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ドア開けたら戦国時代!?  作者: デンデンムシMK-2
第一章
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始まりはボットン便所からでした。

 ある日を境に変わった。


 オレは合田武蔵。20歳。名前だけ聞けばガチムチ系に聞こえるだろうが、どちらかと言えばヒョロガリだ。オレが2歳の時に亡くなった親父が、『戦艦武蔵のように気高くみんなを護れる男に育つように』と付けてくれた名前らしい。そう母親に言われ育った。


 この変わった名前のせいか友達みんなから『武蔵!』「むさしくん!』と名前で呼ばれる。


 まぁそんなオレの事はどうでもいいだろう。この度意味のないニートを卒業しようと思い一念発起したのだ。女手一つで育ててくれた母親にそろそろ心配はさせてはならないと思ったからだ。高校卒業からコンビニバイトやカラオケバイトなんかをしたがどれも続かず。


 今回はホームセンターのバイトだ!なんと試用期間が終われば正社員雇用有り!と求人募集を見かけて応募したらすぐに採用されたのだ!


 そんなオレは高校の時までオレの仲間だと思っていた奴から衝撃の事実を電話で聞く。


 「彼女ができた」


 と・・・。


 詳しく聞くと、オレと仲の良い友達は1人しか居ない。幼稚園の時から同じだった里志君だ。その里志君はオレとは違い、趣味こそ同じだったが頭はかなり良かった。オレはニートだが里志君は旧帝大に行く猛者だ。


 そう。その仲間だと思っていた里志君が裏切りやがった。


 オレは焦っているのをバレないように詳しく聞いた。どうすれば彼女ができるのかと。


 里志君は答える。


 『俺今一人暮らしなのは知ってるだろ?大学のみんなでよく俺の家で飲み会をするんだがその内の1人の女の子が泊まるようになって付き合う事になった!悪いな!魔法使いは卒業したぞ!お前も早く卒業しろよ!』


 オレは悔しくて悔しくて堪らなかった。だがここで負けず嫌い発動。


 「え!?今まで魔法使いだったの!?知らなかったよ!俺は16歳の時に卒業してたからさ!ははは!これで仲間入りだな!!」

 

 言ってて惨めになってくる。そんなオレの嘘を嘘と思わず信じてくれるのが里志君だ。


 『え!?そうだったの!?知らなかった!相手は誰だったんだい!?俺は初めての彼女だから大事にしたいから今度色々教えてよ!あっ!彼女来たから切るぞ!じゃあな!』


 オレは泣いた。全オレは泣いた。


 そしてオレは何を勘違いしたかお母さんにお願いをした。


 「お母さん!オレ一人暮らししたいんだ!!」


 「は!?お金はどうするのさ!?もうあんたにお金掛けるほど余裕はないよ!」


 「バイト代全額渡すからお願い!!」


 「あんたね・・・一人暮らしするって、どうやって生活するのさ!?バイト代って言っても一月10万前後でしょ?家賃、光熱費、あんたの好きなインターネッツ代やらもいるんだよ?」


 「インターネットだからね。頑張って働くからお願い!」


 「何がそんなに1人暮らししたくなるんだい!?」


 オレは思わず彼女が欲しいからだよ!!と言いそうになるがさすがにそんな事言えない・・・。


 「じ、人生経験だ!お母さんがどれだけ大切か分かるためだよ!家事がどれだけ大変か知らないといけないだろ!?」


 「武蔵あんた・・・。分かった!ならおばあちゃんの家あったの覚えてる!?古いけどあそこはまだ住めるはずよ!年に2回お母さんが掃除しに行ってるから大丈夫!そこで住みなさい!」


 母ちゃんごめん。感動してくれてるけど本当は女を連れ込みたいからあんなばあちゃんのボロ家は嫌なんだよ・・・けどこれも絶対に言えない。


 

 それからは早かった。1ヶ月まるまるフルで働いて給料は15万3000円だ。全て母ちゃんに渡して必要な物を色々買ってもらった。足りない分は払って貰った。情け無いけどまずは経験だ!


 母ちゃんの運転で走る事30分。実家からもバイト先からも程よい場所だ。ちなみに免許は持っている。ただ今回はたまたま、母ちゃんの運転だ。もう一つ、じいちゃんもばあちゃんも既に他界している。


 「わぁ〜!久しぶりに来たわね。さぁ!早く荷物入れるわよ!」


 それからボロ家・・・ゴホンッ。ばあちゃんの家に期待しつつ2日を掛けて荷物を入れ込んだ。


 「さっ!これで終わったね!困った事あればすぐに電話するんだよ?いいね?後、インターネッツの業者さんは3日後に来るって言ってたからちゃんとお茶出してお礼言うのよ?」


 「分かった!分かったから!ありがとう!」


 半ば無理矢理に母ちゃんにお礼を言い帰ってもらった。


 オレだって1人でやろうと思えばできるんだ!


 そんなこんなで初めての夜。築70年は経つだろうと思う古き日本家屋だ。トイレはボットン便所だ。オレはデリケートなケツなためウォシュレットじゃないと糞ができない。

 チャリで10分程走った所にあるコンビニのトイレじゃないと糞はしないと決めていたが間に合わない事もあるだろう。まさに今がそうだ。仕方なくボットン便所に向かう。


 「ヤバイ!漏れる!漏れる!」


 一人暮らしには大きすぎる家にオレの声が響く。そして急いで便所に入ろうとドアを開ける。するとそこは・・・


 「うん?何奴かッッ!?曲者ぞ!!出合え!出合えッ!!」


 「は!?なに!?ここは!?ヤバイ!漏れ・・・」


 ブリブリブリブリ・・・・


 齢20・・・・人生初・・・いや赤ちゃんの頃漏らした事があるはずだ。だから厳密には初ではないが物心ついてから初めてウンコ漏らしてしまいました。

 

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