セーラー服魔法美少女戦士下野紘子は今日も魔法のえんぴつ(物理)で悪と闘います!
「なろうラジオ大賞4」応募作品です。
コメディー。R15じゃなくても大丈夫だと思いたい。
「○ねやオラぁ~!!」
「ぐぎゃぶぱっ!」
「よっし! 退治完了♪」
セーラー服をアレンジしたフリフリの衣裳に身を包んだ美少女が今日も悪の怪人を退治する。
その手には怪人の血にまみれた大きなえんぴつ。このえんぴつは大きさを自由に変えられる魔法のえんぴつだった。
でも、魔法って言っても大きさを変えられるだけ。だから今日もセーラー服魔法美少女戦士下野紘子は魔法のえんぴつで物理的に怪人をお仕置きするのだ!
「さ! 終わったし、牛丼でも食べに行こ~っと!」
紘子はえんぴつについた血をひと振りで飛ばすと、大きさを普通のえんぴつのサイズに変えて胸ポケットにしまい、るんるんと鼻歌を歌いながら血みどろのセーラー服で牛丼屋に向かうのだった。
またある日。
紘子は怪人が暴れている現場に遭遇した。
「おのれ怪人! 私が来たからには! 変身っ!」
紘子は胸元からいつも通り魔法のえんぴつを取り出して変身しようとした。
だが……、
「あ、しまった! このまえ衣裳と一緒に洗濯しちゃったから家で干してるんだった!」
いつものえんぴつは母の手によって使えなくなっていた。
その間にも怪人は暴れ、モノを壊し、人を傷付ける。
「ど、どうしよ~」
紘子が困っていると、
「セーラー服魔法美少女戦士下野紘子! これを使え!」
「えっ!?」
突然、紘子の足元に一本のえんぴつが投げられた。
「あ……タツミー仮面!」
それは紘子が困っているといつも助けてくれる謎の仮面の男だった。
「いつも私のピンチにだけ現れる都合の良いストーカー男! 今だけはありがとう!」
「ふっ。お安い御用さ」
タツミー仮面は紘子の嫌みを受け流した。
「よし! 変身! &魔法のえんぴつで物理的にお仕置きよー!」
尺の都合で怪人はあっという間にひき肉ミンチになったのだった。
「タツミー仮面! 好感度のためにありがとうって言っておくわ。ありがとう!」
「ふふ、ふふふふ。セーラー服魔法美少女とか。最高。ふふふふ。僕は、これからも、君を見守ってるよ。ふふふふふ」
「うん! 物理的にお仕置きよ(殺意)!」
「ぎゃー! それをそんなところから……大きくしないでー! ぐわー! あ、ありがとうございまーす!!」
こうして、この世界の平和は今日も一人の魔法美少女と陰から支える変態によって物理的に守られるのだった。
お二人ともごめんなさいとだけ言っておきます(^-^;