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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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池田マダムの夢

※誤字脱字修正してくれている方ありがとうございます。非常に助かります。

 「ふぁ〜!!よく寝た!!」


 昨日は夜中に1人で片付けをしていた。空き瓶空き缶などなど・・・。慶次さんはすぐに寝てしまったし。また色々補充しておかないといけない。


 オレは毎日木刀の素振りだけをしている。さすがにあれだけ飲んだせいか利家さんは今日は来ていない。オレ1人での鍛錬だ。まぁ、鍛錬したからといって戦に出るつもりはない。


 慶次さんの部屋を見たが大イビキをかいて寝ていたためオレは一度現代に帰る事にした。寝たのは夜中だがまだ時間は朝の6時だ。


 里志君が何時に帰ってくるかは分からないが向こうで待機していた方がいいだろう。それにあやめさん・・・1週間では帰って来なかったか・・・。里志君にこれ見よがしに自慢してやろうかと思ったのに。


 現代に帰りまずは風呂に入った。朝の内にやる事は24時間スーパーに行き、色々買いだめだ。今回は少々ではなく本当の意味で大量に買っておこう。


 昨日、城のオレの部屋を見たが瓶に入ったあっちのお金はなくなっていた。多分あやめさんが持って行ったのだと思う。どうも、女は関所を通る時かなりのお金を払わないといけないと言ってたからな。


 本人はずっと『要りません』と言っていたが使う事がないから逆に使ってほしいと言って半ば無理矢理渡した感じだ。まぁ、半分は慶次さんにも託したから結構使ったのだとは思うが。


 そして、風呂で全身を洗い着替えて写真の下にある棚から寂しくなったお金の束を持ち会社の軽トラに乗る。残りは80万円くらいか。それにしても使い過ぎだよな・・・。けどこれも必要経費だ。


 そして、こんな早朝でも営業している某24時間スーパーに到着し、肉から始まり酒、お菓子、缶詰、レトルト食品、調味料類、雑貨用品もボールペンやノート、メモ用紙、書き直しができるように鉛筆、消しゴム、そして小さいながら本を置いてある棚を見つけ、目に入ったのは《農業の基本》と書かれてある本があり購入した。


 この農業の本に関してはパラパラ見てみたがハウス栽培や水耕栽培、田植えの基本とか書いてあるため木下さんに託せば上手く使ってくれるはずだろう。


 ちなみに、酒もお菓子類も何もかも全て箱買いだ。店員に怪しい顔で見られ、カートも一つじゃ足りなくなり、裏方から男性の人が現れ『先に一度お会計を・・・』と言われたのでお金の束を出したところ、2回目はその男性の人が欲しい物をカートではなく台車に乗せてくれて軽トラにまで運んでくれた。


 あれよあれよと思い浮かぶ物を買いまくっていたらあれだけあった現金が残り30万少々にまでなってしまった。さすがに買い過ぎたと思う。荷物もギリギリ荷台に乗るくらいだった。


 それからまた家に戻り、せっせと1人で運び込むが、慶次さんは起きたらしく、文句も言わずに向こうの荷物を整理してくれだした。本当に心入れ替えたように感じる。


 「慶次さん?この袋の物は冷蔵庫にお願いします。こっちは下の引き出しの氷が作られている方に入れておいてください!」


 「任されたし」


 オレは何度も何度も往復してやっと荷物を運び込めた。それでもまだ時刻は9時過ぎだ。


 里志君からの連絡はまだない。スマホをイジイジしながら思案する。武器も戦術もネットを見れば分かるけど、そもそもその原材料の作り方とか難しすぎるだろう!?と思いながら歴史上の兵器を見る。


 「大砲とかあれば無双できそうだよな。オレは人は殺せないけど・・・。ってか結局あの世界の歴史とオレの居る歴史は同じなのだろうか?あ!オレが焼酎をこれから広める予定だし、少なからずもう何人か飲んでいるからいつ歴史に登場したか見ればいいのか!」


 いつもの独り言を言いながらネット検索するが・・・


・日本で16世紀から製造され、1559年の大工が残した落書きが最古の記録とされている。17世紀後半より『童蒙酒造記』といった文献に残され、各地で製造された。南九州(宮崎県・鹿児島県・熊本県南部)を中心に製造が盛んでーー


 「クッソ!!1559年とか20年も前から製造されてるじゃねーか!!なら信長さんの大好きなコーラはどうだ!?」


 ・1957年(昭和32年)5月8日、カスタマー第1号である社団法人 東京アメリカンクラブに「コカ・コーラ」20ケースを納品。 日本での「コカ・コーラ」事業にとっても記念すべき「『コカ・コーラ』の誕生日」とーー


 「お!?という事はやはり違う歴史なのか!?色々な人がコーラを飲んでいたぞ!?けど文献的な物が残っていないということは・・・」


 オレの中で勝手に結論つけようとしてたらメールが来た。里志君からだ。


 『後、1時間くらいで駅に到着するけどどうすればいい?』


 「了解!駅まで迎えに行くから!軽トラだけど会社のだから我慢してくれ!」


 すかさず返信を送ると同時に知らない番号から電話だ。


 オレは知らない番号からの電話は取らないようにしているがパッと爺ちゃんの写真が光ったように見えて電話を取れと言われている気がしたので取ってみた。


 「もしもし・・・」


 『あ、合田様のお電話でしょうか?』


 「はい。そうですが?」


 『私よ!私!池田よ!』


 電話は池田マダムからだ。番号は教えてなかったと思うけど・・・


 「あ〜!おはようございます!どうされましたか!?」


 『急にごめんね?この間売ってもらった時に書いてもらった確認書に書かれてある携帯番号を見てかけたのよ!よければアトリエに来れるかな?』


 「そうなのですね。ちょっと1時間後に人と会う約束があるので手短になら寄れますが?」


 『そっか・・・・。すぐに終わらせるから来てほしいの』


 「分かりました!今から伺います。失礼します」


 例の差額の話だろうか?別にあれは手数料で取ってもらってよかったのに。まあ何はともあれ行こう。どうせ駅に行く前に通る場所だし。


 車を走らせすぐにアトリエに向かう。今日はイベントをしていないようで見た目人間国宝さんは居ないようだ。っていうか、あの見た目人間国宝さんの作品を信長さんに渡すの忘れていたよ。後で渡してあげよう。


 「あら?早かったわね!?事務所に来てくれる?」


 「はい。道が混んでいなかったですから」


 そう言いつつ、オレが急いでるのを分かってか小走りで事務所に向かいすぐに要件を言われた。


 「実はあの短刀・・・やはり本物の吉光作だったの。しかも・・・薬研藤四郎じゃないかと言われているのよ」


 あぁ〜、確か信長さんがそんな事言ってたっけ?そんな凄い短刀だったのか!?やべー物渡してしまった感じか!?


 「そうだったのですね。オレは倉庫にあっただけで分からずーー」


 オレがそう言いかけているところで池田マダムは紙袋に入った物をドンッと渡してきた。


 「これであの刀に関する全てを売って欲しいの!」


 「え!?なんすか!?これは・・・って!?お金!?いくらあるのですか!?」


 聞けば興奮気味で答えてくれた。あの刀は前半期には色々な事があったが、最後は徳川将軍家が所持したともいわれているらしい。


 が、確かな消息は不明であり、8代将軍徳川吉宗が本阿弥家に命じて編纂させた名刀の目録である『享保名物帳』では焼失之部に掲載されているらしく、2021年時点で現存もしていないと思われていたみたいだが・・・


 「歴史が覆るかもしれない世紀の発見よ!!そこに、もしかすれば私の名前も残るかもしれないの!私のアトリエのお客様から持ってこられたと・・・」


 「えっ、えぇ。全然構いませんがこんなにいただけませんよ!!半分お返ししますのでーー」


 「いいえ!これから本格的に調査されるでしょうけど私の師匠も絶対に本物だ!って言い切っているのよ!私も確信している!本物なら億円レベルの話なのよ!」


 は!?億円レベル!?そんなヤベー刀なのかよ!?そんなのオレが持ってた家の倉庫に入ってたなんて言えば家探しされてしまうかもしれないじゃん!!


 「とにかく!半分お返しします!後は池田さんの好きにしてください!このアトリエの隅にありました!とか池田さんの先祖の家にありました!とかで構いません!」


 「そうはいかないわ!絶対に合田君の事は明かさないからあの刀の事は任せてくれるかしら!?そのお金は私のほぼ全財産よ」


 いやいや1000万近くあるんじゃないのか!?貰えるわけないだろ!?


 そこから暫く押し問答だ。なんなら本当にお金は要らない。だけどこれからも買い取りしてほしいんだよな・・・。


 「池田さん!聞いてください!色々訳あって人を家に呼ぶのは嫌いなのです。ですが、まだ他にももしかすればあるかもしれないので今後もこういう物は全て池田さんにお任せしたいのです!他には絶対に持っていきません!だからまた今後何かあれば見てもらったり買い取ってもらったりお願いできませんか?」


 「合田君あなた・・・」


 なんか池田さんの目がウルウルしだしたように見えるが紙袋から片手で持てるだけお金を持ち、池田さんの机に置いて残りを貰って逃げるように帰ろうとした。


 「本当に失礼してすいません。お金は本当に要らないので、これだけいただきます。池田さんは歴史に名前を残してください!またよろしくお願いします!!!」


 オレが去りながらそう言うと池田さんは静かに・・・


 「ありがとう。また来てちょうだい!私も何かの形で名前を残すのが夢だったのだけど実現できそうで涙が止まらないの」


 と言っていた。


 オレは深く一礼してアトリエを後にした。


 池田マダムがどのようにするかは分からないし、所有権は博物館?かは分からないが上手くやってほしいと思う。


 そうこう話していたらもう40分も経っていた。急いで駅まで向かわないと!!

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