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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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肝っ玉母ちゃん

 仕事が終わりコンビニでビール6缶とカップ焼きそばを買って帰る。これでバイト代が空っぽだ!なんと清々しい!何かあの時代のコップでも貰って質屋にでも売らないと土産すら持っていけないぞ!?


 そして17時過ぎに家に帰ると母ちゃんとインターネットの業者が居た。


 「あら?お帰り?あなたの電話番号教えるの忘れてたからお母さんに電話きたのよ?だから作業してもらったわよ?」


 「え!?あ、確か今日だったんだ!忘れてた!」


 「ではここにサインをお願いします。作業は終わりましたので後はお楽しみください!」


 「悪いわね?ありがとうございました」


 そう言うと業者は帰りオレと母ちゃんだけになる。


 「あんた!自炊すると言ってコンビニご飯でもなくカップラーメンばっかり・・・しかもお酒!?そんなにあんた飲むの!?」


 「ち、違う!たまに飲みたいと思って買って帰っただけだし!まだ生活に慣れないから食べてるだけだから!!」


 「そんな事ばかり言って・・・ちょっとトイレ借りるわよ?あんたは早く風呂に入りなさい!」


 「いや!ちょ!トイレはーー」


 ガチャン


 オレの言葉虚しくトイレに消えた母ちゃん・・・ヤバイ!


 「母ちゃん!!?大丈夫か!?」

 

 ガチャガチャ


 「ちょ、ちょっと!?なによ!?あなたそんな趣味があったの!?」


 「え!?」


 「もう!え!?じゃないわよ!落ち着いてトイレも行けないじゃないの!なんなの!?」


 「え!?いや・・・ごめん・・なんでもない。ってかトイレ普通だった!?」


 「なに言ってるの?ボットンどけど普通よ?頭おかしくなったの!?それともそんな趣味があるの??」


 「趣味って・・・そんなのあるわけないじゃんかよ!!」


 「どうだか・・・あなた彼女の1人も連れて来ないじゃない?お母さん心配なのよ・・・。外で犯罪起こしてしまわないか・・・だから・・・ね・・」


 「違う!断じて違う!覗きなんか趣味じゃないから!いいから早く帰って!大丈夫だから!!」


 「分かった!分かったわよ!もし変な気が起きれば電話しなさい!お母さんが止めに来るから!!」


 なんとまあ肝っ玉母ちゃんだと思う。少し自分でもマザコン気味とは思うがまさか実の母親を、そういう目では見た事すらない!女手一つで育ててくれたから恩はかなり感じてはいるが。


 母ちゃんが帰った後、風呂に入りカップ焼きそばを食い、例のドアに向かう。母ちゃんですら入れる便所だが何故オレだけ戦国時代に通じるのだろうか・・・。


 まさか戦国時代と遮断してしまったのか!?と思い、意を決してドアを開ける。


 「よく来た・・・」


 ドアの先には池田さん?が正座をして待っていた。


 いやよく来た・・・ってあんたはゲームのラスボスかよ!?あんたらが来いって言ったから来たんだが!?


 「えっと・・・失礼します。これ・・・ただのカップ焼きそばですがどうぞ。昨日のラーメンお口に合いましたか?」


 「・・・・・・」


 「池田様?」


 「ワシは貴様が嫌いだ」


 は!?いきなり嫌いだってなんでだよ!?さすがのオレでも嫌いだ!って言われた事はないぞ!?昔小学生の頃、女子に『むさしくんの頭臭〜い!』と言われた事はあるけど嫌いとは・・・。


 そもそもあの時は風邪引いて熱が前日にあったが母ちゃんを心配させまいと思い子供ながら我慢して次の日そのまま気力で登校したんだよ!しょうがないじゃないか!!

 

 「えっと・・・すいません。ではこれビールです。適当に飲んでください。帰りますね。失礼しまーー」


 「待て!誰が帰って良いと言った!?ワシは嫌いだと言うただけではないか!?」


 いや嫌いと言われれば普通は帰りますがこの時代では普通なのですか!?


 「嫌いと言われればさすがのオレでも辛いというかなんというか・・・」


 「座れ。昨夜貴様から貰ったあのうどん・・・」


 「カップラーメンですか?美味しくありませんでしたか?」


 「逆だ。むしろ美味すぎてあの後大変だったのだ」


 そこから家臣一同ラーメン争奪戦が起こったそうな。一本の麺を賭け、角力を行い勝った者が食べるという風になったそうだ。身体の小さい池田さんは速攻で負けてしまったと。


 そして身長の高い前田利家さんが勝ち残ったと。


 前田利家さんね・・・名前は知っている。加賀100万石の人だったよな?今はまだだと思うけど。大きいと言ってもこの時代ではだろうな。オレでもこの時代なら大きい方に入るかな?


 「そもそも6尺にもなるのがおかしいのだ!」


 いや6尺って何センチだよ!?


 「ほうほう!失礼するぞ!池田殿そろそろ・・・・おう!お前か!確かむにゃし君だったな!?」


 「え!?い、いやオレですか!?オレは武蔵ですけど!?」


 「そうだそうだ!すまん!よく俺は人の名前を覚えられなくお館様に怒られるのだ!ここは俺を1発殴ってくれ!それが詫びの印だ!」


 「いや、気にしないからいいですよ!?そもそもオレは暴力に慣れていないのですよ!!」


 そもそも武蔵をむにゃしってわざとかよ!?間違えるところないだろ!?


 「い〜や!それではいかん!殴ってくれ!でないと俺は自分で自分を許せなくなる!」


 いやどんだけ熱い人だよ!?ってかそもそもこの人デカすぎんだろ!?180センチくらいあるぞ!?マジもんの奴じゃねーか!?


 ペチッ


 「これでいいすか!?ってかこれ以上は勘弁してください!」


 「そもそも武蔵君は身は俺ほどではないがそこそこあるのに細いな?鍛えているのか?ちゃんと食っておるのか?時間があるなら鍛えてやるぞ?」


 いや結構でございます。ってか全力で拒否します。そもそもオレは現代に帰ります。


 「それはまあ・・・またの機会にお願いします」


 「前田!ここはワシの部屋だ!誰も入って良いとは言っておらんだろうが!」


 「あ?ちゃんと先触れしたではないか?入るぞ?と」


 「だから誰が許可した!?入るぞとは言ったがワシは返答していないだろうが!」


 「あっ!確かにそうだな!俺としたことが・・・相すまぬ」


 前田利家・・・頭弱い人なのか!?


 「すいません、今って西暦何年ですか?」


 「せいれき?せいれきとはなんだ?」


 「あぁ〜・・・今って何年ですか?」


 「おかしな事を言う奴だな。今年は元亀3年じゃ!」


 「元亀3年・・・1572年か!?家の中だから分からないけど暑くもなく寒くもない・・・春か秋・・・」


 「何を言っている?ちなみに今は皐月だぞ?」


 「前田様ありがとうございます。少しお待ちください。すぐに戻ります」


 そう言って一度家に戻りざっくり出来事を調べる。


 「え!?三方ヶ原の戦いの前か!?徳川家康の危機じゃん!?12月22日からって事・・・皐月は5月だから・・・半年くらいか!?ゲッ!?二俣城の戦いってなんだよ!?初めて見たぞ!?10月!?もうすぐじゃないか!?」


 そこで急にばあちゃんの写真と目が合う。微笑んでくれてるようだ。


 「ばあちゃん!ちょっと行ってくる!じいちゃん!念の為ヘルメット借りて行くよ!」


 そう言い、池田さんのところへ戻る。


 「なんとまあ!?どうなっているのだ!?池田殿は分かるのか!?」


 「知らぬ!存ぜぬ!急に現れたのだ!ワシの部屋に!しかも此奴最初に糞を漏らしやがったのだ!その次は小便だ!まったく!」


 「ははは!人は糞も小便もしたくなるさ!しょうがない!おい!武蔵君!お館様様の元へ行こうか!な〜に!近寄る者は俺が追い払ってやろう!」


 「あっ、前田殿!それはワシの役目である!!待てい!」



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