんだよ!?


 「爺ちゃんも猟師をしていて、その爺ちゃんに触発されてって感じです」


 「うん?合田武蔵君・・・・合田・・・合田友蔵さん?」


 「え!?あ、はい!爺ちゃんの名前です!」


 「おぉー!!友蔵さんの孫か!!似ていないな!?友蔵さんにはお世話になったんだよ!すまんすまん!」


 は!?警察がこんな態度でいいのか!?ってか爺ちゃん何者だよ!?警察がお世話になったってどんだけ凄いんだよ!?


 「そうなのですね。僕には優しかった爺ちゃんだと思っています」


 「そうだろうな!よく孫に牡丹鍋を食わせてやるとか、熊肉を食わせてやりたいとか言っていた人だったからね!あっ、何故僕が知り合いかと言うとね・・・」


 この警察官が言ったのは害獣駆除要請なんかがくればこの警察官が担当らしい。今でこそそんな要請は少なくなったが昔はよくあったみたいで、色々な猟師が昔は居たが中々その獲物を駆除できる人が居なかったらしい。


 それを友蔵さん・・・オレの爺ちゃんに頼むと猪だろうがカラスだろうが熊だろうが必ず仕留めていた凄腕猟師らしい。


 「そうだったのですね」


 「いやぁ〜懐かしいね〜。ってごめんごめん!じゃあ手続きに入るよ。まず配偶者は居るかい?本籍地と………」



 長かった・・・根掘り葉掘り聞かれた・・・。


 結局は申込書を書かないといけないのと、顔写真や本籍地が書かれた書類、印鑑などがいるみたいで後日にと言われたがオレはすぐに用意してくると言って、1時間程かけて再度警察署に向かい受講料の支払いも済ませて今に至る。


 ちなみに猟銃等講習会は1ヶ月に一回行われているみたいで、たまたま空きがあったのと、今月の講習会がたまたま来週との事。しかもオレが仕事休みの日だったためそこで受ける事にした。


 警察署の生活安全課?の中年以降の警察官の人達にかなり頭を下げられた。


 『友蔵さんにお世話になったよ』とか『友蔵さんと目元が似ている』『友蔵さんの血が流れているみたいだな』とかだ。


 まさかこんなに爺ちゃんが有名な人だとは知らなかった。


 帰り際に最初担当してくれた警察官の人が教えてくれた。


 『初めて撃つだろうけど焦らずにすれば合格できるから頑張りなさい』と言ってくれた。


 ネットで一応は見たけど本当に撃つんだよな。信長さんに言って戦国時代で撃ちまくってやろうか!?


 ヒャッハー!戦場は地獄だぜ!とかやってしまうか!?

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