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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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岐阜への帰還

 竹中さんも慶次さんも半日で戻ると言っていたからオレとあやめさんは夜ご飯を食べずにした。


 「あぁ〜あ。本当はあやめさんと回転寿司でも食べたかったんだけどなぁ〜」


 「私達だけなにか食べると、前田様はブーブー怒ると思いますよ?」


 「そうだね。みんな頑張ってくれたしね。なら向こうでみんなで食べようか」


 オレは腹が寿司になっていたため、急遽寿司屋さんにお持ち帰り、60貫 3500円のやつを10個という迷惑な注文をした。


 だが、断られる事もなく注文でき30分程のドライブ後に受け取り家に戻った。こんなに頼んでも35000円なんだから安いものだ。


 「よし!これで小川さん達甲賀の人達の分もあるだろう!これだけあれば足りるよね!?」


 「どうでしょうか?里の者は武蔵様がお出しする食べ物をこよなく愛す人達が多いので足りないやもしれませんよ?」


 冗談だろ!?これで足りないって・・・まぁその時はラーメンで我慢してもらおう。これ以上荷物持って行けないし。


 

 家に到着すると、里志君と有沙さんはコーヒーを飲んでいた。どうやら動画編集とやらが終わったみたいだ。


 「おかえり〜」


 「合田君!?どんだけ買い物してるの!?荷台がパンパンじゃない!?」


 「ただいま!有沙さん!これは向こうで、あやめさんの妹のいろはちゃんの糧となるんです!まぁ言えば商いの商品ですよ!」


 「そ、そっか・・・うん。凄いね!向こうも到着したみたいだよ!」


 「本当だ!向こう側が見える!じゃあ行こう!オレは荷物があるから時間掛かるから先に行ってて!」


 ここで慶次さんなら・・・


 『おう!分かった!先に行ってるぞ!』


 で、終わるだろうが優しい里志君と有沙さん、あやめさんは手伝ってくれるとのこと。


 4人でせっせと運ぶ。戦国の方はだいぶ馬を飛ばしたみたいで、慶次さんはオレの部屋にジャージで寝転んでいた。


 「おう!来たか!竹中殿と速駆け勝負したのだが疲れた!」


 「合田様!お姉ちゃん!お帰り〜!!!」


 「合田様お帰りなさいませ」


 「いろはちゃん、みどりさんお久しぶりです。ただ今戻りました」


 慶次さんは言わずもがな。そのまま寝転がっている。ただ本当に疲れているようだ。


 いろはちゃん、みどりさんは商い用の商品は蔵に、ウィンナーや、たくあん、飲み物など冷やさないといけないものは冷蔵庫に入れてもらった。


 現代4人、戦国2人での作業はすぐに終わった。


 「ふぅ〜。やっと終わった。さて・・・里志君?有沙さん?分かってるとは思うけど・・・寿司パーティーだ!」


 「やっぱりな!あやめさんが大切に持ってるからなんだろうとは思ってたんだよ!俺達の分もあるのか?」


 「うん。あるよ。ただ、争奪戦になるかもしれないけど」


 

 ここで、甲賀隊のみんなは普段どうしてるか説明しよう。


 本来、直臣はその主と一緒に生活する人達が多い。だが、オレはまだ・・・いや、一言坂で直臣にならせてほしいと言われはしたが、まだ正式にはなっていない。


 ではそれはいつなるのか?信長さんが許可を出してからだ。この時代の命は軽い。軽いのだが、意外にも出仕表というものがあるのだ。


 主には間者対策らしく、今は兵農分離が100%に近いくらい行われているため少なくはなったが、〜村の〜誰々みたいにちゃんと身元が分かるものをその人が所属する部隊の上司に渡すらしい。


 ただ、識字率が悪いため文字を書ける人が代表で書くから100%間者対策とはならないみたいだけど。


 そして普段の生活はそこらへんで野宿する事も当たり前らしい。長篠へ赴く前なんかはオレは野宿させるのが可哀想なためお金を渡して宿場かどっかで泊まってほしいと言ってはいたが、それでも野宿してる人は居たみたいだ。お金を里の家族のためにと行ってる人も多いのが、オレの家臣になる甲賀の人達だ。


 「慶次さん?みんなは今はどこに居るの?」


 「うん?長良川で汗や血でも洗ってるんじゃないか?」


 「そっか。なら引っ越しも考えないといけないな。大所帯になったしね」


 土地はかなりあるはず。城の周りは意外にも民家や商店なんかも多いが、少し離れると広大な土地が広がっている。抜根は中々手間が掛かるだろうが、土地はどんどん拡張させられるし。


 「合田様!お帰りなさってますか!?」


 「あっ、遠藤さん!お久しぶりです!」


 オレ達が休憩していると、遠藤さんが家にやってきた。


 「お久しぶりにございます。この度はおめでとうございます。お館様は諸手を上げて喜んでおられます。一度登城の方をお願いしたく・・・おや?漆原殿と一ノ瀬殿では!?」


 「覚えててくれたのですね。お久しぶりです!」


 確かに一回しか会ってないけどよく覚えてたな。


 「これはいい!お館様が更にお喜びになられる!さぁさぁ!行きましょう!」


 「よし!じゃあ行こうか。慶次さんはどうする?」


 「見りゃ分かるだろ!?俺はこれから山先と語り合うのだ!」


 ふん。護衛とは聞いて呆れる。


 「じゃあオレ達は行ってくるよ。深酒し過ぎないようにね!あっ、いろはちゃん!甲賀隊の人達を呼んで寿司食べてていいからね!」


 「畏まりました」


 オレ、あやめさん、里志君、有沙さんとで登城する事となった。



 城に着き、大広間に呼ばれる。既に平手さんも到着していた。竹中さんも疲れた顔をしてはいるが、部屋に居た。肝心の信長さんはと言うと・・・


 「ハハハ・・クハハ・・クハッハッハッ!!!よくぞ!戻ってきた!おい!佐久間!入ってまいれ」


 「はっ!」


 「あっ!!?佐久間さん!!!」


 オレは思わず様ではなく、さんと言ってしまった。まさか帰っているとは思わなかったからだ。


 思わず飛び掛かりそうなところを竹中さんに止められた。


 「ほほほ。いくらお館様の密命とは言え、あのような本気の逃げっぷりとは中々の演者ですな?佐久間殿?」


 「そう皮肉っぽく言うな。ワシは命令に従ったまでじゃ。まさか今孔明と巷では言われている竹中殿こそ遅れるとは思わなかったがな」


 なんか、言葉闘いしてるようだ。それに密命ってなんだ!?聞いてないぞ!?


 「よせ。竹中も武蔵も許せ。全てはワシが命令した事だ」


 信長さんがそれから説明を始めた。


 どうやら、大和の松永久秀・・未来名、通称ボンバーマンさん、西美濃三人衆と言われる1人・・・安藤守就って人が謀反の動きがあったらしい。


 それを確かめるらしく、浜松へ赴いた佐久間隊を途中徳川軍、織田軍が捕捉されないように離脱させたらしい。ついでに・・・


 「貴様の忠誠心を見るのにもよかったわ。寧ろお釣りが出るくらいじゃ。まさか武田をいとも簡単にな・・クハッハッハッ!」


 いくら信長さんの密命だとしても少し気分が悪い。マジで死にかけたんだから。まだまだお子ちゃまなオレはここで少し顔に出てしまう。


 「その顔はなんじゃ」


 「さすがにやりすぎじゃないすかね?死にかけたんですよ!?」


 「おい!武蔵!」


 「里志君は黙っててほしい」


 オレが信長さんに口答えをすると遠藤さんがアタフタし出した。


 「ふむ。まぁ確かに貴様への忠誠は見なくとも良かった事ではある。そこはワシから謝ろう」


 「え!?」


 オレはビックリした。あの天上天下唯我独尊の信長さんが謝ったからだ。


 「なんじゃ?ワシが悪かったから素直に謝るのじゃ。どこぞのボンクラの将なら自らの非を認めず謝らない者が多いだろうが、ワシは違う。間違いなら素直に認める。悪いなら謝る。人なら当然の事であろう?」


 やっぱ未来で伝わる信長像が一人歩きしてるんだろうな。どうしても冷酷な人と思ってる節が未だにある。だが、実際この人はちゃんとした人だ。多分、家康が天下を取った後、だいぶ信長像を変えたんだろうな。


 「こちらこそすいません。言い過ぎました」


 「良い。ワシは人から指図される事は嫌いだ。だが間違いは正さねばならぬ。まずは報告を聞こう。漆原、一ノ瀬もよく来た。どうやって来たか全て話せ」


 「はい!」

 

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