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【第1話】普通の男子中学生、オレ。

異世界転生もの小説といえば

“オレ最強”“ハーレム”なんかが定番だが・・・。

オレは、最強でもなければ、かわいい女の子達に囲まれてるわけでもない。

どうやら普通(?)の転生をしてしまったようだ・・・。


クソ・・・定番じゃなかったのかよ・・・


この話はオレが主人公だぞ・・・?




ハーレム、作りてぇえええーーーーーーーーーーー!!!!!








オレの名前は田中タイチ。

中学生2年。思春期真っ只中だ?うるせぇ。

成績普通、運動神経普通、顔も中の下くらいといったところか。



生まれてこの方、平凡な人生を歩んできた。

ラノベとか、ゲームとか漫画とかが好きで、

女の子にモテた経験はゼロ。

なんかしらの特殊能力があるわけでもない、

ほんとうに普通ーーーの男子中学生だ。



「はー、なんか転生して最強の力手に入れたい。それかハーレム。」


「タイチ、またそんなこと言ってんのかよー」



教室でぼやいているオレに声をかけてきたのは幼馴染のショウト。

オレより成績優秀、運動神経もいいし、まあまあかっこいい。

サッカー部に所属しており、結構かわいいマネージャーと付き合ってる。

かなり勝ち組なやつだ。



「だってさー今の人生つまんねーもん」


「まだ中学生じゃん。これからだろ?」


「今がつまんねーんだから、

 これから先もずっとつまんねーよぉ絶対・・・」


「まあまあ」


「ショウトはいいよなー。今めちゃくちゃ楽しそう」


「そうでもねーよ・・・」



ショウトが顔を曇らせる。

あれ?いつもは明るく笑い飛ばすのに。

なんかあったんかな。


「どうしたんだよ」と言いかけたそのとき、

ショウトを呼ぶ声が遠くから聞こえた。



「・・・アイリ」


ショウトが苦虫を噛み潰したような顔で名前を呟いた。

その相手は、サッカー部のマネージャー。

・・・つまり、ショウトの彼女。


アイリはこちらへ駆け寄ってくると

ショウトに向かって言った。



「ねえ、一緒に帰ろう?」


「・・・今日はタイチと帰りたいんだけど」


「いいじゃん、ね?」



アイリはこちらをチラっと睨み、

ショウトに腕を絡ませた。

なんなんだこの女。


まーでも、ショウトと付き合ってるんだし

一緒にいたいって気持ちがあるのかな。


オレは気をきかせてこう言った。



「彼女と一緒に帰ってやれば?

 オレ今日早く帰ってテスト勉強するし、じゃ!」



サッと教室を飛び出る。

ショウトも大変だなあ。

彼女がいるといろいろ束縛されんのかもな。


やっぱ現実世界の彼女とかよりも、

アニメとかラノベとかの

かわいい女の子達に囲まれて

自由恋愛できる方が最高だよなー・・・。

なんてことを考えながらダッシュで家に帰る。


今日から一週間後にテストがあるので、

テスト勉強をしないといけないのは事実だった。

本当はショウトとダラダラしつつ勉強会をする予定だったが

・・・まあ、いいや。

早めにテスト勉強を終わらせてラノベでも読もう。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







・・・・・・・・・・・・・・・







・・・・・・・







・・・







オレはこの日、

ショウトを置いて一人で帰ったことを


一生後悔する事になった。

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