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チホちゃん  作者: 終純神米
2/2

須藤さん

「お待たせ岩井さん」


 少し経ってから須藤さんが到着した、店内に入った時に頼んだのだろう程なくして須藤さんの前にミルクティーが置かれた。


「ごめんね、いきなり呼び出しちゃって、、、」


 そこから彼女は黙り込んでしまった。中々本題に入ろうとしない須藤さんに痺れをきらした私は、チホちゃんの事か?と聞くと彼女は真剣な顔で頷いた。わざわざ場所を変えてまでこの話をしたいという事はきっと彼女は見た側の人間なのだろうと自分の中で結論に至った。


「いいよ話して、見たんでしょ?」


私の言葉に驚いたように顔をあげた。



 やはり須藤さんはチホちゃんの夢を見ていた。夢の内容は、真っ暗な木造校舎に知らない女の子が居て、彼女は自分の事を「チホちゃん」と名乗ったのだと。

 何故か夢の中ではチホちゃんに恐怖心を抱かず、最近の流行りはなんだとかTVはどういう番組をしているのだとか浦島太郎状態のチホちゃんの話し相手をしただけだと言っていた。

夢の中なのに窓の外が明るくなってきた頃、チホちゃんがお願いをしてきたと言った。


『ワタシは死んだのか生きてるのかワカラナイの、ワタシを探して、ワタシと出会った事、オトモダチに話して。』


 須藤さんからの話を聞く限り、チホちゃんは害が無いんじゃないかと思いながらふと疑問が出た。


「で、そのチホちゃんのお願いを断った場合どうなるの?」


 彼女は、それは分からないと震える声で言った


「もし、お願いを聞き入れれなかったらどうなるのって聞いたの。そしたら、チホちゃんにっこり笑いながら消えちゃった。」


 須藤さんは、こんな話誰に聞いてもらえればいいかわからなくて、私が見たチホちゃんの夢とクラスで話題になってるチホちゃんの夢の内容違うくて、他の子に言ったらウソつき呼ばわりされそうで怖かったの。 と言った。

 クラスの女子がこの話で持ち切りな時、興味無さそうに見ている私を見て私なら話せるかもしれないと思い声をかけたのだという。


「話さないって手段もあったけど、最後のチホちゃんの顔目が笑って無くてとても怖かったの。お話してる時のチホちゃんは全く怖くないんだけど、お願いする時のチホちゃんは怖くて裏切れないって思った。」


そう彼女は続けた。




 だが、ここで少し問題が出てきた。チホちゃんと話してその話を誰かに広めるだけではどんなに待ってもチホちゃんが何者かわからない。本来の目的は恐らく自分自身の安否だろう。もう少しチホちゃんについて調べる必要がでてきた。


 須藤さんに聞いたチホちゃんに繋がる情報は『お家はお山の神社の近く』『近くの小学校の夏祭り』『仲の良かった友達』

仲の良かった友達の名前を聞いてみたが須藤さんは覚えていなかった。これは直接自分で聞く必要があるみたいだ。

 



 須藤さんと別れ帰路につく途中、突然背後から呼び止められた。


「ねぇ、さっきの話ってチホちゃんの事?よかったらアナタが見た後に内容話してくれないかな」


 振り向いた先に居たのは私が通ってる学校の隣の市にある学校の制服を着た女生徒だった。校則は緩いのか髪は茶髪で所謂ギャルというものだろうか。


「あなたは?」


「アタシは木戸ハルO市の学校に通ってるよ、肝心な部分で一緒にいたコ声落してたっしょ?だからチホちゃんって単語しか聞き取れて無いからさ。アナタが見たらアタシに教えてよ」


 聞くと伝染する夢で騒がれているのになぜ聞きたがるのか不思議に思っていると


「詳しい事はアタシに話してくれた後に教える。でもきっとアナタ達がやろうとしている事に力になれるはずだからさ これ、アタシの連絡先夢見たら教えてね!」


 じゃ!と連絡先だけ渡すと去って行ってしまった。木戸と名乗った彼女が言っていた肝心な部分とはどこなのだろうか。もしかしたら本当に何か知っているのかもしれないという希望を少なくとももちながら、今日夢に出るはずのチホちゃんへの質問を脳内でまとめた。








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