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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
111/174

漏らした事実

 大広間では既に戦勝会のような感じになっていた。初戦とはいえ、武田に勝てた事が余程嬉しかったのか、城詰めの人達は両手をあげて喜んでいる。


 「さすが殿!それに本多!よくぞ!」


 「俺は大した事はしていない。むしろ鬼神の如く武者働きしたのは織田軍の方だ。特に合田殿だ」


 ここで本多さんに振られたわけだが特段オレはなにかしたわけではない。あやめさんの残してくれていた1発の銃弾と、たまたま敵が弾がないと錯覚して竹筒を捨ててくれた事が噛み合ってああいう結果になっただけだ。


 謂わば、棚からぼたもち的な感じだ。


 「正直、自分でも驚いています」


 「ははは!まぁそう謙遜するな!武田の事は織田軍より徳川軍の方がよーく分かっている!さぁ!さぁ!まずは一献!」


 知らない城詰めのおじさんがやたらオレをヨイショヨイショしてくる。そもそもあんた誰だよ!?


 「服部殿、合田殿は酒が弱いそうだ。あまり飲ませすぎるなよ?」


 いやいやあんたが服部半蔵かよ!?かなり有名な人じゃん!?


 パンパン


 「皆の者!静粛に!殿が参られた!」


 若い人が手を叩いてそう言うと家康さんが甲冑を脱ぎ、オレが持ってきたフリーサイズのジャージを着て現れた。


 少しお腹ポッコリしているが全然似合ってると思う。


 「と、殿!?その格好は!?」


 「許せ。織田軍の物資の中に入っておった南蛮の洋服ともうすものらしい。これがまた気持ちいいし、楽なのだ。いやそれより・・・誠よくぞやってくれた!!」


 みんなジャージとか作業着とか着れば分かるのに。浴衣ではないけど、和服でいいのかな?この時代の服はしんどいんだよ。


 徳川軍はワイワイしている中、オレ達織田軍・・・主に一言坂で戦った人達は興奮冷めやらぬという感じだ。特に小川さんという人にかなり褒められた。


 だが、城に残っていた佐久間さんはかなり不機嫌だ。一応、今回の浜松救援隊の総大将は佐久間さんだ。その下にオレや竹中さんが居る感じだが、これまた本当にすこぶる機嫌が悪い。


 馬場信春撃破の報告をした時だ。


 「勝手して出張って敵将を討ち取ったからよかったものを、お前はお館様の書状を見ておらぬのか!?お前はお館様の言を破ったのだぞ!?」


 「その件はすいません。ですが、あのまま放っておけなくーー」


 「言い訳はするなッ!!馬場何某を討った!お前如きにやられるくらいだ。どうせ名前が先走りしておっただけであろう!なにが不死身の鬼美濃だ。もういい!貴様は大人しく座して浜松に居ろ!勝手な行動は金輪際許さん!」


 このように生理中の女の子か!?ってくらい不機嫌なのだ。まぁ理由はなんとなく分かる。が、それを竹中さんが教えてくれた。


 「至極当然な事・・・新参者の合田殿が大手柄を上げた事が許せないのですよ。まぁ気にしない方がよいですよ?ほほほ」


 「は、はぁ・・・。まぁとにかく、竹中様もついて来てもらいありがとうございました」


 「ほほほ。私の勘は当たったでしょう?まぁ今日は飲めや!歌えや!」


 「おーい!武蔵!山先を出せ!俺は頑張ったぞ!」


 「我が殿!ワシもてぃらみすなる甘味を所望ーー」


 ガツン


 「馬鹿!小川が!なにを勝手に所望している!貴様はなにもしておらぬだろうが!殿!この小泉伝七郎、ちよこばあなる物を見てみとうございます!是非に!」


 「貴様!貴様も所望しているではないか!我が殿!いいや!我が君!!この小川!この小川三左衛門が所望するてぃらみすをなにとぞ!!なにとぞ・・・」


 いやいや急に2人はどうしたんだよ!?それに我が君とはなんぞ!?気持ち悪いんだが!?



 「誠、みんなよくやってくれた!内藤!大久保!これからもよろしく頼む。そして忠勝!忠勝こそ我が家の良将だ!」


 「そんなもったいのうございます。某は責務を果たしたまで」


 「チッ。あぁ〜あ!殿も酷うございますな!この大久保忠佐も殿しんがりの務めを果たしたのに・・・忠勝ばかり褒めるのですか!?」


 「い、いや!忠佐!そんなつもりではない!いやすまぬ!」


 なんか家康さんがたじたじになってるんだが!?


 「いや、いいんですよ?忠勝は殿に褒められていいのう?のう?」


 うわ・・・あの大久保って人・・・嫉妬だ。紛う事なき嫉妬だ。


 「い、いや・・・某はそんな・・・大久保殿・・・すまぬ」


 いや、さっきまであの大軍の中奮闘していた本多さんですらたじたじになってるんだが!?


 「そういえば殿?殿の鞍になんぞ茶色いなにかが付着してあったのう?はて?あれはなんだったのかのう?」


 オレは耳を疑った。そして、里志君の言葉を思い出した。


 「脱糞するか確認してきてほしい!気になるんだ!」


 と。


 いや待てよ!?だからか!?だからジャージに着替えたのか!?脱糞は本当だったのか!?


 「クッ・・・おのれ忠佐・・・」


 あぁ〜あ・・・家康さん顔真っ赤じゃないか。そりゃこんな大勢居る中で言われればキレるだろ!?なんなら切腹もんじゃねーのか!?


 ピュ〜 ピュ〜


 いやいや言った本人の大久保さんはなんで口笛なんか吹いて涼しそうな顔してんだよ!?一気に空気が悪くなったじゃねーか!


 「殿?次の戦の第一陣は俺ですよ?」


 「・・・・好きにせい」


 「徳川殿!!!落ち込む事はございませぬぞ!この合田武蔵を見よ!此奴もかつては、糞尿を漏らした奴ですぞ!」


 はぁ!?いやいや!?なんでここで言うんだよ!?なんで佐久間さんはそんなにドヤ顔なんだよ!?


 「なんと!?まさか!?」「あの合田殿が・・・」


 ポンポン


 オレが驚いていると慶次さんが軽く肩を叩いた。しかも少し首を横に振りながらだ。やれやれという風に感じたわけだが・・・。


 クッソ!あの悪い雰囲気は嫌いだ!ここはオレがなんとか・・・


 「そうなんですよ。初めて岐阜城に赴いた時に池田様の威圧に耐えられなく漏らしてしまったのですよ・・・まぁ誰しも失敗はある!」


 「ほほほ。そうですよ。皆、やや子の時に糞尿くらい漏らしているでしょう?気にする事はありませんよ?ねぇ?合田殿?ぷっ」


 クソが!竹中半兵衛!!いい事言って纏めようとしてるくせに最後に笑いやがって!!

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