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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第二章
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秘密兵器

 「よくこんな2隻も購入できたな」


 「初めて船を購入したけど、意外にも中古の船って車買うより安いよ!まぁ程度によるんだろうけど、この船は信長さん専用船だよ」


 今しがた里志君達に言った通り船は意外にも安かった。船の相場の基準は船体の傷や塗装、エンジンの年数や時間なのだそうだ。


 あのマリンショップのダンディー社長が色々教えてくれた。


 まずは信長さん専用のつもりで購入した船舶は年式は不明。ダンディー社長は不明と言っていたが恐らく1980年代前半の船だろうと。


 その船は長さ45ft(約14メートル)エンジンは320馬力の1基だ。エンジンもどのくらい古いかは分からないそうだ。定員は16名となってはいるが、元々漁船だから訳わからない古い装備が色々装備されているからこれを除ければもう少し乗れるだろうと思う。


 そしてもう一隻は見た目はサビサビ、塗装も剥げかけ、エンジンも船の大きさの割に小さい、1970年代に元々瀬戸内の島々を航行していた客船だった船だ。


 大きさこそかなりでかい。道幅をギリギリ、家の庭は農家の家だからそれなりに大きさはあるけど、それもギリギリ入った感じだ。


 この船に関しては修復しないと水には浮かばないだろうと思う。ただ大きさと値段に惹かれて購入したのだ。屋根やなんかも壊れかけ、朽ちてきている。ただ、エンジンだけが生きていたのが幸いだ。


 2隻で180万円で購入できた。恐らく今後は海を走らせる船なんかも今後購入していこうとは思っている。



 「合田君?その船向こうに運ぶんでしょう?」


 「はい!まず向こうに行って小川さんか誰かにドアを佐和山城に移してもらって運びます!琵琶湖に近いですからね」


 「なら少し時間あるわね!私は買い出しと先生にこの平安時代の壺を見てもらってくるから!」


 壺・・・確かに両手に壺を抱えてはいるけどそんな高価な壺なのか!?


 「武蔵、少し待ってくれ!俺の荷物も届いたから先にこれを岐阜に持って行かせてくれ!」


 「了解!」

 



 「おい!お前等!もっと気張れッ!!頑張った者にはワシ自らが褒美を取らすぞ!さぁ!もっと力を入れよ!」


 「おーい!皆の衆!動けや動け!牛馬の如く!」


 これぞthe戦国ブラック集団だろう。自称 甲賀隊総隊長、自称 合田武蔵 馬廻り筆頭、自称 合田家筆頭家老の小川三左衛門にドアの出口を佐和山城にしてもらうためオレが走り書きした手紙を持ち、丹羽さんに届けてもらったわけだ。


 恐らく2時間は掛かるだろうと思い、密林サイトで購入した自作弾丸キット類を運び込み、ちょうど池田マダムもニコニコ顔で色々購入して戻ってきたため、先に岐阜に行ってもらい、オレと田中さん2人でハンバーガーを食べに行ったわけだ。


 すると1時間もしない内に里志君から電話だ。


 『小川さんからメールがきてるぞ!設置できたって!』


 こんなメールがきたら急いでしまう。本来はこの後銃砲店に行き、田中さんと一緒に鉄砲の弾丸に使うプライマー(撃針)を購入しようとしていたのだがその余裕もなくなった。


 だがこのプライマーがないと弾丸製造はできないため急いで銃砲店に向かった。ここで色々説明を聞きたかったがそんな時間もなくとりあえず1000発分のプライマーを購入し銃砲店をあとにした。そしてすかさず軽トラに牽引ロープを繋げ、思いっきりアクセルを踏みなんとか船を佐和山城まで運んだわけだ。


 とりあえず、ドアの設置はさすが自称 甲賀隊総長というべきか。佐和山城 城下の1番琵琶湖に近い空き家に設置したらしく、現代の納屋を潜った瞬間、城の中ならどうしようと思っていたわけだがそれは杞憂だったわけだ。


 そして現在・・・城下の男手、女手、城詰めの人誰構わず褒美を出すと触れを出し、船が乗ってある台車にロープを括り、人力で琵琶湖を目指している。これぞtheブラック戦国時代だ。


 佐和山城から1番近い松原村という村を通り、現在の松原水泳場というところを目指してそうぜい100名近くで作業をしている。


 丹羽さんの号令の一つの褒美というものはオレが持ってきたプリンだ。田中さんにクーラーボックスを持ってもらい、コンビニプリンをあるだけ買って来たのだ。頑張った者にだけとは言っているが、一応全員に渡そうとは思っている。


 「それにしても壮観だね」


 「田中さんにも手伝ってもらってすいません」


 「いいんだよ!僕はこういう生活嫌いじゃないしね!岐阜にはみどりも待ってるし、今は毎日楽しいよ」


 「ははは。ありがとうございます。あの例の客船の方ですけど修理できそうですか?」


 「そうだね・・・あの船屋のマスターはエンジンこそ生きてるけど船体はすぐには大丈夫だと思うけど、到底海なんか走らせれないとは言っていたよね。とりあえず僕が考えたのは明日、明後日に国友さん達を呼び寄せてガラスFRPで補強して、その上にアルミテープを貼れば矢なんかは貫通されないと思う」


 「塗装なんかはどうします?」


 「さすがにそこまでする時間はないよ。乾かす時間もないしね。とりあえず輸送がメインならそれで事足りると思うよ?この客船の方に関してなら一度に70名近くは運べると思うんだけど。ただ、船底は気をつけてねおかないと護岸工事なんかもしてない時代だからね」


 「なら1番大切な船底塗料だけ塗る感じですか?」


 「そうだね。これを塗らないとせっかく安く購入できた船もすぐに壊れてしまうかもしれないからね。まぁ槙島の戦いだっけ?それまでには間に合わすから安心してよ」


 「ありがとうございます!お願いします!軽油やオイル類は明日、甲賀隊の誰かに持って来てもらいますので」


 「分かったよ!くれぐれも死ぬんじゃないぞ?」


 「大丈夫です!いつもありがとうございます!」


 「我が君!本日はもうお帰りで?」


 「あ、小川さん設置早かったですね!ありがとうございます。そうですね・・・今日はまだ帰ってやる事とか購入するものがあるんですよ。あの船も燃料がいるのですが、今まで持って来ていた燃料とは違うのでまた大量に購入しないといけないんですよ」


 「そうでしたか。ならまた一走りして岐阜の例の小屋に戸を設置しておきましょう」


 「え?もう少し休憩してからでもいいですよ?」


 「なんの!なんの!小泉や野田等なんかに負けてはおれんですからな!」


 小川さんの事をスーパー忍者というんじゃないんだろうか?元気良すぎるよ。

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