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思考

ミツル視点ですが、本編に大きく関係あります。

 ふぅ。やっと寝たか。

 マコトが寝て、1人で考える時間を持った俺は

 今日起きたことを整理し始める。

 朝、確かに文化祭の準備を持って、俺は自転車を漕いでいた。だが、気づいた時にはここにいて、そばにはマコトが倒れていた。



 マコトを起こしてからのことは省略しよう、




 ココはいつもの見慣れた河川敷。

 だが、一つ、決定的に違うことがある。

 それは明らかに街がボロボロであること。

 というか、ほとんど原型を留めていない。

 それが何なのか分からないレベルで崩壊し、

 瓦礫の山となっている。

 マコトも俺も正直現状を受け入れられていない。




 だから、今日は現実に目を背けながら軽口を叩き合っていた。作業を始めてからも街のことには触れないようにしていた。



 だが、これからはそんなことを言ってられない。

 現実逃避もここまでだ。

 朝になったらしっかりと話し合おう。




 自転車のカゴにくくりつけたペットボトルを見る。

 もう水は消えている。

 ペットボトルの下に鍋を置き、上から水を入れる。

 これで朝までには水を貯められるだろう。


 次は煮沸をしなければならない。

 加熱設備を作る必要がある。


 大きめの石をいくつか積んで

 鍋が置けるようにした。


 ライターで火はつけられる。

 燃やせる紙もある。

 その辺に生えている草を使えば

 短時間は持つ。

 だが、長時間燃やすなら薪が必要だ。


 だが、見える範囲にある木は

 対岸の山にあるものだけ。


 今、俺たちのいる場所は河川敷だ。

 目の前にある川は浅いものの

 川幅は200m近くある。


 浅いものの毎年死者が出ているこの川を

 不用意に渡ることは避けたい。

 見える範囲の橋は崩壊している。

 どうしたものか。


 増してや今は夜。

 視界も暗い。

 不用意に離れてもいいことはない。

 もうそろそろ俺も寝るか。



 そこまで考えたところで、

 あることに気づいた。

(俺のスマホを確認していない)


 マコトと夜の初めに荷物を確認した時、電源をいれようとしてもマコトのスマホは画面が黒いまま変わらなかった。


 だから、「自分のスマホもつかないだろう」と考えていた。

 でも、確認はするべきだ。

 スマホの電源を押す。




 何も変化はおきない。



 今度は20秒くらい長押しする。




 だが変化は起きない。


 と、ここで違和感を感じてスマホをよくみる。

(充電ケーブルの差し込み口がない?)

(となるとこれは俺のスマホとは異なるのか?)


 もう一度画面を見てみる。

 すると薄く、本当に薄くではあるがスマホの周囲が明るい。

 どうやら起動したようだ。


 しかし、そこから先どれだけボタンを押しても画面を触っても画面が変化することはなかった。


 そして、マコトを起こすことを忘れて、ミツルは眠りに落ちていった。

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