いざ未来へ・・・・2
パラ パラ パラ
オレは黙ってる事しかできない。なんと、グラビア雑誌を黙々と見始めたからだ。オレは恥ずかしいったりゃありゃしない。
「これは・・・所謂殿方がたまに見られる春画と呼ばれるものでしょうか?」
あやめさんは恥ずかし気もなく普通に聞いてきた。
「春画が何かは分かりませんが要は人気の女性の絵の特集?みたいな?一応、これは水着だと思うけどこのような物が下着と呼ばれる物です」
「合田様はこのような方が好きなのですか?」
いやいやもう恥ずかしすぎなんだが!?青春か!?これが青春なのか!?
「えぇ。まぁ・・・」
「(クスッ)とりあえず湯浴みをさせていただいてもよろしいですか?」
「あっ、あぁ!ごめん!すぐに準備します!」
オレは全開で水と湯を出してすぐにお湯を貯めた。そしてさっき言った下着は分からなくなったがとりあえずジャージとまだ封を開けていない無地の長袖シャツを籠に入れて渡した。
「では失礼致します。これ・・・お借りいたします」
なんだろうか・・・。この何とも言えない気持ちは・・・。
オレはあやめさんが風呂に入ってる間にスマホで女性が買いそうな服を見てみた。残金は20万程ある。使えるお金は10万ほど・・・。少し買ってあげるか。
好みやサイズが分からないけど某世界的有名な通販サイトでは身長サイズが書いてあったためその通りに買ってみた。しかも一つ買えば、抱き合わせで他にもオススメがでてきたため、色々買ってみた。
下着に関しては魔法使いなためイマイチ分からないため、オレの神眼での見立てではBカップに見えたからBカップの下着セットを買った。
「よし!動きやすいようにレディースのジャージもいるよな!置き配にして・・・へぇ!?明日に届くんだ?さすがだな!」
「ありがとうございました!大変気持ちよかったです!心が洗われるとはまさにこの事かと」
「え?もう出たの・・・」
オレは絶句だ。今まで出会った女性で1番綺麗だと思える人がそこには居た。
「なにか・・・おかしいですか?私自身も慣れない南蛮服なため戸惑っておりますが・・・」
「いやいや!this is no1!!!綺麗すぎて言葉が浮かばなかったです」
「お世辞でも嬉しいです。ありがとうございます」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ヤバイ・・・マジで言葉がでねぇ〜。しかもめっちゃ良い匂いがするんだが!?
すると、あやめさんはオレの横に座り・・・というかかなり密着して座った。オレはドキドキしすぎて心臓が破裂するんじゃないかと思ってしまう。
「どどどどうされましたか!?」
「(クスッ)色々ありがとうございます。妹、里のみんな、仲間達にも教えてあげたいくらいです」
「あっ、そう言えば忍者ですもんね?そんなに仲間は多いんですか?」
「忍者・・・確かに忍ですね。草も合わせると、かなり居ます。私が知らない人達も居るかと。身分は明かさないですし、誰が誰の密命を受けているかは分からないのが現状です」
難しいんだな。忍者って。
「そうなんですね。妹さんも忍者なんですか?」
「はい。草として一応、里の訓練は受け終わってるはずです」
「さすがですね」
訓練まであるんだ!?だからあのどこに居るか分からない術的なの使えるのか!?
「一つだけ質問よろしいでしょうか?」
「うん?何かな?」
「何故、私にだけこのような施しをされるのでしょうか?」
「何故って・・・言われても・・・」
「私のような存在はかなり居ます。合田様が優しい方とは存じ上げております。ですが、あまりにも大きい事を・・・私の境遇を知り助けていただいただけでもなく、銭までいただき、あの大きな屋敷まで用意していただきました。まだ連れて来てはいませんが妹の面倒も見るとおっしゃってくださいました」
なんでだろうな。可愛かったから?タイプだから?違うな。あやめさんじゃなくても目の前に似たような人が居れば助けてしまうだろうな。これはオレの現代価値観だからだろうな。
けど、あやめさんには違う感情もあるのが現実だ。可愛いから好きではなく・・・心の底から・・・。
「正直目の前に違う人が居ても助けるとは思う。けど、あやめさんだからってのもあると思う。他の人でも助けるとは思うけど、もうここまで何かしてあげたりとかはないと思う」
「私だからですか?何故ですか?」
いやそれは酷じゃね!?告白しろって事か!?え!?そうなのか!?心の準備してないんだが!?
「ふぅ〜・・・」
オレは深く息を吸い込み意を決して言った。
「あやめさんの事好いています。だからです」
言った・・・言ってしまった・・・。フラれればもう戦国時代なんか行かないぞ!!
「はい。その気持ちありがとうございます。ですが、少しお時間をください。妹を呼び寄せ1人で立ち行きできるまで私が面倒を見ないといけません」
オレは返事を疑ってしまった。まさかOK的な!?
「そ、そ、それは少し後にいいよ的な感じすか!?」
「はい。こんな私でよければ・・・」
キターーーー!!!これで里志君にも自慢できる!母ちゃんにも紹介できる!
「いやもうあやめさんじゃないとだめなんすよ!!!」
オレがそう言うとあやめさんがオレの首に手を回し唇と唇が重なった。
「え!?なな何を!?!?」
「色々していただいたお礼です。今はこのような形でしかお返しできません。どうかお好きになさってください・・・」
オレは高鳴る心臓の音を聞きながら少し悲しくも思う。
オレが出来上がったばかりの人脈とコネを使い信長さんに家を建ててもらい、未来の物を色々渡したりして、それのお返しとして身体を差し出してくる・・・それがなければこんな風にはならなかったのではないかと思う。
実力で落としたわけではないから寂しくも思う。これは魔法使い卒業のチャンスだろうがここで抱いてしまえば金に物言わせ女を買ったようなもんだろう。
ただ一つ分かった事・・・戦国時代ってブラってないの!?少し見えるあやめさんの胸。守られてる物が見えない。これは後でネットで検索だ!
「あやめさん?いつか・・・いつか心からオレと一緒に居たいと思えた時にまた言ってくれませんか?オレは実力であやめさんを振り向かせたい」
「いえ、私は合田様をお慕いしております」
「いや、それはまぁ・・・多分あっちではそれなりに金持ちだろうし少し見慣れない物をいっぱい持ってる男だと思う。もう少しオレの事を知ってほしい。そしてそれからまた同じ事言うから返事がほしい」
オレはどうなってるんだ!?ミスミス卒業チャンスを逃すのか!?と思ってしまうが、ここで欲望だけに負けるのはどうかと思う。今は我慢だ。あやめさんのおかげで暫くおかずにも困りそうにないし!!
「はい・・・お気持ちありがとうございます。このような芯のお強い方初めてでございます」
いや芯の強いって初めて言われたよ!?婆ちゃん!?聞いた!?聞いたよな!?オレは爺ちゃんみたいに他の女ばかり見る男じゃないよ!!!
婆ちゃんの写真は喜んでくれてるように見える。
だがこの日の夜・・・途轍もなく葛藤する事になる。




