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最強の太ももはなにか!?今現在最強の太ももはきまっていない。



 「助けて!!おにいちゃん!!!!この、あな、深い!!!!」



 「ミク!!!絶対に手を離すんじゃないっす!!!!!!」



 「うわあああああああああ!!!ニカ!!!絶対にお姉ちゃんの手を離すなああああああ!!!!」



 「分かった!!!ぐおおおおおお!!!!お姉ちゃああああああああん!!!!」



 「私はお前のお姉ちゃんじゃなああああああああああああああああああいいいい!!!!」



 なんてことだ。


 気合の掛け声によって巨大な『ポケット』が開いて!!!!


 ミクいもうとが空間魔法の穴を覗きこんだら、落ちてしまった!!!!



 落ち着け。


 落ち着け!!!!!



 いもうとのピンチにこそ、お兄ちゃんが頑張らなくて、どうする!!!!!


 いもうとのピンチを救えずして、何が『最高のお兄ちゃん』だ!!!!!!!!



 ミクいもうとの手を繋いだ、

 ニカちゃんの手を繋いだ、

 イチカお姉ちゃんの手を繋いだ、



 「この俺の手の輝きが、全てだあああああああああああああ!!!!!」



 頑張れ。


 頑張れ!!!!!!



 「やれるやれる絶対やれる気持ちの問題だ諦めるか諦めるかあきらめるかあああああああああああああああ!!!!!!!」




 たとえ腕の血管がちぎれようが、右腕が使いものにならなくなろうが!!!!!!




 「後悔なんぞ、残すかあああああああああああああああああ!!!!!!」



 「うおおおおおおおおおおおおおお!!!いもうと一本釣りいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!」




 力を振り絞って、3人分の体重を思いっきり引き上げる!!!!!!!



 空中に向かって弧を描く、太陽の光に照らされた3人は、眩く輝いて美しい。



 まるで、太平洋で親父と一緒に釣り上げた、カジキマグロのようだった。





 「まだじゃああああああああああああ!!!」



 急いで3人の落下地点を計算して、猛ダッシュで向かう!!!!




 物理の授業を真面目に受けていて良かった!!!!!



 放物線Pが向かう先を、物理学の向かう先を見据えていて、良かった!!!!!



 「ぶつりの先生、あっりがとおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」



 間に合え。


 間に合え!!!!


 いや、ちがう!!!!



 間に合わせる!!!!!!!!



 「スライディングウウウウウウウウウ!!!!!!!!」



 間一髪で三人の下敷きになることに、成功した。





◇◆◇





 「おにいぢゃ、おにいぢゃああああああああんん!!!」



 わんわん泣くミクいもうとを俺の両腕で抱きとめる。



 何てことだ。


 何てことだ!!!!!!



 いもうとを泣かせるなど、俺はお兄ちゃん失格だ!!!!!



 「済まない!!済まない!!!!いもうとを危ない目にあわせるなんて、俺はお兄ちゃん失格だ!!!!!!」



 「ぢがうのおおおおおおおお!!ミクが、いもうとがわるがっだのおおおおおおおおお!!!」




 そんな訳あるものか!!!!


 この世でいもうとに悪いことなど、たったの一つも無い!!!!!!!



 悪いのは俺だ!!!!


 あと、世界の方だ!!!!!!!!



 『いもうと労災』とか、『いもうと山用、安全ロープ』とかが無い、この世界が間違っているんだ!!!!!!!!




 「済まない!!済まない!!!何でも聞いてやる!!!いもうとの望む者の首を、お兄ちゃんが何十人でも刈ってきてやる!!!!!」



 「うわああああああああああん!!いっじょに寝てええええええ!!!これから一週間、いもうとを抱きじめて寝てええええええええええええ!!!」



 「ああ、ああ!!!一週間と言わず、一生添い寝してやる!!!!!これからは、お兄ちゃんが、ミクいもうとの、枕であり、掛布団であり、シーツであり、ベッドであり、布団だ!!!!!!」




 いもうとの寝具になる。


 これ以上の、お兄ちゃんとしての誉れがあるものか!!!!!




 「うわああああああああん!!!うれじい、うれじいよおおおおおおおおお!!!!」



 怯えた涙は拭い去り、いつしか喜びの涙を流すいもうとを、俺はいつまでも抱きしめていた。


 いつまでも、いつまでも・・・。





◇◆◇





 泣き疲れて眠ってしまった、我が最愛のいもうとを膝枕しながら、説明を続ける。



 「そういう訳だ。俺は『空間魔法』が使えるのだ。」


 「お気に入りのクマさん人形の収納スペースに困っていたら、俺に言え。」


 「もうお前たちが、道具の持ち運びで困る事は、一生無い!!!!」




 「そんなことはどうでもいい!!!何故お前がミクを膝枕しているのだ!!!」



 「何を言う!!!お前は『いもうとを膝枕するお兄ちゃん』の絵画の構図を、俺たちから奪い去ろうというのか!!!!!」



 「お前こそ何を言う!!!いもうとの膝枕をするのは、お前のその鍛え上げて程よく引き締まった太腿では無い!!!!!」


 「この私の柔らかさと強さを併せ持った、至高の太ももこそが相応しい!!!!!!」




 「「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!!!!」」




 『お兄ちゃん』と、『お姉ちゃん』。


 磁石のS極とN極。


 やはり、相容れない存在どうしという訳か。



 とうとう、長年の因縁に終止符を打つ時が来たようだな。




 「「せーの・・・」」



 「「さいしょはグー!じゃんけんぽん!!あいこでしょ!!!!あいこでしょ!!!!あいこでしょ!!!!あいこでしょ!!!!あいこでしょ!!!!あいこでしょ!!!!あいこでしょ!!!!!!」」



 「勝ったー!!!!!」



 高らかに勝利の凱歌を歌うイチカお姉ちゃん。




 「負けた・・・」



 この時だけは、ミクいもうとが眠ってくれていて、良かった。



 お兄ちゃんが敗北する姿などいもうとには見せられないからな・・・。




 「ふっふっふ。さあ、ミクの身柄を引き渡してもらおうか。」



 「ブザマな敗北者は、かたいかた~い、地面の感触でも味わっているがいい!!!!!」


 「ふははははははははははははははは!!!!」




 くそう。


 くそう!!!!!




 「ししょう!!!私がいるっす!!!わたしのこの貧相な太ももがまだ残ってるっす!!!!!」




 「ああ、ありがとう!!ありがとう!!ニカちゃん!!!!」


 「俺に良い考えがある!!!!」



 「なんっすか!!!なんっすか!!???」



 「まずニカちゃんが、イチカお姉ちゃんに膝枕してもらっている、ミクいもうとの可愛い太ももに乗っかるのだ!!!!」



 「こうっすか!!!!」



 ミクいもうとの頭を、聖母の表情で撫でているイチカお姉ちゃんを尻目に。



 ぐっすりおねむなミクいもうとの可愛い太ももに、頭をのせるニカちゃん。



 「これでよし!!!!!」


 「準備は万端だ!!!!!!!」



 「まず、イチカお姉ちゃんの太ももの柔らかさを100もちもちとする!!!」



 「イチカお姉ちゃんの太ももを波紋が伝わり、」



 「ミクいもうとの太ももの柔らかさが通常のジャンプ力の2倍で、400もちもちとなる!!!!!」



 「そして更に、ミクいもうとの太ももがゴムのちからで更にもちもちになり…」



 「ニカちゃんの太ももが3倍界○拳もちもちにより、1200もちもちの数値を記録するのだ!!!!!!!」



 「よって、ニカちゃんの太ももによる、俺の安眠が約束されるのだ!!!!!!」



 「うおおおおおおおおおおおおおおおおっス!!!!!!!」



 ふっ。


 太もも×太もも×太もも=さいきょう。


 また、この世界の法則を一つ、解いてしまったということか。


 これは物理学者だけでは無く、数学者の道も歩む他にないという訳だ。



 「お前ら!!!やかましい!!!!ミクがぐっすり眠れないだろうが!!!!!!」



 3人が騒ぎ立てるなかでも、ぐっすりすやすやと眠っているミクいもうとは、やっぱり図太いのであった。




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