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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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武蔵の作戦

 「貴様はそのような下衆な事考えておるのか?ん?どうなんじゃ?」


 「す、す、すいません。正確にはオレに護衛?を付けていただいてるかと思いますが・・・」


 「うん?滝川配下の女か?」


 「多分合っているかも。あやめさんと言う方です。そのあやめさんの妹さんはとある方が治める場所に居るらしいのですがその妹さんをここに住まわせたいと・・・」


 「ほう?下賎な草を城に住まわせろと貴様は申すのか?」


 この言葉にオレは少しムッとしてしまう。価値観の違いだからしょうがないがこの言い方はどうかと思う。


 「いえ。オレが自力でこの世界で稼ぎ、この地に家を建てる許可が欲しく思います」


 「ほうほう。ワシが拒否すれば如何とする?」


 「それは・・・もし拒否されるならば2度とカレーやラーメンを持ってきません」


 「なっ!貴様・・・・」


 「殿?かれー、らーめんとはなんですのん?」


 「お濃!少し黙っておれ!今はそれどころではない!」


 「いいえ。黙りません。まさか妾に内緒ですのん?」


 オレは思う。信長さんは見た目通り怖い。だが真に恐ろしいのは、濃姫様だ。オレと喋る時とは違う顔、雰囲気で信長さんとは話している。隣に居るのにまるでオレの事は見えていないかのような振る舞い。


 そしてポーカーフェイスからのプレッシャー。あの信長さんですら冷や汗かいてるのが分かる。


 「お濃・・・お前・・・」


 「ふふふ。妾に内緒事をするならば許しませんとあれ程言ってますのに殿は分かってないようですね?」


 「武蔵!今すぐカレーとラーメンを持って来い!持ってくるなら話は聞いてやる!」


 オレは急いで家に戻り残り一つとなったレトルトカレーとチキンラーメンを持って来た。それを伊右衛門さんにお願いして、出来上がり次第持って来てもらう事に。


 「う、うむ。で、その草の者を岐阜に住まわせたいという事だな?何故だ?」


 「いやそれは何で・・・でしょうか?分からないけどとりあえずその里?村?を治めている人がオレは許せなく、あやめさんを妹を出して脅したりしてるようでーー」


 「殿?そろそろ言葉遊びはやめにしてあげればどうです?」


 「クッハッハッハッ!お濃は分かっておったか。武蔵?貴様の言う事は人身売買か?単に引越しさせるだけではないのか?ワシは明や南蛮にでも売るのかと思ったぞ?」


 「え!?外国になんか売るわけないですよ!?」


 「それは人身売買と言わん。で、その女子は嫁にでもするのか?」


 「よよよ嫁ででですか!?そそそんなまだ付き合ってもないですし会った事もないですですし・・・」


 「なんじゃ?貴様もしや・・・」


 なんとなく信長さんの生類憐れみの顔で分かる。『こいつ女を知らんな』という顔だ。


 「失礼致します!」


 そしてナイスタイミングな伊右衛門さんだ。


 「ほほほ。これがらーめんなる物とかれーなる物ですか!?見た目は世辞にも良いとは言えませんがほんに美味しそうな匂いがしておる!」


 「ははぁ。こちらがラーメンでこちらがカレーになります。お熱いのでお気をつけて願います」


 「ふむふむ。美味である!いと美味し・・・殿はこれらを内緒で・・・」


 「お濃!もう良いではないか?ゆっくり黙って食せ。武蔵!貴様の願いは聞いてやろう。この地に住む事を許す!」


 「あ、ありがとうございます!!」


 「ふん。昼に寝過ぎて眠れぬ。武蔵!何か話せ!」


 出たよ。無茶振り・・・。話せ!って何話せばいいんだよ!?


 「そうですね・・・実はオレが働いている場所に池田様の子孫の方が居るのですよ。そしてその方のお陰で正社員になれました!正式にはまだですが・・・」


 「ほう?彼奴の子孫が未来には居るのか?それはどうなっているだ!?」


 うん!?珍しく食い気味に聞いてくるな!?


 「普通の女性でしたよ?少しお金持ちには見えましたが趣味が好きな感じらしいです!」


 「そうか。それでせいしゃなんとかってのはなんだ?」


 「雇用形態が変わるのです!そうですね・・・この世界でも分かるように言うならば・・・客将から正式な家臣になったような感じですかね?」


 「お!そうか!それはよかったではないか!だが長い物に巻かれるという事は自分で商いはしない事になるぞ?商人とは自分の店を持つ事こそ華ではないのか?」


 いやそりゃそうっすけど規模が違います。ってかやはり価値観か・・・。そもそもの器が違いすぎる・・・。


 それから他愛もない事を話し、この日はオレの時計で23時にはお暇する事にした。


 そして帰る前、池田さんの部屋の廊下にてあやめさんを呼んだ。


 「あやめさん居る?」


 「は。ここに」


 「やっぱビックリするね。とりあえず許可は貰ったから、よしのさんでしたっけ?オレが話しつけますね。2日後に昨日の飲み屋?に向かいます。ただ、妹さんの件ですのでこれは。泥棒の件はオレは許すつもりないので」


 「いえ、ですが・・・」


 「普通に戦ったりしても勝てないのは分かります。まあ任せてください!」


 あの手のタイプの人は失敗は下のせい。成功は自分のおかげと思うタイプの人だろう。高校卒業後に、某ネット巨大チャンネルの生活版に張り付いて見ていたから分かる。


 そして権力を翳して珍しい物は自分の物にするという現代倫理からすれば有り得ない人なのだろう。


 「合田様?」


 「あぁ。すいません!これを。あやめさんの家がどこかとか普段どこで寝てるかとか知りませんがこれを持っていてくれますか?」


 「え!?この短刀は・・・業物ではないのですか!?」


 「残念ながら価値はオレにはわからないです。ただ、やられっぱなしでは終わらせたくないですからね」


 そう言って、返答を待たずにオレは帰った。


 部下が自分の物より良い物を持っていれば許せない人も居る。あの女は絶対にそうだと思う。簡単に引っ掛かるかは分からないがあの信長さんから貰った短刀を盗んでくれれば大万歳だな。それにこの前渡したのと同じ湯呑みセットを購入して・・・。


 「ふふ。我ながら策士だと思う!ははは!」


 オレはばあちゃんの写真の前で高笑いしていた。


 


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