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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第二章
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未来への布石

 軍の召集は慶次さん、竹中さんに任す事となった。例のドライブの時にそろそろ将軍が挙兵すると聞いたからだ。ただ、オレ達が三方ヶ原で戦っている時信長さん達も上京で少し小競り合いを起こしていたらしい。


 そこに関してはそのドライブ終盤の時に聞いた。所謂、上京焼き討ちだそうだ。


 本当に炎大好きな人なんだなと思う。そして今回はオレも信長さんに付き従っての軍事行動だ。佐和山で、国友さん一門衆と田中さんとで作った船の力作だ。


 だが信長さんが指示した船より一回り小さいので当初は作り直せと言われたらしいが、田中さんが動画を見ながらなんとか取り付けたエンジン・・・先のドライブでも分かる通り、信長さん自分で操縦し大いに喜んだそうだ。


 だが、それでもやはり一度に多くの人材を輸送したい『軍を動かす時間こそ織田軍の強さなのだ』と信長さんに言われたみたいで・・・



 〜ドライブした次の日 密林通販サイトの荷物を戦国時代に持って行った直後〜


 「それで珍しく田中さんがオレと一緒に来ていると・・・」


 「そうなんだ。信長もやっと僕の可能性に気付き『5日で船をあと2隻用意しろ』と言ってきたからね。それに『ワシはできない者にできない事は言わん。できると思うからこそ言うのだ。次郎!ワシはお前に期待している』そう言われれば頑張るしかないよね」


 うん。これは充てられたってやつだろう。信長さんも言う事が上手い。田中さんは褒めてこそ伸びるタイプなんだと思う。


 「けど、作るのじゃなく買うんですね?」


 「むっ。さすがに僕でも5日で2隻も作れないよ。今回は今後の事を考えて未来の船を購入するんだ!お金は武蔵君!頼むよ!僕の殿なんだろう!?」


 あぁ〜あぁ〜よく言うぜ。まぁでも田中さんにはお世話になってばかりだし、残りの400万で船が買えるかは分からないけど買えるだけ買ってもいいかな?


 そして2人で那古屋にあるマリンショップというお店に来た。なんなら船屋に来るのなんて初めてだ。何故ここにしたかというと、ネットで調べたらここに中古の船がズラリと掲載されていたからだ。


 そして、田中さんとお店に入る。


 「いらっしゃいませ〜」


 「こんにちわ。さっき電話した合田です」


 「お待ちしておりました!さぁさぁどうぞこちらへ!」


 ちなみに、里志君と有沙さん、あやめさんは家の納屋に行くまでにある物干し竿や雑草なんかを除去してもらっている。納屋までの幅は十分だろうと思うが念のためにだ。


 「本日はどのようなものをお求めで?」


 「はい!ネットで見させていただいたのですが中古の船を早急に用意してほしくてここへ来させていただきました」


 「そうですか。目的はレジャーでよろしかったですか?船にも大きさがありますからね〜。そういえば失礼ですが免許はお持ちで?」


 「あっ、免許はありません!それに変わった趣味かと思われますが実は走らせる予定はないのですよ!飾っておきたいというかなんというか・・・ははは!」


 苦し紛れの言い訳だ。本当は念の為に免許を持ち、運転の方法も聞いておきたいがそんな時間は残されていない。まぁ、免許に関しては戦国で運転するには問題ないが未来であやめさんと海デートとかしてみたいと思うからいずれ取得してもいいかなと思う。これぞリア充だな。


 「そうでしたか・・・ははは!変わった趣味をお持ちで・・・」


 マスターは50代のダンディーな方だ。だがオレには分かる。少し引いているな。


 「なら、裏手に展示してありますのでどうぞお越しください!」



 〜武蔵の家〜


 「それにしてもあやめさんってよく働くよね」


 「そうですか?漆原様や一ノ瀬様も色々とされてるではありませんか?」


 「いや、それなりにはしてるけど・・・あぁー!腰が痛い」


 「私も腰が痛い」


 

 「ちわー!合田様おられますかー?白猫宅急便ですー」


 「おっ!さっそく荷物が来たか!?ごめん!有沙!あやめさん!受け取ってくる!」


 「私達もそろそろ終わりにしよっか!あやめちゃん?合田君とどうなの?」


 「ななな何がでしょうか!?」


 「もう!分かってるくせに!」


 「それなりに仲良くしてると思います。一応・・・大殿が京の仕事が大方片付いたら、合田様のお母様に今一度挨拶に伺うように話はしてあります」


 「そっか・・・仲が良いのは羨ましいね」


 「一ノ瀬様は漆原様となにかありましたか?」


 「なんだろうね?好きって難しいよね」


 「え?」


 「ううん。なんでもないの」


 「おーい!有沙!あやめさん!運ぶの手伝ってくれー!」




 〜岐阜城 御座の間〜


 「綾子!次はこれじゃ!」


 「まさか!?あれはその昔、堺で有名になった唐物の湯呑み・・・」


 「これは景徳鎮窯で作られた青花で染付された湯呑みです!」


 「ほう?本物か?」


 「はい!多分本物かと思います!」


 「ふん!丹羽!良かったな!よし!次じゃ!」


 「池田内匠頭様!次はこれを!」


 「構わん!綾子、見てやれ。村井民部少輔貞勝だ」


 「あ!貴方様が京都所司代の!?」


 「いやはや、私はそんな大層な者ではございませぬ。実はこれでございまして。京暮らしが長いせいか京の公家達をもてなしたりするのに数々の茶器や陶器、掛軸なんかを買っていまして・・・その我が村井家の宝物の一つでして」


 「・・・・・・・」


 「あのう・・・どうされたましたか!?」


 「綾子、嘘は言わんで構わん!本当の事を言ってやれ」


 「はい・・・村井様?残念ながらこれは221BC〜206BCの秦の時代に作られた灰釉陶器ーー」


 「びいしいが何を指す事かは分かりませぬが本物ですと!?」


 「残念ながらその灰釉陶器を真似て作ったものかと・・・。あまりに不自然なくらい綺麗ですね。放射性炭素年代測定をすれば詳しく分かりますが恐らく、平安の頃にここ尾張国周辺で焼かれた物かと思います」


 「えぇ〜・・・・これに私は銭100貫文も払ったのに・・・」


 「クハハハハ!慎重な村井が偽物を掴まされるとはな!まぁ諦めろ!だが、綾子!其方等の世界ではこれはこれでそれなりになるのではないのか?」


 「まぁかなり貴重な物です」


 「ふん!村井!くれてやれ!それに京暮らしに疲れたところだろう?未来の食い物や酒で疲れを癒し、また京での政務を頼むぞ?」


 「いいのですか!?かなり歴史的価値のある物になりますよ!?」


 「ははは・・・池田内匠頭様に預けます・・・どうせ贋作なわけですし・・・・」


 「村井様?私が未来の焼き物を数点お持ちしますよ。それと何か珍しい物とか・・・」


 「グスン・・・・」


 「え!?村井様!?」


 「綾子気にするな。村井はこうなのだ。政務も戦もかなりやる男だが昔から運のない男でな。ワシも不憫に思うておったのだ。まさか偽物だとはワシも思わなんだ。大休止だ!おい!残りの者は暫し待てい!昼からまた再開致す!それと村井の事を偽物掴まされた男と笑う者が居れば手討ちぞ!」


 「分かりました。では少し私も席を外しますね」




 〜現代の家〜


 「ここです!ここ!」


 「庭に運び込んだのでいいのですか?」


 「いや後はこちらでしますので敷地にだけ置いてもらって構いませんか!?」


 「な!?武蔵!?その大きな船は!?」


 「大きい・・・・」「凄〜い!!」


 「まぁ!?漁船!?」


 「うん!?みんな揃いも揃って!?池田さんは今日、品評会かなんかじゃありませんでした!?」


 「いや、それは今休憩中で・・・そんな事よりそれを買ったの!?」


 「あのう・・・ここで構いませんか?」


 「あっ、すいません!大丈夫です!無理言ってすいませんでした!」


 「海ではないけど購入してくれた事には変わりないからね!もし免許取りたいなら言ってちょうだいね!?保険とかも全部うちは揃ってるから!」


 「ははは!ありがとうございます!」


 「合田君!」「武蔵!」「田中君も!」


 「「「「早く説明して!!!」」」」


 みんなが目を嬉々として聞いてくる船・・・意外にも中古船は安かったんだ。そりゃ高いクルーザーみたいなのもあったがそれはさすがに買えない。さて・・・長い長い説明の開始だ。

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