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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第二章
146/174

織田家家臣 オールスターズ

 ジュゥ〜〜〜〜〜


 「うむ。美味い!織田殿の事を知るには同じ生活をする事が1番!」


 「ははは。はぁ〜・・・・」


 本当は内輪だけでバーベキューをするはずだったのに徳川さんも飛鳥井さんも一緒にする事となった。


 〜30分前〜


 「合田殿?相すまぬ。彼奴は2度と合田殿の前に現れないように致す。謹賀の折ではあまり話す事叶わなかったが今こうして話す事ができる。礼を言う。そして、徳川殿にも謝罪したい」


 「なんのなんの。あれが飛鳥井卿の本意ではない事は重々承知しておりますぞ」


 「うむ。それでだ。麿が合田殿に話があるというのは他でもない。単刀直入に言いましょう。麿と誼を結んでいただきたい」


 「え!?いや本当にいきなりっすね!?」


 「織田殿から聞いてはおるだろうが、麿はこれより朝廷の中で権力を取らなければならない。それができないと織田殿との盟約を守れないからな」


 いや初耳っす。まったく大事な事や肝心な事は話してくれない信長さんっす。


 「その顔では知らされていないようだな?実はーー」


 オレはまったく分からないため、不思議そうな顔をしていると説明をしてくれた。


 まずこの飛鳥井さんが京に戻り朝廷の中で発言力を増す。これは謹賀の儀の時も少し言っていた。織田に味方する公家や公卿を増やすのがこの飛鳥井さんの役目だそうだ。そして、オレでも知ってる人・・・


 「前関白である、麿の1番の友でもある近衛殿を是非織田陣営に迎え入れていただきたい」


 「それはあり得ない事ですな?飛鳥井卿?」


 「やはりあの噂を信じておられるのか?」


 珍しく話の中に入ってきたのは徳川さんだ。


 この近衛前久・・・永禄の変の事だ。足利義輝を殺害した三好三人衆とその当時は親交があり、三好寄りの考えだった。


 だが、信長さんが義昭を奉じて上洛すると義昭は兄、義輝殺害に近衛前久が関与してるのじゃないかと疑い出した。更に前関白の二条晴良も近衛前久を追求しだし・・・


 「とうとう朝廷から追放されたのだ。その当時での麿では力になれなくてな」


 「だが、先の本願寺の蜂起も近衛殿の焚き付けとの噂も流れていますがのう?」


 「確かに、事実関係は分からぬが近衛殿は教如上人を自分の猶子としましたからな」


 概ね史実通りだと思う。実際、近衛前久は織田陣営に来るはずだ。飛鳥井さんの部下はクソだったが飛鳥井さん自身は別に好きでも嫌いでもない。いや、部下の事があったから少し嫌いかも。けど、信長さんがなにか作戦を立ててるなら個人の感情は捨てないといけない。


 「それを仮に飛鳥井卿が友と思っている近衛殿が本願寺を焚き付けた張本人をお赦しになられますかな?」


 「織田殿なら分かってくださる。近衛殿は織田殿を憎く思っているわけではない。これは本人の口から聞いたから間違いではない。近衛殿は、将軍 足利義昭公と関白 二条晴良殿の排除が目的である」


 「ふむふむ。手段は問わずにと?」


 「それこそでしょうな。武家も目的のためならば手段も問わぬでしょう?」


 オレの知る歴史では結果しか分からない。だが、色々起こる事象にはこういう水面下での動きがあるんだなと思った一コマだ。


 「それで・・・飛鳥井様はオレにどうしろと?」


 「そんな身構えないでいただきたい。普通に季節の贈り物や合田商店での買い物をさせていただきたいのだ。世にも珍しき、奇天烈な物も多いと聞く」


 「いやまぁ珍しいっちゃ珍しいかもしれませんが・・・もし、公家や公卿を懐柔する酒や甘味が必要なら手紙でもくれればオレが贔屓にしてる飛脚の人に運んでもらったりできますけどどうです?」


 「うむ。ではそのようにお願いする。今度は粗相のないようにしておく。銭もちゃんと渡すように致す」


 まぁ本当はお金はいらないけど、さすがにタダではだめだ。

 

 「ありがとうございます。いろはちゃん!」


 「は、は、はい!」


 「そんな緊張しなくていいから入っておいで〜。飛鳥井様、この女の子がオレの店を切り盛りしてくれている、いろはちゃんです。特別に必要な物なんかはこの子に言ってくれると助かります」


 「年端のいかない女子おなごが差配してるのか!?やるではないか!飛鳥井雅教である!苦しゅうない!これからよろしく頼む!」


 「はははは、はい!よ、よろ、よろしくお願い致します!」


 「ははは!いろはちゃん面白いね!緊張しすぎだよ!」


 「合田君〜!ただいま〜!お肉買ってきたよ!田中君もちょうど合流したから連れて来たよ〜」


 「武蔵君!あけましておめでとう!おや?来客中だったか。失礼」


 「紹介します。田中さんと言って、オレの師匠みたいな人です。これから家の改造や色々な開発をする重要な人ですよ」


 「そうであったか。ワシは徳川三河守家康である。よろしく頼む」


 「貴方様が徳川様でしたか!田中次郎と申します!よろしくお願いします!」


 おっ!?田中さんは徳川さん推しか!?


 「よければみんなでバーベキューなんていかがですか!?」


 いやいや田中さん!?なんで勝手に誘ってんだよ!?


 「なにか分からないが食べ物という事なのは分かる。御相伴に預かりましょう」


 いや、徳川さんもなんで食べ物とは分かるんだよ!?


 「麿も・・・よろしいですかな?」


 「ははは!いいですよ」


 断れるわけないだろうが!



 〜現在〜


 「これが噂の梅の酒と澄み酒ですかな!?あぁ〜、今日は麿がいきなり押しかけたんだから無礼講だ!合田家のありのままで居てくれて結構!」


 「これじゃ!この酒じゃ!合田殿!ワシは明日には三河に帰る!土産にこの金色の酒が欲しい!」


 「ビールですか?1ケースくらいならいいですよ!いろはちゃん!後で用意してあげて!」


 「合田君!焼けたわよ!それにしても、有沙ちゃんも漆原君も遅いわね〜」


 「明智様と出かけたって聞いたけど・・・」


 「ただいま〜!おっ!?焼肉の匂いがしてるぞ!?」


 「噂をすればだね!肉はまだまだあるから私が焼くよ!」


 「池田さんすいません」


 オレは玄関に里志君達を迎えに行ったのだが・・・


 「おや?合田殿も居たのか?」


 いや居たのかって・・・一応オレの家だぞ!?


 「武蔵聞けよ!明智様面白いんだぞ!京都のマル秘話とか色々教えてもらったぞ!それに、鍛治職人って凄いのな!」


 「そ、そっか。また後で教えてよ!明智様もよければ夜ご飯一緒にどうですか?」


 オレは社交辞令で聞いたわけだが・・・


 「御相伴に預かりましょう」


 いや断れよ!?2回までは断るのが通例じゃないのか!?


 「あっ!バーベキューしてるじゃん!いいね!合田君!ありがとう!お腹空いたんだよ!」


 「では・・・某はこれで・・・」


 「いや、柴田様もご一緒にいかがですか?」


 「そうだよ!勝っちゃんも一緒に食べようよ!」


 「うむ。一ノ瀬殿がそう言ってくれるならば・・・」


 有沙さんと柴田さんは同級生かよ!?


 「おぅ!なんぞいい匂いが漂ってきて・・・うをっ!?柴田殿も明智殿も居られたか・・・」


 「あっ、羽柴様こんばんわ!」


 「この匂いはなんじゃ!?ねねの飯を食べていた最中だが敵わんのだが!?」


 「バーベキューですよ。奥さんも一緒にどうです?」


 「ねねを呼んでもいいのか!?柴田殿、明智殿も構わないのですか?」


 「まぁ、某は呼ばれた立場ゆえに」


 「私も同じですな」


 「父上!ここに居ましたか!あっ!里志兄ちゃん!」


 なんだなんだ!?なんでこんなに人が集まるんだ!?しかも里志君や!?あの小学6年生くらいの女の子と知り合いなのか!?有沙さんという彼女が居て不満なのか!?えぇ!?不満なのか!?うん!?父上・・・


 「こら!玉!口の聞き方には気をつけなさいとあれ程言っているではないか!柴田殿も羽柴殿も娘がすまない」


 「ははは!慎重かつ、所作が完璧な明智殿とは正反対ですな!子供は元気が1番ですじゃ!玉ちゃん?父上には大変お世話になっておるよ」


 「羽柴のおっちゃん嫌い!」


 「「「「・・・・・・・」」」」


 一瞬、時が止まった気がした。


 「こら!玉!訂正しなさい!織田軍に羽柴殿のような方が居なければお前の生活も成り立たなくなるのだぞ!謝れ!」


 「ははは!子供は正直ですからな!はぁ〜・・・」


 いや羽柴さんガチで落ち込んでいるんだが!?


 「と、とにかく!せっかくなのでみんなでバーベキューしませんか!?武蔵!?いいよな!?な!?」


 「あ、あぁ!いいよ!」



 はぁ〜・・・身内だけのはずが、錚々たるメンバーになってしまった・・・。

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