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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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奇天烈な物

 時刻は21時を過ぎた辺りだ。


 「あぁぁぁ〜疲れた・・・このエアコンで最後です!!」


 「よくもまあ、奇天烈な物ばかり持ってきたな?何に使う物なのだ?」


 「それは組み立てからのお楽しみです!今日はもう時間がないので5日後の休みの日にしますね」


 「ふぅ〜ん。で、俺はこの荷物を守っておけば良いのか?」


 「いや、そもそもあなたは本当にオレの与力?ってやつになるのですか?」


 「当たり前だろう?俺は縛られて生きるのが嫌いだ。だが武蔵!お前に仕えるのはなんだか楽しそうだ!身は高いが武に関してはそれ程と見える。守ってやるよ。この辺も間者が多い。何が起こるか分からないしな」


 なんか色々言ってるけどオレはこの人嫌いじゃないな。酒だけの人ように思うけど、鍛えてないと、ここまで太い体にはならないだろう。案外傾奇者ってのは嘘じゃないかも!?


 「ではよろしくお願いします。城のオレの部屋にお金があるので適当に使ってくれてかまいませんので!」


 「おっ!誠か!?よし!ならば遠慮なく使わせてもらおう!この荷物は俺に任せておけ!誰も近付かせないようにしておくからな!」


 オレは缶詰の開け方やジュース、お酒の飲み方を教え、この家を作ってくれた岡部さんって方達には会っていないがお礼を言いたかったため、慶次さんに言伝を頼んでおいた。ちょっと高級な一升瓶で15000円もする酒を梱包してもらった物を渡してもらう事にした。


 本当は会って直接渡したいが明日から普通に仕事だから帰らないといけないからな。


 城の方ではどうやら徳川軍のなんちゃらさんって人が来たらしい。多分、援軍を請う話だろうと思う。まぁオレは戦には関わるつもりはないけど。



 そして、とうとう緊張の1日・・・そう。正社員になっての初日勤務だ。朝から母ちゃんから電話が鳴ったのだ。


 『もしもし!?ちゃんと起きてるの!?』


 「あん?もしもし?何時だと思ってるの?まだ5時だよ?出勤は8時からだからまだ大丈夫だよ」


 と、意味不明な早朝に電話で起こされたのだ。正直、昨日の引越し作業で身体が悲鳴をあげている。だが仕方がない。


 特段仏壇とか置いているわけではないが婆ちゃん爺ちゃんの写真の前には線香立てだけ置いて、後は茶菓子や水を置いている。毎日朝に水を新しくするのが日課だ。


 「婆ちゃん!爺ちゃん!正社員初日だから少し早いけど行ってくるよ!!」


 いつもの独り言を言いつつ。家を出る。


 そしていつもよりかなり早い時間に到着だ。店の裏手にある従業員駐車場に軽トラを止めて待機してると程なくして店長の出勤だ。


 「おはようございます!!」


 「あ、武蔵君おはよう。今日は元気がいいね!?」


 「はい!初日なので気合い入れました!」


 「そうか。やる事は変わらないから頑張ってね?そうだ・・・実はこの前武蔵君とサバイバルゲームの事話したでしょ?あれで久しぶりに熱が入って、持ってる銃を掃除してたんだけど嫁に見つかっちゃってね?よければ見るかい?車に隠してるんだよ」


 いやいや何で家族間でそんな隠し事してるの!?別に普通にしてればいいんじゃないの!?


 朝から店長は銃の事を話せるのが嬉しいのかかなりテンションが高い。店長の車はsuvだが後ろにはかなりの銃が入っていた。


 「これはAK47と言ってね?正式名称はアフトマートカラシニコヴァソーラクスェーミって言うんだ。世界で1番有名な銃と言われてるものなんだ。それでこっちが・・・」


 いや長い。店長ってこんなに喋る人だったのか!?オレは最早相槌しかできない。


 「こっちはスカーって銃で・・・」


 せっかく40分も早く着いたのに気づけば30分も店長と話していた。朝勤のパートさん達がやってきて店長のマシンガントークは終わった。ただ一つ気になったのは一つだけアタッシュケース?らしき物に入ってる銃だ。あの銃だけ説明してくれなかった。


 「店長?あのケースに入っているものはなんですか?」


 「え?あれかい?あれは・・・内緒だ!何でもないよ!さぁ!仕事始めようか!武蔵君!頑張ろう!!」


 なんか触れられたくないのか話を終わらされた。気になる・・・。


 「店長!朝のあれは!?」


 「だから何でもないって!!あっ!いらっしゃいませ〜!」



 「店長!!」



 「店長!!」



 オレは気になり今日はすれ違う度に朝のあれは何かと聞いて回ったが教えてくれない。業務の事はバイトの時と変わらずだ。こんなオレだが普通に働けていると思う。


 そして今日は初日という事もあり残業なしの定時で帰れるとの事。嬉しい限りである。


 従業員スペースにて着替えてスマホを見ると久しぶりに里志君からメールが来ていた。


 『おう!頑張ってるか?実は必要単位は取ったから少し早いけど帰ろうと思うんだ。今週末に戻るけど土曜日空いてるか?彼女は一週ずらして来るからまずは男同士で飯でも食わないか?』


 チッ。里志君め。以前ならこんな話し方しなかっただろ!?急にリア充みたいな話し方になりやがって!!


 オレは悔しいが1週間であやめさんが帰ってくれると信じてOKと返事をした。


 なんならこの時に戦国時代に連れてってやるか!!


 「お!武蔵君は上がりか?バイトの僕より早く帰るのかい?」


 いやいや田中さんは何でここでドヤ顔なんだよ!?しかも言い方に棘があるな!?


 「はい。今日は正社員初日という事で店長が帰っていいよと言ってくれましたので」


 「ふぅ〜ん?そういえば武蔵君は朝、店長となにか話してたよね?なんだったんだい?」


 「いえいえ、大した事ではありませんよ。共通の趣味がありましてその事を聞いていただけですよ。ではまた明日。お疲れ様です」


 田中さんと話している間はない。早く帰り荷物を少しずつでも片付けないといつまで経っても快適に過ごせないからな。


 帰りにスーパーに寄り弁当を買って帰る。婆ちゃん、爺ちゃんのためにバームクーヘンも一緒に購入だ。後はオレの大好きなサイダー。


 その次は書店に寄り、レシピ本を数冊購入し家に帰った。


 家に帰ると置き配指定していたポリタンクも届いていた。


 よし。これで色々揃って来たな。後は・・・明智さんが向こうで頑張って解析してくれてる爺ちゃんのレミントンが量産できればいいな。

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