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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第二章
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兄妹愛

 ここで槙島の戦いをおさらいしよう。史実でも佐和山で大工衆の岡部さんに言ってこの時代では巨大な長さ約54メートルの船を建造している。京都でなにか起こったとしてもすぐに琵琶湖を使い向かうためだ。


 だが、この作戦に似た事は既に起きている。オレのお金全ツッパして購入した中古船2隻・・・後は、リアルに新たに作った船だ。史実よりも安全且つかなりの時間短縮して兵を運んだ。信長さん専用船も、信長さんが狂喜乱舞して速攻で操船を覚えて走ったと聞いている。


 こういうところは柔軟性があるんだなと思った。


 で、実際信長さん本隊は坂本に軍を走らせ二条御所を攻撃中と。オレ達は五ヶ庄に陣を張っている。


 ここで更に史実と比べると織田信忠・・・現在は勘九郎君だが副将として五ヶ庄に来ている。これは史実ではなかったことだろう。


 大まかに言えばイレギュラーな事は色々起こってはいるが戦況は史実のように推移しているかのように思う。人の生死が掛かっているからオレは慎重になってしまう。特に身近な人にはそう思う。


 だが、この巨椋池に浮かぶ槙島だが未来では存在しない池だ。池というか湖に見える。


 木曜日の夜その巨椋池の前でレミントンm870を構えながら色々思案する。里志君や有沙さんは明日の夜にはまた来ると聞いている。信長さんはまだ到着していない。池田マダムと社長は信長さんが到着すれば教えてほしいとの事。


 そういえば、例のお寿司屋さんの後にオレと田中さん、みどりさん、あやめさんとで思案する事となった。思案といっても、少し違うが田中さんは少なくともオレより社長との付き合いは長い。その田中さんが言った事は『社長は動き出せば早い。やる事はとことんやる人だ』と言っていた。


 現に、昨日、一昨日とまったく畑違いの職種の人と何やら話していたのは知っている。てか、なんなら田中さんが岐阜で頑張って作った発電水車だが、それすら抜くような物を持っていこうとしている。そもそもの未だ信長さん本人とは謁見すらしていないのにだ。



 「合田君ちょっといいかしら?」


 「はい!なんでしょうか?」


 金曜日の仕事終了間際の事だ。多分もう信長さんは到着してる事と思う。早く行かなければいけないのに・・・。


 「信長は今日くらいに到着でしょう?」


 「えぇ。なので少し自分も急いでいます」


 「ごめんごめん。これなんだけどどうかしら?合田君って車も持っていけるんでしょう?ならウチの関連会社の車とかも持っていけるわけよね?」


 「まぁオレが運転できるのならば多分大丈夫かと・・・」


 「前から思ってたんだよね〜。合田君って船とかも購入してたんでしょう?燃料は自分で持って行ってたんでしょう?これからは大丈夫よ!それにしてもワクワクするわね!」


 「なにがでしょうか?」


 「ミニローリー車用意したから使っていいわよ」


 「ミニローリーとはなんでしょうか!?」


 「まぁ見れば早いわよ!さぁ行くわよ!あっ!その前に私の家に寄ってくれない!?手土産も持って行かないと!」


 なにがどうなっているのか・・・有沙さんよりワクワクしてるのは感じるけど・・・。





 〜宇治 五ヶ庄本陣〜


 「お館様御着陣致しました!」


 「武蔵は!?武蔵は居らぬのか!?」


 「父上!合田殿ならば今は留守にしておりまする」


 「チッ。まだ来ぬのか。まぁいい。勘九郎、この場はどうなっておる?」


 「はっ。合田殿が盛土から簡易的ではありますが橋を掛けました。今は膠着状態にございます」


 「うむ。ではこの場はワシが指揮権を貰う。遠藤!後方はどうなっておる?」


 「はっ!もう半刻もすれば全員到着するかと思います」


 「よし。とりあえず飯じゃ!遠藤!かれんだあとやらを出せ!今日はきんようびじゃな?彼奴も来るよのう?」


 「はっ。漆原殿、一ノ瀬殿も来られるかと」


 「良い。彼奴が来たらすぐに報せよ」


 「はっ!」


 面白くなってきおったな。倅もまた一段と益荒雄に見える。クックックッ・・・彼奴の女豪商も来るというておる・・・越前、若狭に例の船を浮かばせ明にも通用する海の軍を作らねばならぬ。


 上杉はそのまま座してもらわねばならぬな。まだ上杉との決着は早い。将軍を追放し、軋轢を生まさぬようにするには贈り物でも出すか。


 朝倉も今少し漢気があるならば許してやってもよかったが、あんな奴は最早要らぬ。弱すぎる。浅井はどうなっておるのか・・・いや・・・恐らく内乱になるであろう。すかさず踵を返し、例の船で一気に小谷まで雪崩れ込み、義弟を助けてやるのも一興じゃな。


 越前は彼奴に任せるか。義弟とはいえ抑え役も必要だな。うむ。北は武蔵、南は倅の直轄地とすれば何もできぬであろう。それに上杉の抑え役にもよかろう。加賀は一揆も酷いと聞くのう。彼奴に任せてみるか。先が見えたな。ちょうど城が欲しいと大物言っておったしな。


 「構わん」


 「お館様失礼します」


 「聞こう」


 「はっ。浅井新九郎以下1000名程が城で決起するかと」


 「ほぅ?左兵衛尉はどうなっておる?」


 「未だ左兵衛尉側の方が多く、すぐに鎮圧されるかと。今出撃すれば挟み撃ちになるところを新九郎が上手く躱してるように感じます」


 「決起か・・・見せかけじゃな。義弟には親父は討てぬであろう。横山城まで退いてくるか、そのまま本当に内乱となるか。市はどうなっておる?」


 「すいません。そこまでは入り込めておりませぬ」


 「ふん。市自身が選んだ人生じゃ。捨ておけ。草は何人入り込んでいる?」


 「はっ。10名程入り込んでおります」


 「全員退かせておけ」


 「構わないので?」


 「構わん。将軍は取るに足らぬ。明日には決着をつける。倅に旗を振らせる。ワシはそのまま返す足で小谷へ向かう」


 コトン


 「え?これは?」


 「新たに雇った者が開発したすもーくはなびというものだ。ここにこのらいたあなる物で火を点けると煙が出る」


 シュボォォォォォォォーーーーー


 「おぉぉぉ!?なんとこれは・・・」


 「これはお主にしか渡さぬ。この意味が分かるか?」


 「・・・・・・・・お市様でしょうか」


 「ふん。毛程にも思うてはおらぬがあれでも一応同腹の妹じゃ。義弟が誠に決起すれば1番に市と姫は殺されるであろう」


 「命に代えましても必ず救出してみせます」


 「あまり口約束は好きなほうではないがな・・・任務達成すれば思いの褒美を取らせてやろう。頼むぞ」


 「はっ」

 

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