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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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マヨネーズチュウチュウ

 徐々にだがこの1週間で荷物がどんどん片付いている。まぁ言っても大型家電に関しては設置するだけだから問題ない。1番苦労したのはエアコンだ。


 どの部屋に置くか・・・もちろんオレの部屋だ!と言いたいところだが、そうすれば発電機のコードの長さとか色々不便が生じたため冷蔵庫中心で考えようとして、炊事場横に小さな部屋があるのだが、その隣の大部屋に配置する事にした。


 田中さんに教えてもらった簡易的な電気工事。みんなのABCからレンタル工具を持ってきて、夜な夜な少しずつ作業していたのだ。


 据え付けのエアコン板をビスで打ち付けるだけでは落ちそうな気がしたため、慶次さんに手伝ってもらいながら一枚、石膏ボードを噛ませての作業だった。


 昨今のエアコンは優しい設計だ。電源コードも色と合わせて電源盤に取り付け、ビス止めすればいいだけだ。エアコンホースなんかは、正直格好は悪いがモールで壁の端に纏めて、ビニールテープで固定しているだけだ。


 基本、この時代の家だから穴開けたりすれば強度的にやばそうな気がするから最初はこんなもんでいいだろうと思う。


 室外機に取り付けるのも、優しくガス、液と書いてあるから間違える事もない。銅管の中の空気やガスを抜き真空状態にしないといけないが、これも田中さんに教えてもらった通り、専用の機械に取り付けて後は10分ほど待っていればいいだけだ。


 後は全ての金具を取り付け作動させるだけだが問題なく始動してくれた。ついこの間までニートだったオレが、慶次さんに手伝ってもらったとはいえよく1人で作業できたもんだなと思う。


 まぁ、BeeTubeを見ながらってのもあったが。


 そして、だいたい大きい荷物の作業が終わり、休みまで後1日というところの夜・・・いつものように少し顔出しついでに戦国時代へ向かったわけだが・・・


 「は!?慶次さん!?なにしてるんすか!?」


 「んあ?おぅおぅ!武蔵か。これは中々美味いよな?思わず吸い付いてしまったぞ?ははは!」


 そう。慶次さんはまさかのマヨネーズチュウチュウしていたのだ。しかも、梅雨に入り少し暑く感じて来た日の夜・・・一昨日オレが頑張って取り付けたエアコンの真下でだ。然も自分の家かのような振る舞いだ。


 いつのまにやら発電機も普通に稼働させてるし岐阜城にある発電機も稼働している。オレが毎日毎日怪しまれないように至る所のガソスタから人海戦術にてガソリンと軽油をせっせと運んでいるのにこの男ときたら・・・


 「慶次さん!!いい加減にしてください!どれだけ苦労してると思ってるんですか!?」


 「おっ、おぅ・・・すまん。だが、そう怒るな!?な!?今度、町娘でいいなら紹介してやるから!な!?」


 少し靡きそうだ。


 「とにかく!!本当に暑い日ならエアコンを付けてもいいですけど、まだ今はだめです!これからも毎日、燃料の軽油は持ってくるのである程度余力ができてからにしてください!」


 オレがいつになく真剣な顔して言うもんだから慶次さんも渋々だが引き下がってくれた。


 ネットでドラム缶も5つ購入した。まだ3缶しか燃料は入っていない。普段の運用でどのくらい燃料使うかは分からないがじゃぶじゃぶ使っていいもんではない。


 

 次の日、休み前の仕事という事もあり少し気合が入る。それと今日こそは例の店長の車の中にある秘密の物を聞こうと思う。


 初日の時のように早目に家を出て、到着するがやはり店長だ。居る居る。


 「おはようございます!」


 「おや?武蔵君今日は早いね?どうしたんだい?」


 「またまた!!あの秘密を知りたいのですよ!!あっ、借りてた道具類ありがとうございました!おかげさまでエアコン取り付けできました!」


 「できたんだね!田中君に感謝しないといけないよ?武蔵君は本当に気になれば何回も聞いてくるんだね。さすかの僕もビックリだよ。絶対に誰にも言わないでくれるかい?」


 「男同士の約束です!絶対に言いません!」


 「分かった。これは猟銃だよ」


 「猟銃ですか!?」


 「これは僕が結婚する前に狩猟目的で免許を取り、若い時に買ったものなんだよ。まあ端折るけど妻と結婚して狩猟は辞めてそれから・・・エアガンなんかも処分しろと言われてね・・・」


 なんか店長の顔が悲しくなってきてるんだが!?


 「趣味だったなら・・・辛いですよね」


 「そうだね。地元の猟友会なんかにも入ってたからね。それで、免許を返納したのはいいけど、この猟銃は自分で処理しろと言われてね?銃砲店に処分を頼もうとしたのだけど逆に処分料を渡せと言われて、僕の青春時代を蔑ろにされた気分で処分せずにずっと持ってるんだよ」


 「え!?って事は・・・」


 「もし警察に止められると銃刀法違反になるよね・・ははは・・・はぁ〜・・・」


 いやいや想像以上なんだが!?なんか店長が可哀想に見えてきた。勤務ではパートさんに色々言われ、家では奥さん?がキツそうだし・・・。


 「えっとですね・・・実は今、爺ちゃんの家に住んでて、既に他界してはいるのですが先日とある発見をしました」


 「うん?なんだい?」


 オレはレミントンという銃を見つけた事、それに手紙も挟まれていたことを言った。


 「レミントンといえば・・・武蔵君のお爺さんってまさかあの、熊殺しの友蔵さんじゃない!?」


 「え!?知ってるのですか!?」


 「やっぱりそうなのか!友蔵さんの身内だったのか!そうなんじゃないかと思ったんだよ!友蔵さんは元気な頃はよく『孫にも覚えさせてやりたい』とか『孫に牡丹鍋を食わせてやるのだ!』とよく武蔵君の事を思っていた人だよ。確かかなりの警察嫌いの人だったよね?」


 マジの話だ。よくイノシシ鍋を食べさせられた。別に好きでもないのに『今日は爺ちゃんが仕留めた武蔵の大好きな猪鍋だ!』とか言われて出してくれていたよな。


 一言も好きとは言った事ないし、小さい時は物の価値が分からず、臭い鍋は嫌い!と言って母ちゃんに怒られたりはしたけど、何故か一月もすれば『おう!武蔵の大好きな猪鍋だぞ!』って出されたりしてたよな。あの爺ちゃんのポジティブはなんだったのか!?ってか、熊殺しの話は本当だったのか!?


 「意外な繋がりです。ビックリしました」


 「色々僕も友蔵さんには教えられたよ?猟友会でね。そうか亡くなってしまってたのか・・・。それで武蔵君は遺言通り免許を取り猟友会に入るのかい?」


 「どうでしょう。興味はないわけではありません。ですが色々前準備が面倒なのですよね?」


 「そんな事ないよ?配偶者や家族に許可はいるけど武蔵君は・・・お母さんが居るよね?初心者講習の時、家族の面談なんかもあるからお母さんに許可もらえるとすんなりいくと思うよ?それに友蔵さんの事知ってる刑事さんもまだ居るんじゃない?お世話になった人も相当数居ると思うよ?」


 嘘だ!?あの爺ちゃんが実は本当にすごい爺ちゃんだったのか!?オレが小学生の時、高級な鶏肉だ!って唐揚げを出され、食べた後に『実は蛇肉だ!がははは!』って言ってた爺ちゃんが実は有名人なの!?


 しかも何で店長は一つも迷う事なく配偶者の事を聞かないんだよ!?もしかすればワンチャンオレが婚約してる可能性もあっただろう!?


 「ならお袋にも聞いてみます!」


 「そうするといいよ。そうだね・・・もし、武蔵君が本当に免許取るなら・・・僕の青春時代のベレッタA400を武蔵君に託すよ」


 「え!?本当ですか!?」


 「あっ、やっぱ売ってあげようかな!?」


 せこい!店長!せこいぞ!今、託すって言っただろ!?

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ベレッタを譲ってもらえても、薬莢作製技術が無いから手持ちの弾の分が無くなったら終了で観賞品になりますねぇ。 [一言] 爺さん、何か人脈太そうな感じですね。 何故だろ?
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