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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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みんなと邂逅

 さっそく2人を連れて登城する事にする。この2人は暫く休みだろうがオレは明日からまた仕事だ。


 「それにしても本当に摩訶不思議な事もあるんだね。だってタイムスリップでしょ!?」


 「本当!本当よね!合田君!連れて来てくれてありがとう!!」


 いやいやこれがオレとの差か!?陽キャと陰キャの違いか!?順応早すぎじゃね!?


 「いやオレは慣れるまで時間掛かったけど2人は凄いよね」


 「そうでもないよ。まだ大事な戦国時代の主人公に会っていないしね」


 やっぱ里志君も、彼女さんも信長好きか。やっぱだいたいはそうなるだろうね。オレもそうだ。


 「私は織田信長さんもだけど伊達政宗さんに会いたいかも!?」


 はい。出たよミーハーだな。まあ人気武将ランキングには必ず入っているよな。伊達政宗。


 「それにしても武蔵は変わったね。なんていうか・・・逞しくなったというかさ?」


 「さっき利家さんに会っただろ?利家さんに鍛えられてるからな。さて到着だ」


 「「うわぁ〜!!」」


 まぁそういう感想になるだろう。城詰めの下働きしてる人達の注目の的だ。


 「合田様お疲れ様でございます」


 「あれ?遠藤さん?どうされましたか?」


 「いえ。合田様を迎えに行ってこいと言われまして城を出たところ見かけましたので・・・お二人が例の件の?」


 「え!?あ、はい!1人は予想外の方ですがもしかすればオレはお役御免になるかもしれません。オレより凄い知識をお持ちです」


 「いやいや御謙遜を。お館様に面と向かって意見できる方はそうは居ませんよ。どうぞこちらへ」


 遠藤さんはオレに気を使ってくれてるのだろう。マジで場合によってはオレはお役御免になりそうだ。そうなればあのドアは里志君に託そうか。


 「お館様!合田様並びに御客人の2人をお連れ致しました」


 「うん?2人だと?聞いておらぬぞ?まぁ良い。誰もこの部屋に入れるな」


 遠藤さんが襖を開けてくれてオレ達が入ると静かに襖は閉められた。


 部屋には信長さんと明智さんが座っていた。そして信長さんは茶を点てていた。


 「こんにちわ。例の人を連れて参りました。そしてもう1人は・・・許嫁みたいな感じです」


 「うむ。良い。静かにしておれ」


 シャカシャカシャカシャカシャカシャカ


 「ほほほ。御二方はそう固くならず・・・何も作法なんか気にしませんよ?足を崩しなさい」


 里志君も彼女さんも正座していて固くなっているな。まぁまだ自己紹介も終わってないし明智さんの事も誰か分からないだろうしな。


 「うむ。頃合いか。織田上総介平朝臣信長である!まぁ飲め」


 「ありがとうございます。拙者、漆原里志と申しまする。合田武蔵の友にございますれば」


 いやなんちゅう話し方だよ!?この時代に合わせなくていいんだぞ!?


 「クハハハ!!!武蔵とはだいぶ違うのう?構わぬ!好きに話せ!未来訛りには此奴で慣れておるわ!して、そこの女子は?」


 「え!?わ、わたし!?すいません!私は一ノ瀬有沙と申します!里志の彼女です!」


 「そうか。よう参った。まあ冷めぬ内に飲め」


 「「いただきます」」


 2人はここでも以心伝心か!?チッ。


 ジュルジュルジュル


 「え!?甘い!?凄く甘い!?」


 「ほう?武蔵と同じ反応をするか。どうじゃ?ワシが点てる茶は美味いか?」


 「はい!大変美味しゅうございます!!」


 「良きかな」


 2人は本当に美味しそうにお茶を飲み干した。そして飲み終わる頃合いに明智さんが口を開く。


 「某は明智十兵衛光秀。聞きたい事が山程ある」


 「はぁ〜・・・なんでしょうか?」


 里志君は何か考えながら返事をしたが訝しむ感じだな。


 それから明智さんは多分この時代ではかなり貴重だろうと思う和紙を開きオレ達に見せて来た。そしてそれが爺ちゃんのレミントンの図解と部品の名称だろうとすぐに分かった。里志君も気づいたようだ。


 「まさか!?ショットガンですかこれは!?」


 「ほう?しゃっがんとも言うのか?」


 いやいや信長さん!?何で英語訛りぽく言うんだよ!?発音できんのか!?


 「ほほほ。これは武蔵殿のお祖父様の遺作にて。これを我等の力だけで作ろうと奮闘しておるのですよ。けど、分からない未知の素材、部品も多く難航しておるのですよ」


 「見せてもらってよろしいですか?」


 里志君はさすがだ。さっそく遺憾無く頭を使おうとしている。そしてなんか2人でこしょこしょ話しをしている。


 「えっと・・・単刀直入に言っていいですか?」


 「うむ!遠慮はいらぬ!」


 「すぐに、これをここで作るのは難しいかと」


 「それは何故だ!?」


 「まずここです。ここのフォアエンドとマガジンチューブのところにあるこの材料・・・これはゴムになります。これはまだ世界でも実用されていないと思われます」


 「ふむふむ。これはゴムという名前か」


 「里志君?ゴムなら別に苗木か何かを買って植えればいいんじゃない?」


 「そんな簡単な物じゃないんだよ。ゴムを植えて、樹液のラテックスが取れるまで5年掛かる。抽出しても不純物が多いから選別作業がいるんだよ」


 いや既に初めての言葉を聞いたんだが!?ラテックスってなんだよ!?


 「そ、そっか・・・知らなかったよ・・・」


 「まあ、このショットガンはすぐに再現は無理ですが従来の銃に改造を施すのではいかがですか?真っ直ぐ弾が飛びーー」


 「ライフリング加工というものと弾の形を変えるのだったな?」


 「あれ?明智様はご存知で?」


 「あぁ。以前武蔵殿に聞いた。だが量産には至っていないのだ」


 「なら効率的な方法があります。製鉄方法を教えましょう。今は野良製鉄ですよね?天候に左右されやすいのでもっと他の方法を教えます。そして時間が経てば更に違う方法も教えましょう」


 「っていうか、里志は火薬の事はどうするの?」


 「あちゃぁ〜!!忘れてたよ!すぐには火薬も作れないからな・・・・」


 「確かニトロセルロース、ニトログリセリンとなんかだったよね!?」


 「武蔵はよく覚えていたね。後はニトログアニジンだよ」


 「待て待て!お前達だけで話をするな!某にも分かるようにーー」


 パタンッ


 すると今まで静かにしていた信長さんが口を開いた。


 「ごむの木とやらは時間がかかっても良い。此度の戦に間に合わなくともよい。なんぞ早急に役立てれる武器はないのか!?」


 「はい!はい!はーい!」


 そう手を上げ嬉々としたのは里志君の彼女、有沙さんだ。


 「まずアルミホイルを購入して酸化銅も購入します。アルミホイルをミキサーか何かで粉々にしてワックスやグリセリンで固めて導火線に繋げるだけで簡単テルミット爆薬の出来上がり♪」


 「あっ、まだありますよ!トリニトロトルエン通称TNTを使い、同じくアルミニウムに混ぜます!硫酸と硝酸の混酸を使ってトルエンを2段階ニトロ化ーー」


 いやこの女はなんなんだ!?ちょっとドン引きなんだが!?


 「有沙!そんな事したら捕まるぞ!!やめておけ!」


 「は!?自分だけ!?里志も鉄砲作ろうとしてるじゃん!私は私の専攻している分野に特化した物を教えてるだけじゃん!」


 痴話喧嘩かよ!?しかも内容が危険物ばかりのか!?信長さんも、少し呆れた顔になってるんだが!?明智さんもやれやれ顔なんだが!?

 

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