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枕の下に 希望の上に(5)

名無しビット

命に

権利や義務など無い

名前が付いて

初めて

声が出せるからだ

そして

居場所が確定されて

その声は大きくなる




あなたがもし

名無しだったら

権利を失うかわりに

義務を背負わなくても

良いのだ

あなたが一番最初に

捨てたい物は

本当は

名前だったんじゃないか

ネットの中で

好きなように喋っている

今の人型動物のように




隣に

名前のわからない

人の形をした動物が居る

いつの間にか

そんな動物が増えていた

そして

何かを伝えようとする

その鳴き声は

良くわからない




あなたがもし

名無しだったら

結果が同じの生き物として

どう生きるのだろう

どう死ぬのだろう

あなたが一番最初に

捨てたい物は

本当は

名前だったんじゃないか

今までを捨てて

これからを手に入れたいと

希望みたいな混沌に

手を引かれて




ガソリンの匂いのする

セルフスタンドで

エンジン掛けたまま

給油するみたいな

あの危険な感覚を

常に抱いて

名前という存在の

堅固な盾を

トイレに置き忘れる

見つかれば失敗するけれど

見つからなければ

スリルを味わえると

ここでは無い世界で

脱ぎ捨てて行く




あなたがもし

名無しだったら

あなたの声の価値は無い

あなたがもし

名無しだったら

あなたの意思は無視される

あなたが今

あなただから

話を聞く人が居る

あなたがもし

名無しになるなら

離れて行く人も居る

大切なのは

名前のある

あなたの声



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