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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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文明の利器

 「お!武蔵君おはよう!」


 「田中さん!おはようございます!」


 「うん?なんだかキリッとした顔付きになったね?なにかいい事でもあったのかい?」


 「いえ。特に何もありません!これからもバリバリ働いて頑張ります!」


 「お!いい心掛けだね!頑張ってね!」


 朝から田中さんと少し話をして業務の開始だ。いつもと変わらない仕事をし、徐々にだが引き篭もりがちだったオレだがお客さんに褒められる事で、自信に繋がる。


 そしてこの日の夜、バイトが終わる時間の少し前にオレは棚の掃除をしながら使えそうな物を見る。


 「う〜ん。ポータブル電源とかあれば電気が使えるから便利そうだよな・・・」


 「あら合田君?ポータブル電源なんか見てどうしたの?」


 「あ、葛城さん!お疲れ様です。いやなんとなく気になっただけですよ!」


 「そうなの?気になるなら私の息子が昔キャンプにハマって一通り道具揃えたのに飽きたみたいで倉庫にキャンプ用品がいっぱいあるから安く譲ろうか?」


 「え!?本当ですか!?お願いしたいです!今月は買い物しすぎて金欠なので来月以降でお願いできますか!?」


 「いいわよ!なら合田君が都合がいい時に言ってくれる?」


 「分かりました!」


 意外な収穫だ!値段こそ聞いてないがリチウムイオン充電池式ポータブル電源も安い物でも5万前後はするし、テントとかあれば戦の時の野営にも使えそうだ。信長さんも喜んでくれるだろう。いくら例の茶器が売れたと言っても予定外な出費もあるはずだから貯金もしないとな。


 それに火の明かりではなく、文明的な明かり・・・豆電球なんかでもあの時代ではかなり明るくなるはずだ。ましてLED照明器具ならば、100円ショップで売っているUSB接続照明器具とモバイルバッテリーならば長時間使えるはず。


 オレは一先ず100円ライターを10個、このお店独自ブランドで作られたトランシーバーを1セット購入した。


 「武蔵君?トランシーバーなんか買ってなにかするのかい?」


 「あ、店長すいません。ありがとうございます。なんとなく使ってみたいなと思いまして・・・」


 「ははは!そうだろうな!僕も若い時、ミリタリーにハマって色々買ったもんさ。そのトランシーバーは値段はそこそこ高い19800円だけど、他社のモデルの良い所を真似して作ったものだからかなり性能はいいと思うよ?」


 いやいや仮にも独自ブランドの物を他社の真似と言っていいのだろうか!?そりゃ企業努力はあるだろうし、どんな物も真似るところはあるだろうが・・・。


 「そうなのですね?ありがとうございます。帰って色々試してみようと思います!では、本日は上がらせていただきます。お疲れ様でした」


 「はーい。お疲れ〜!また明日もよろしくね〜!あっ、もし武蔵君もミリタリーの事知りたいなら僕に何でも聞いてくれよ?ははは!」


 「はーい!店長は合田君に変な事言わないの!じゃあね!合田君!おつかれさま!」


 「はい!葛城さまもお疲れ様でした!」


 ミリタリーか・・・。本物の銃弾が飛び交う中にエアガンでは太刀打ちできないだろう。けど、装備品とかで使えそうな物があるかもしれないな。今度店長に聞いてみよう。


 そして、この日はいつもの如くコンビニで牛丼弁当とお茶を購入して帰った。家でさっさと飯を食べて出発だ。


 「ライターも持ったし・・・トランシーバーは箱のまま持って行けばいいかな?あっ!電池電池!これでよし!ばあちゃん!行ってくるよ!」


 写真のばあちゃんは相変わらずだ。だがトイレのドアの前に見慣れない物が転がっていた。


 「なんだ!?じいちゃんの工具・・・か!?何でここに!?」


 転がっていた物は生前じいちゃんが仕事?趣味?で使っていた物だった。


 すかさずじいちゃんの写真を見るがなんとなく・・・本当になんとなくだがドヤ顔のように見える。


 「なんだよ!?持って行けって事!?ってか仕事って大工だったよね!?なんで鍬やらスコップなんだよ!?分かった分かった!ありがとう!持ってくよ!」


 オレは渋々ながら重たい工具を持ちドアを潜った。埃塗れの工具を両脇に抱え向ったわけだが・・・この中に猟銃が入ってるのはまだ知らなかった。


 「来たか。って・・・おいッ!!!その汚い野良道具はなんだ!?またワシの部屋を汚すつもりか!?あん!?」


 「いや・・・池田様すいません!!もう・・・無理・・・」


 ガシャンッ


 「き、貴様!!!ワシの部屋を汚しやがったな!?今朝の事、油を塗り、綺麗にしたところなのだぞ!?」


 いやそんな事言われてもじいちゃんが持っていけって言ってるように思ったし・・・それに重たかったんだよ!!


 「すいません!後で綺麗にしますので!!!」


 「なんじゃ!?なんじゃ!?なんの騒ぎだ!?」


 「お館様!!見てください!此奴はまたもやワシの部屋を汚してばかりでーー」


 「クハハハ!確か今朝掃除していたよな?傑作だ!ははは!・・・・おい!武蔵!それはなんぞ!?」


 いや機嫌良いかと思えばなんだよ!?


 「いやこれは・・・死んだじいちゃんが持って行けと言ったような気がして・・・」


 「ふん。検めるぞ?ふむ。ふむ。鍬に・・・これは見た事がない形だな?これも見た事のない・・・うん!?これは!?武蔵!!これは銃ではないのか!?」


 「うわ!?ビックリした!銃ですか!?嘘!?あっ・・・マジもんですね」


 「なんぞ貴様は確認せず持って来たのか!?これが未来の銃か!?」


 「すいません。生前にじいちゃんはたまに山に猟に行ってたのは知ってましたが、まさか銃があるなんて・・・」


 「御託は良い!これは借りるぞ!貴様も来い!明智を登城させろ!遠藤ッ!!この荷物を洗ってから部屋に持って来い!」


 なんか知らないけどかなり大袈裟な事になってきたんだが!?じいちゃん・・・やってくれたな・・・。


 オレは心の中でそう思ったが、じいちゃんのドヤ顔が頭によぎった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ついにじいちゃんやりましたね! ドヤ顔いいな。
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